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蒸気の街 ①






 時が止まった村を出て数時間後、小さな山を登った先に見えたのは大きな山。ジャックの言う山を二つほど超えた先の山とはこの山の事なのかと巨木を探すのだがこちら側からは見つける事は出来ず話が違うと怒りを覚えたアリスは翌々見るとその山の左奥側から煙が上がっている事を発見する。山火事にしては均一、焚火や狼煙にしては小さすぎる煙から何かの施設があるのではないかとの考えに至り煙の発生源へと舵を切る。


 元々が低い山な為すぐに下山し大きな山の麓を左側から回り込んで歩いていくと、辺り一面から徐々に森が消え草すら生えていない広い道へと出くわす。その道が繋がっている場所を見れば目的地である煙の発生源。大きな街の姿が見えた。


「何だあの煙の量は。街にしちゃ多すぎないか?」


 街からは多くの煙突が突き出しており、遠くから見れば山火事と錯覚するレベルの煙が吐き出されている事に思わず口が出るアリス。


「焼却炉にしては豪勢ね。この森の惨状からして木を大量に燃やしてるのかな?」


 スミレは街の周りから自然が消えている事から推理するのだが、結論から言えば正解。この街は大量の木を燃やし大量の煙を放出している。街に近づくにつれスミレは何故燃やしているのかを理解した。


「あれは蒸気パイプね。って事はこの街は蒸気を原動力に動いてるって事かも。」


 街の塀や建物から突き出した菅が所狭しと張り巡らされ、管理している側も全ての菅が何処に繋がっているのか理解しているのかさえ疑問を抱く程デタラメに近い配管に呆れながら話すスミレに対し蒸気を原動力の意味が分からず説明を求める二人。


「私達の義肢は魔石で動いてるでしょ?つまり魔石の力が原動力って事。それに対して蒸気、熱で水を蒸発させた力で動いているのがこの街って事。蒸発させた蒸気って結構な力があってね、完全に閉じたボールを火で炙れば爆弾みたいになるレベルなのよ。」


「つまりこの街は爆弾で動いてるのか?」


「爆弾みたいな力を利用してるって事。水車は水の力で回ってるでしょ?ここでは爆弾みたいな力の空気を使って物を動かしてるって意味。」


 科学への知識が乏しいアリスに追加で説明を付け加えたのだが、それでも理解が追い付いていない様で唸っている。





 街へ到着すると配管の大小様々な配管の量に驚きを隠せないスミレは見上げて口をあんぐりと開いたままの状態になってしまう。そんな彼女の手を引っ張り待ちの中へ連れて行くアリスもまた飛び出した配管に肘が触れ熱を持って居る事に驚く。


「何だこの危ねぇ菅は!」


「あ、蒸気とか水が通ってるから気を付けてね。」


 水道管ならまだしも蒸気管も当たり前の様にむき出しで付いている為、水漏れした水道管から垂れた水が蒸気管に当たり一瞬の内に蒸発してしまう。そんな危険な配管に再び怒りを覚えたアリスは情報を食事を手に入れたら早く出ようと言い放つ。もう少し早く言えば良かったかなと疑問符を浮かべるスミレに何時言ってもアリスなら怒るよとエミリアは答える。


 だがこのタイミングで街に来たのは幸い。時の止まった村では爺さんの育てた野菜しか手に入らず、保存食としては不向きであった。更に手に入れた魔石を売り払うにもこの大きさの街ならばある程度の値段を出してくれるだろうと言う考えもある。その一方でエミリアも三十八のロングカートを取り扱っているかもしれないと一人別行動をとる事に。


 しかし蒸気を動力とした街では魔石の類を使わない技術が進歩しており、買い取っても使い道がなく別の街へ売りに行く分安い値段しか付けられないと芳しい結果にはならなかった。


