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出来た目標

次回投稿は水曜日、昼12時です。

シルヴィアさんに拾われてから3ヶ月が過ぎようとしていた。


あれから俺は休むことなく家の管理をしていた。


最初は何がどこにあるのかもわからない手探りの中での作業になっていたが、今では大抵の物がどこにあり、どうすればいいのか覚えるようになった。


しかし、この家の汚さ具合はひどいものだった。


部屋には物があふれ、整理もされておらず、ゴミやホコリも貯まり放題、虫もそこらに沸き名前も呼びたくない黒光りのあいつもいた。


そいつに関しては見つけ次第殲滅作業に入ったがまだ家のどこかにいるのだろう……考えたくはないな。


そんなこんなありつつも俺は新生活を過ごしていた。


そして今俺は地下倉庫の整理をしている。


「えーっと、あれは何類の爪だ? とりあえずこっちの方に置いとくか。 次はこいつか、これは多分リザード系のウロコだなじゃあこっちか。」


地下倉庫の整理は未だに半分も終わっていない。


もともとの量が多いのもあるが俺が詳しく分類できずにいるというのが大きな要因だ。


そしてこの地下倉庫には毎日物が増えていく。


それは単純にシルヴィアさんが狩りに行ってまたもってくるからだ。


こんなにあるんだから狩りをしなくていいのにシルヴィアさんは狩りをやめない。


一度俺が狩りをやめるようにお願いしてみると


「狩りをやめろ? なんで私がお前の言うことを聞かないといけないんだ? 整理が追いつかない? それこそ知らん、お前の仕事が増えようと私の知った事じゃない。」


と一蹴されてしまった。


更には「どうせ時間はいっぱいあるんだ 暇が潰せていいじゃないか」

などと言われてしまった。


まぁ確かに最近は掃除やゴミだし(後でシルヴィアさんが魔術で燃やす)も午前中に終わるようになったから午後からは時間があるのだがそれにしたって量が多すぎる。


「おーい、そろそろ飯の用意ができるぞ! こっちに来い!」


「あ、はーい! 今すぐ行きます!」


と、飯の時間か。


ご飯に関しては今はシルヴィアさんがやってくれているのでありがたいがこれもすぐ自分でやるハメになるんだろう。


この前シルヴィアさんに掃除が午前中に終わったところを見られて「時間ができたようだな」とぼそっと言っていたからな。


料理風景を見せられるようになってきたしこういうふうにやれってことなんだろうなぁ。


「さて、飯も食べ終わったし、私は今日は狩りに出る、いいな」


「いや、別にいいですけど少しは狩り休みませんか?(整理するの大変だし ボソッ)」


「ふん、聞こえているぞ。 材料はあっても困らないからな。」


「俺は困ってるんですがそれは…」


「知らん」


「ですよね、そういえば材料って何に使ってるんですか?」


「実験だ、ベスティアのな」


「実験?」


「ああ、ベスティアは死ぬと一部分だけ残る、なぜ一部分だけ残るのかという研究のな。 残る部分の法則性はもう一般的になっているがなぜ残るのか、というのは未だに解明できていないかな。 それにベスティアの発生メカニズムの解明も進めないといけないからな」 


「は、はぁ」


「まぁお前には言ってもわからないような研究だ気にすることじゃない、それよりもお前は私が研究しやすい様に地下の整理をしていろ」


「分かってますって」


「じゃあ、私は用意をしてくる。お前は食器の片付けだ。」


「言われなくてもやりますって」


シルヴィアさんはそう言うと自分の部屋に行った。


俺はいつものように食事の後片付けをした。


夜、一日の整理が終わりベットに入るといつもは疲れですぐ眠ってしまうのに今日は眠れないでいた。


俺はこのままシルヴィアさんの下で生きていくことになるんだろうか?


どうして俺は捨てられてしまったのか?


俺はどうしたいのか?


いろんなことが頭の中に浮かんでは消える。


俺は捨てた両親を憎む気持ちはある、どうして俺が捨てられないといけないのか?と胸ぐらをつかんで問いただしたい。


しかし、それ以上に見返してやりたいという気持ちの方が強かった。


あんたたちが捨ててくれたおかげでこうなれたんだぞと見返してやりたくなった。


偉くなって優雅に暮らす。


子供のような曖昧で漠然とした思いだが俺の中の決心は日に日に強くなっていった。


そんなある日、俺は部屋の掃除をしていたら、ある本を見つけた。


「ガバルディ物語?」


俺は掃除も忘れてその本を夢中に読んだ。


内容はとある田舎暮らしの魔法使いの青年が主人公で、村の近くに潜んでいたベスティアが他国で開かれるパーティのため近くを通ったお姫様をさらいそれを助けてその功績から後にコルテ・マギとして名を馳せるというありふれた物語だったが俺が気になったのはコルテ・マギの方だ。


俺がいままで読んだ本の中にコルテ・マギが出たことは一度だけあった。


以前ネディラという人族の魔法使いの軍のことを父の持っていた本で知ったがそのトップにいるのがコルテ・マギだ。


その本には詳しく書いてなかったので知らなかったが、コルテ・マギは騎族でなくてもなれるのか……


俺はそのことを知るとすぐシルヴィアさんに聞きに行った。


「シ、シルヴィアさん! コルテ・マギって騎族じゃなくてもなれるの?」


「どうした? なんでそんな当たり前のことを聞くんだ?」


「い、いや知らなかったから…」


「知らない? ああそうか お前まだ学園に行く年でもないからな知らなくて当然か」


「学園ってなんなんですか?」


「学園も知らないのか!? あーいちいち説明するのめんどくさいから私の部屋にある本を読め、大抵のことは書いてあるから。」


「いいんですか!?」


「めんどくさいからな。 あ!ただし背が緑の本だけはダメだからな。 それは私の研究日誌だから読んだら即座に殺す。」


「殺すって大げさな――いえ、絶対読みません!」


「よろしい。 じゃあ私は部屋で研究してるからまた夜ご飯の時間になったら呼べ。」


「はい分かりました!」


シルヴィアさんが研究室に入ると俺はその日の仕事をすぐに済ませて本を漁った。


目的の本は直ぐに見つかったが、その他にも気になる本がいくつも出てきて俺がそれを全部読み終わるのはそれから一週間後のことだった。






自分の作品見てみたら携帯で2ページ分しかなかった……思ってたよりも文字数が少なかったのはショックでした。でも自分の力量では一話これぐらいが精一杯なので投稿ペースだけは落とさないように頑張ります!

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