セントル
次回は水曜日12時です。あらすじを書き直しました。ある程度物語が進むたびに少しずつ変えていきます。
パエーゼ村を出てはや一ヶ月、隊商は王都に向かう道中に存在する村によりながら足を進めた。
俺も村による旅に仕事の手伝いもしたり、村の特産品というのを見て回った。
特産品としては野菜や木材などが多かったがある村に立ち寄った際にお米があった。
この世界に来てから久しぶりのお米だったが食べると懐かしい思いにかられたものだ。
そんなこんなでもうすぐ王都セントルがもう目視で確認できるところまで来ている。
高い石壁に囲まれ、奥にはひときわ大きい城が見える。
ラウロさんによればあれはセントルのちょうど中心にある王城だそうだ。
セントルは城下町で城を中心に広がっている。
俺がその光景に圧倒されていると馬車は石壁にある大きな門に続く道の途中で止まった。
「さて検疫所だ ディーノ、おめぇさん身分証明できるものなんて持ってないだろ?」
「身分証明ですか?」
ラウロさんが俺の隣に座り、俺に尋ねた。
俺は今までの人生で身分証明できるようなものを作った覚えはなかった。
「ああ ギルドカードやなんやらなんだが 持ってるのか?」
「いえ ないですね あっ! もしかしてなかったら入れないですか?!」
王都を目の前にして大きな難題が出来てしまったかと驚きを隠せない。
しかし、そんな俺を安心させるようにラウロさんは説明してくれた。
「一人だったならな 今回は俺たちが保証者になってやるから問題ない ただし入ったあとでお前とはお別れになる だからセントルについたらまず最初に冒険者ギルドにいけ そこでギルドカードを作るんだぞ いいな」
ラウロさんは親切に中に入ってどうするべきかも教えてくれた
俺がほっと胸をなでるとこのひとつ前の馬車に騎士団の検疫が始まったようだった。
馬車のむこうから中身を検分する声が聞こえる。
「そうですか……ありがとうございます いろいろ教えてもらって」
「いいってことよ その代わり新しい遊びができたらすぐに教えろよ」
ラウロさんはにこやかな表情をしながら俺の肩を軽くポンポンと叩く。
「分かりましたよ」
そんなやりとりをしていると今度はこの馬車に騎士団の人が来た。
騎士甲冑をまとい腰には剣を差し左手にはボードのようなものを持っている。
「ここにあるのは何だ?」
「おう……」
中に入ってきた人にラウロさんが説明をしている。
一旦ふたりは外に出てなにか俺の方をチラチラと見ながら話を進めているようだった。
しばらくすると騎士の人だけが俺に近づいてきた。
「外のやつから聞いたが君は身分証明できるものを持ってないそうだな」
騎士甲冑をまとった20代後半くらいの男が俺に威圧的に聞いてくる。
俺はその威圧感に少し引き気味になりつつも答える。
「は、はい 身分証明できるようなものは持ってません」
「そうか、まずは名前、年齢、セントルに何をしに来たのかを答えてもらおうか」
「ディーノ・フォレスタ 12 学園に入学しに来ました」
騎士の人は俺が言った言葉をボードにある紙に書き込んだようだった
「ふむ、出身はパエーゼ村でいいのか?」
出身地という答えづらい質問に俺は苦虫を噛み潰したような表情になった。
「いえ、あのそれはちょっと説明しづらいというか……」
「パエーゼ村ではないのか?」
騎士の人は俺の内心など気にすることなく聞いてくる。
「えっと説明しないとダメですか?」
「ダメだな ここの商人たちや専属冒険者の保証があるものでも答えてもらおう」
もう説明するしかないなと諦め正直に話す決意をした。
「実は俺捨て子でして……気づいたらパエーゼ村のすぐ隣にある森の奥の方にいたんです そこに住んでる人に育てられました」
俺は自分の本当の出身地や実の両親のことは覚えていない捨てられた子供という設定にし話した。
子供の頃のことをはっきりとは言いたくはないし覚えているのは異質だと思うので当たり障りのないようにした。
俺が答えたあと騎士の人は俺のことを不憫な物を見る眼差しを俺に向けたあと何かを確認するように手に持ったボードを見た。
「よし お前のことはここに記録した この街でギルドカードを作るだろうがそれまではこれが代わりになる なくした紛失した場合はすぐに騎士団の窓口に届出を出すこと いいな」
手渡された紙を掴み、騎士の人が言ったことを頭の中で反芻し、覚えたところで俺は頷いた。
「それとこれにはお前の顔や身体的な特徴なども書かれている もし犯罪を犯した場合即刻指名手配がかかる まぁ君が犯罪者でなかったらなんの意味もない忠告だがな それを肝に銘じておけ」
そこまで言うと騎士の人はここから立ち去り次の馬車に向かったようだ。
そして騎士の人と入れ替わるようにラウロさんが入ってきた。
「さて検疫も終わったようだな お前が持ってる紙はギルドカードができるまではなくすなよ〜 それがないと宿にも止まれないからな」
「そんな大事なものなんですか!?」
右手に持っている小さな紙切れがそんなに大切なものしり俺は驚いた。
ラウロさんによると身分証明どころか買い物などにも必要だそうだ。
「ま、そんなことはさておきお前とは中に入った時点で解散だ 元気でやれよ 学園を卒業して冒険者にでもなって困ったことがあったら俺を頼ってもいいからな」
ラウロさんは俺を茶化すように俺に行ってくる。
それを返すように俺もラウロさんに最後の言葉を言った。
「俺が有名になったときラウロさんが困ったことがあったら俺が助けますよ」
俺がそう言うとラウロさんはさっきよりも笑みを深くした。
「言うじゃねぇか お、そうだ 俺が言うのも変だが……」
そこでラウロさんは貯めるように俺の方を見た。
俺はラウロさんの言おうとしていることが疑問符を浮かべるように首をかしげた。
そしてラウロさんは今までで一番の顔で俺に言った。
「ようこそ! セントルへ!」
最近のなろうの流行りって転生者のセカンドライフ系なんですかね? そうするとはやりと真逆のことやってるなぁ