「う~ん、この街で全部売っちゃったら勿体ないわね。」


 ベンチに座りながら魔石の売り上げ記録を付けた手帳と睨めっこしながら悩むスミレはふとアリスを見て先程蒸気管に触れてしまった部分を見て声をかける。


「あ、スキンが焼けて穴開いちゃってる。水が入ると上手く駆動しなくなるから腕外して。」


 そう言われたアリスは自分では気にしていなかったのだが動きが悪くなるのは避けたく言われた通り右腕を取り外し手渡す。右腕は肘の横側に数センチの穴が開いており、見づらい場所故アリス本人も気づいていなかった様だ。


「あのぉスミレさん?なんか俺達メッチャ見られてるんだが・・・」


「今忙しいから後で。う~ん、ここじゃ貼り直しは厳しいからこの部分だけにしようかな。」


 街中のベンチで右腕を取り外した者と、その腕を弄っている者が居れば嫌でも目立つと言うもの。通りすがる者は一瞬ギョっとした表情をするのだが、すぐにそれが義肢である事を理解すると何事も無かったかの様に通り過ぎる。


 スキンを丸々交換となるとベンチの上で行うのは不可能と断定し、未加工のスキンの一部を本から取り出すと鋏で楕円に切り肘部分に当ててサイズを調整。その後は腕側のスキンも一部切り固定用の接着剤の様な物を塗ると、火の魔石を使用した半田ごての様な物で溶かしながら接着していく。その鮮やかなまでの腕前に通り過ぎる人は少なくなり脚を止めてスミレの作業を見つめる者が増えて行く。その間も何か申し訳なさそうな気持ちと見世物じゃねぇぞと言いだけな顔をしたまま不愛想にしているアリス。


 作業時間は三分程。接着を終えた腕をアリスに取り付け肘を曲げても違和感が無いか確認を済ませた後「はい、修理完了。」と言うスミレの言葉に反応した人達は歓声の声を上げた。


「え?何?!」


「だから見られてるって言っただろ?」


 自分の作業を見られている事を知らなかったスミレは笑顔と拍手に囲まれ困惑するが、アリスの説明から全てを理解し手を振る。


「何で手を振ってるんだ?」


「天才スミレ様のファンサービスよ。」


「誰がファンだって?」


「この人達。」


 全く答えになっていない回答にこれ以上話しても無駄だと口を紡いだアリスは修理前から目を付けていたベンチの向かいにある料理屋に「あの店に居る。」とだけ言うと立ち上がるのだが、周りの人達は一斉にスミレに詰め寄り「技術者なんだろ?」「うちに来てくれ、水漏れが。」等聖徳太子でも聞き分けられない量の声を掛けられる。


「分かった分かった、スミレ様はファンを大事にするからね。一人ずつ解決するわよ、勿論有料でね。アリスはご飯食べてて良いよ。」


 スミレは修理の依頼と分かり人々の話を聞く事に。その一方で食事の許可が下りたアリスは人込みをかき分け何とか向かいの料理屋へと辿り着く。





「あぁ、この配管ね。」


 修理を頼まれたスミレは家へ上がり床下へ潜り込むと水漏れの箇所を発見。元栓自体は家の中に設置されている為、水道管に繋がる元栓を締めると漏れていた箇所の配管を取り外す。この家ではフランジ加工された菅にシール材としてパッキンを使用しているのだが、そのパッキンが劣化し配管を外しただけでボロボロと崩れてしまう。


 自分の持っているパッキンとサイズが合うはずも無く、巻き尺でサイズを測るとゴムシート取り出す。するとそのまま鋏を使って綺麗な円に切るとあっという間にパッキンが完成。その後はボルト部分も綺麗に切り取り取り付け直し元栓を開き水漏れが無い事を確認する。


「はい、終わり。」


 床下に入り込む事で綺麗な服が埃や水で汚れてしまった事に気づいた依頼主は申し訳なさそうな顔をするのだが、スミレにとって可愛い服はファッションでもあり作業着でもある。その為同じ服を何着も仕立ててある為全く気にしていない。


