成果
次回は日曜日の12時です。
師匠との修行6ヶ月目
「ハァハァハァ……」
左には川が見える。
この前、雨が降ったせいだろう、川は普段よりも水が多く勢いを増している。
川に入ろうものならすぐに為すすべもなく流されてしまいそうな勢いだ。
故に左には逃げる道がない。
反対には森がある。
森は俺が初めて入った時と同じように奥が暗く、先の見えない天然の迷宮だ。
こちらにも逃げることはできないだろう。
一旦奥まで入ってしまうと抜け出すのは難しい。
俺にはただ走るしか選択肢がない`少し昔の間での俺なら´な……
「おーっりゃ!」
「グルッ!」
「ハッハー! これが俺の努力の結晶だ!」
「ガァァオ!」
そう、俺は……
「まだまだ`捕まってやんねぇよ´!」
敵の攻撃をかわし、懐に潜り込んでから反対側にも逃げれるようになったのだ!
――――――――――――――――――――
「阿呆か、この馬鹿者」
ゴツン!
あのあといつまでも魔法を使える気配もなく逃げている俺を見て耐えかねた師匠がベスティアを倒し俺に説教をしている。(ちなみに今回はクマ型のベスティアだった)
「いって~! もう! 叩かなくてもいいじゃないですか師匠! あと阿呆かバカどっちかにしてください!」
「クソ野郎」
「さらにランク下がった!」
「なんでそう、いらんところばかり成長するんだ貴様。 もうこの近辺に出るベスティアならどんなやつでも逃げ切るだろう。 それじゃいつまでも魔法は使えんままだぞ。」
「いや、俺もですね。 逃げてる最中に魔法を出そうと集中して見てるんですが全然体の中にある魔力を感じられないんですよ。」
「危機的な状況にならん限り、感覚が鋭くなることはないと言ってるだろう、そのためのこの修行なんだぞ。 おとなしく死にかけろ。」
「だって痛いの嫌なんですもん」
「はぁ…もうお前、魔法使い諦めて近接職のが合ってるんじゃないか? 剣を持ってあの動きは厳しいだろうが短剣ぐらいならできるだろ?」
「それじゃ偉くなれないじゃないですか。 ゼネラルになれるほど俺は近接に適正ありませんから、そういったのは師匠ですよ。」
「あ~そうだったっけ? 興味ないことはすぐ忘れる主義でな覚えてない。」
「しっかりしてくださいよ~」
「あ~もうわかった! 明日は別メニューにする、 覚悟しろ これで出来なかったら次はないと思え。 おお!そうだ。 今日はご飯は私が作ってやろう。 腕によりをかけて作ってやる。」
「なんか優しくないですか師匠? 不気味なんですが。」
「不気味とは失礼だな、まぁ安心しろ飯に何か混ぜたりはせんよ。」
「はぁ」
その後、師匠の料理を食べたが変な味はしなかった。
むしろいつもより美味しかった。
何を企んでいるのだろうか?不安だなぁ
――――――――――――――――――――
今日はいつもより早く起こされた。
まだ眠気が収まらず気を抜くとあくびが出てしまいそうだ。
「ししょ~ どうしたんですか~? まだ太陽も登りきってないですよ~」
「昨日言っただろう? 別メニューだ。 気を引き締めろ、でないと一瞬で終わってしまうからな。」
「一瞬で終わるって……近くに敵がいませんけど……」
「いるじゃないか、目の前にな」
師匠はそう言うと俺に火の玉を放ってきた!
「うわっ! 何するんですか師匠! 危うく俺に当たる所じゃないですか!」
「お前に当てるつもりだからな。 当! 然! だ!」
師匠はさらに俺に火の玉を3連続で放ってくる。
「ちょ! 本気ですか師匠! なんでこんな、うわっと!」
「本気も本気だ! いい加減! お前に付き合うのも面倒くさくなってきたんだ!」
俺は修行でベスティアから逃げるように走り出した!
師匠は構わず俺に魔法を放ってくる。
火の玉や水の球を俺の動きを予測して放ってくるのはいつものベスティアには絶対に見られない攻撃だ
ゴワッ!
「くっそ! あちいい!」
師匠の攻撃を俺は紙一重でよけれてはいるが俺が避ける動作をしなければ確実に当たってしまうコースだ。
しかし、水の珠はいいが火の玉だけは近くを通るだけで俺に余波があたってしまう。
「師匠! やめましょう! こんなこと!」
「なぜ辞める必要がある! 別に私はお前がいなくなっても平気だからな!」
「どういうことですか!」
俺は師匠との距離を離そうとするが全く離れない、会話で集中できないようにしようとしても伊達に歳ととっているわけではないらしい、微動だにせず正確に俺に狙いをつけてくる。
「お前が倉庫の整理などやってくれたからな! 向こう数十年は整理せずとも良さそうだ! 感謝してるよ!」
「じゃあ俺を殺そうとしないでくださいよ!」
「感謝してるからこそだよ! お前は確かに普段の修行で必死にやっているのはわかるさ! だがこのままでもお前は前には勧めんだろう! だからだ!」
「だからって… ぐへっ! な、なんで前に壁があるんだ!」
俺が師匠に気を取られて後ろを見ていると俺は土の壁にぶつかった。
いきなり現れた壁にぶつかり一瞬動きと思考が止まってしまうが俺は次の瞬間には反射的に転がって師匠の魔法を避けた。
「くそっ! 土魔法で前に壁を作ったのか! もうちょっとでも動きが遅かったらよけられなかったぞ!」
「ほう! やるじゃないか! 今の攻撃をかわすか! 並みの冒険者以上だぞ喜べ!」
「素直に喜べませんよ! 森に入るしかないか!」
俺は迷ったが森に入ることを選んだ。
森に入って迷子になることよりも一直線上で遮蔽物もない今の状況の方が好ましくないからだ。
それに森に入ったら師匠は火事を恐れてむやみに火魔法は出せなくなるはずだ。
「ほう、森に入るか。 悪くない選択だ。 隠れる上に私の魔法を制限しようと云う訳だな。 乗ってやろうじゃないか。」
師匠も俺に続いて森に入ってきた。
相棒の新シリーズが始まりますね どんな展開にしていくのやら……