 そのようなやり取りを複数件行い要約ひと段落したと先程のベンチへ寄りかかり全身の力を抜きながら「終わったぁ・・・」とか細い声を上げるスミレ。しかし依頼はまだ終わっていない様で一人の男がスミレへ近づいて来る。


「すみません、ちょっと直してほしい所が・・・」


 疲れ切った体だが依頼とあらば無下にできない為、体を起こし話を聞く殊にしたスミレに男は地下室の菅から水漏れしていると話すと彼女の事をお構いなしに「こっちだ。」と案内を始める。


 案内されたのは少しばかり音が煩く人通りの少ない工業地帯、道から繋がっている階段を下りて行くと生臭く腐臭に近い臭いが立ち込める。どうやら風通しが全くなく湿度が異常に高い為何かの生物が腐敗したり汚水が流れ込んだりしている様だ。


 逆に言えばこれだけの環境下ならば配管が腐っていても不思議ではない為、鼻を摘まみながら十メートル程先の扉の中へ案内されると、そこは誰がどう見ても牢屋としか言いようの無い場所。何かがおかしいと気づいた時には既に遅く、スミレは扉の影に居たもう一人の男に両腕を拘束されると、案内した男がスミレの鞄に手を伸ばす。しかしスミレも取られまいと暴れる為、男達は牢屋の中に入りスミレを壁へ叩きつけた。その隙にと男達はスミレの鞄から中身を取り出そうとするのだが何故がボタンが外れず開く事すら出来ない。その為男達は目的であろう中身ではなく鞄ごと奪う事に。だがスミレは取り上げられる間際に鞄へ手を伸ばし一冊だけボタンを外し取る事に成功。男達がその事に気づいたのは牢屋の鍵を締め終えた後であった。まるで狂犬の様な睨みつけにたじろいだ男達は本一冊位なら良いかと足早に外へ出て行く。


 牢屋に閉じ込められたスミレはここに来るまでの道のりで大声を出しても誰にも気づかれない事は分かっていた。そしてアリスの様に何でも斬れる剣も無ければエミリアの様に牢を止めているリベットを破壊する銃も持ち合わせていない。つまり詰みの状態である事を即座に理解。壁に打ち付けられた際にぶつけた右側のおでこから滴った血が何とか取る事の出来た本へと垂れ染みが広がって行く。


 だが、何もしないでただ待つだけ等天才を自称する自分の性ではない。まずは血で汚れてしまった本が何の本なのかを確認。それは修理加工用道具が入った本であった。男達の目的は恐らく修理作業での謝礼金か売ろうとしていた魔石。つまり男達の目的の品は見事奪われてしまったと言う事になる。


 修理加工用の道具。中には様々なサイズのスパナ、予備のスキン、半田ごて、ワイヤー等、リベットで固定された牢から出るのは到底不可能な物ばかりであった。切断工具は鋏、ペンチ、ニッパーのみで金属カッターは生産用の本の中に入っている。それでも何か他に無いかと牢屋の中を見てみると、天井から五十センチ程下の位置に大型な水道管が数本剥き出しで通っており、全てがフランジ加工されている事に気づく。


 スミレはスキンを切ってはくっ付けて簡易的なロープを作り片方を配管の上を潜らせ登り始める。天井までは三メートル程、配管は全部で六本。その内耳を当てて水道管である事が判明したのは二本のみ。スミレ地下室の温度から蒸気管は無いと判断し、水道管以外の菅に抱き着く様な形で配管を跨ぎながらスパナを取り出しナットを回そうとするのだが、明らかに持って居るスパナよりナットの方が大きい。だが、この湿度からか錆が進行している為スパナを叩きつければ多少小さくなると予想し何度もボルトやナットへスパナを叩きつけ始めた。


 作業開始からニ十分程、叩きつけたボルトとナットは小さくなる所か根本からもげ始めていた。本来あってはいけない腐食が幸いするとはスミレも複雑な心境になるのだが、ついにその時は来た。水圧と衝撃に萎えられなくなったフランジが外れ配管からは大量の水が噴き出した。その勢いで暴れた配管が隣の配管に直撃、その衝撃で運よく水道管の二本を破壊。ついでに暴れた配管に驚いたスミレもそのまま落下し右腕と右足を強く打ち付けた。


 だが、グズグズしている暇はない。それ所か「こっちが先だった。」と急いでスキンのシートを取り出すと周りを半田ごてで接着していく。まるで空気の入った枕の様な物が五個程完成した頃、排水の悪さとあまりの量の水に立つ事が出来ず体が浮き始めてしまう。


「お願い気づいて。アリス、エミ!」






 一方アリスは料理屋で好き勝手料理を頼みゆっくりと楽しんでいた所、金髪の子が料理店に入って行ったと言う話から探し出した店内へエミリアが入って来る。


「またこんなに頼んで、折角の儲けが無くなっちゃうでしょ。・・・と言う事は魔石の買取が良かったって事?」


「いや全然、全く値段付かないってさ。」


 出費が多いのに豪遊するアリスに呆れたエミリアはスミレの姿が見当たらない事に疑問を抱く。


「なんか修理の仕事してるってさ。俺の腕直してる時に技術者だってバレたから。」


「つまり仕事をスミレちゃんに押し付けてアリスはのんびり食事って事?」


「スミレから言って来たんだよ、飯食ってろって。」


 確かにスミレならそう言うだろうなと思い何処か腑に落ちないエミリアは彼女を探しに行くよとアリスの手を引っ張る。代金は既に支払い済みな様で店主も「毎度あり。」と見送る。


 まだ修理を続けているのかと聞き込みをしようとするのだが、アリスとスミレが座っていたベンチに数人の人達がザワザワと話し込んでいた為、気になった二人はまずこの人達の話を聞く事にした。


 集まった人達の話によると自分も修理を頼みに来たと言うものと、頼まない方が良いと言う二極端な意見がぶつかり合っていた。何故頼まない方が良いのかと言えば、直してもらった時は良いが今は全く水が出なくなったとの事。スミレが修理して駄目になる筈がないと考えた二人は大本が駄目になったのではないかと疑問をぶつけるのだが、水道屋曰く何も問題はない、その女が壊したのだろうと言う返答が来たらしい。


「待て、水道屋が今言った言葉は本当か?間違ってないか?」


 返答に対しおかしな部分を見つけ詰め寄るアリス。


「間違ってないよ。技術者に頼んだって言ったらそう言われたんだ。」


 スミレに修理してもらった人からすれば技術者の見た目が女である事は分かっている。が、技術者としか言っていない状態で『女が壊した』と言うのはその技術者を知っている者しか言えない。二人は水道屋の事務所の場所が工業地帯にあると聞き急いで向かう事に。




 到着すると工業地帯では人だかりが出来ており、何が起きているのかと聞いて見ればある建物の地下室が完全浸水しているとの事。嫌な予感を覚えた二人は人だかりを強引に割り込んで浸水している地下室を目撃する。


 下り階段を五段だけ残し徐々に水かさが上がっている地下室の入口。水圧が落ちた理由がこの浸水であるのならば、この浸水を起こした人物こそスミレ本人。しかしその場にスミレが見当たらないと言う事は地下室から出れない何かがあったと言う事。


 スミレの危険を察知したアリスは鞄をその場に放り出すと地下室へ潜り始め、濁った水の中を奥へ奥へと進んで行く。すると開きっぱなしの扉を発見し、この奥に居るのではないかと通ろうとするのだが、中からの水圧に押され部屋の中に入る事が出来ない状態に。このままでは埒が明かないとアリスは双剣を引き抜きそのまま壁を切り裂き開口部を大きくした。すると目の前には天井付近で水の無くなった氷嚢の様なスキンを抱えたスミレが浮いているのを発見する。


 アリスは牢を双剣で斬ると鞘に納めながらスミレへ近づき生きているのかと顔を数回叩く。するとスミレは眼を開きアリスの顔を見ると安心して集中力が切れたのか空気を吐き出してしまう。スミレの持って居たスキンの中の空気は既に無く、咄嗟にアリスはスミレに口移しで自分の肺の中の空気をスミレへ送り込む。再び確認していては間に合わないと考えたアリスはそのまま冷たくなったスミレの体を左手で抱え込みながら出口を目指して反転。


 もうすぐ出口が見える筈、そんな時アリスの右腕が急に動かなくなってしまう。スミレの修理ミスではなく、常用の義肢は風呂に入る程度の水圧にしか耐えれるように設計しておらず、更に強度の低いパーツで修理していた為、水の抵抗に耐えれなくなった部分から水が入り込みパーツを破損させてしまったのだ。


 そんな中左腕だけは絶対に話すものかと残った両脚で水面を目指すのだが、空気を分け与えたアリスにそんな力は残っておらず、目の前が暗くなり始めていた。意識を失うな、スミレを助けるんだと集中するのだが動かない右腕が反って抵抗を受け邪魔になり前へは全くと言って良い程進めずに居ると、その邪魔になっていた右腕を掴む者が居た。


 それは勿論もう一人の仲間エミリア。彼女も第二陣としてアリスと時間をずらし追いかけて来たのだ。アリスの右腕を掴むと反転し地下室の出口へ到着したエミリアはこちらも動かなくなっていたアリスの左腕を動かしスミレへ声をかける。が、スミレからの応答はなく、全身の力も完全に抜けきっていた。更に言えば長時間水の中に居たせいか体は完全に冷え切っており、青白くなったスミレの顔に焦ったエミリアは気道確保を行うと人工呼吸で一度だけ空気を送り込み胸骨圧迫を開始する。見慣れない光景に周りの人達も騒ぎ始めるのだが、数分後むせる様な咳をしながらスミレが反応した。


「スミレちゃん!」


 そう呼びかけるエミリアの顔を見たスミレは二人に助けられた事を理解すると再び脱力し不規則な呼吸をしながら目を瞑った。


「誰かお医者さん!」


 そう呼びかけながら辺りを見ると人込みの中に見慣れた鞄を持つ人物が居た。自分が見られている事に気づいたのか、その者は急いでその場から逃げようと走り出した。気づいたアリスは追いかけようとするのだが脚にも水が入ったのか思うように動けず真面に立ち上がる事も出来ずに居るとエミリアは銃を抜き逃げた人物へと向けた。


 銃が取り出された事に気づいた群衆は騒ぎ立てながら逃げていく為周りの人に当たる心配はない。そんな中エミリアは引き金を引き逃げた男の左脚を撃ち抜いた。すると男は走る事所か立つ事も出来ずその場に転がり撃たれた脚を押さえ始める。そんな中まるで罠にかかり逃げる事が出来なくなった獲物を捕らえるハンターの如く歩み詰め寄るエミリア。勿論彼女の右手には鈍く光る銃が握られている。


「スミレちゃんを危険な目に合わせたわね・・・」


 そう言いながらエミリアは銃を男の顔に照準を合わせたままじっと動かず居た。生きた心地のしない男は自分が閉じ込めた、目的は金と魔石だけでなく、自分の水道屋としての仕事を奪われたと言う逆恨みからと言う事を自白。そこへ何の騒ぎだと警備兵が現れ、事の顛末を話すと男は何処かへと連れていかれて行かれた。




「撃たなかったのは情報を吐かせる為か、最初に脚を狙うとか器用な事するな。」


 アリスとスミレの元へ戻って来たエミリアに関心した事を伝えるアリスだが、エミリアからは全く違う返答が返って来る。



「最初のは背中狙ってたし、その後も頭に引き金引いてたわよ?」


 アリス同様に水が義肢に入ってしまい動きがおかしくなっていただけでエミリア自身は生かしておく気は更々無かったらしい。



「やっぱエミリアだけは怒らせたら駄目だな・・・」


 先程の返答を笑顔でしていた為、水が原因ではない冷えを体験するアリスであった。







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