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夜まで休んだみやは、豪華なドレスに身を包んでいた。
「(うわぁ~。 これいくらするんだろう? 宝石もキラッキラしてるー)」
スファナの国王様からのプレゼントで、ドレス一式が送られてきた。
「よくお似合いです」
「そう・・?」
「はい、花も宝石も霞んでしまうほどに」
「・・・。(それは言い過ぎ)」
よく褒められる事が多くなったが、こういう言い回しは未だに慣れないみやだ。
それよりも。
「んー。ーーー、ねぇ・・? ・・私のスリーサイズ、筒抜けてない?」
「「??」」
何でピッタリなんでしょうねっ?
精神安定の為、深く突っ込む事なく夜会に出た。
会場には既に人が集まって始まっているらしく、ざわざわと声がする。
緊張の面持ちで背筋を伸ばし、深呼吸する。
目を閉じて気を落ち着かせ、出番を待つ。
「大丈夫ですか?」
「えぇ」
エスコートのエリネに聞かれて、大丈夫と頷き返す。
少しすると、今から扉を開きますと言われた。
みやは開かれた扉から会場内へと入った。
その時に、『竜都国レフェリーナより、音楽大使 オーノ・ミヤ姫様 ご入場ー!』と言われて恥ずかしかった。
全ての人の顔がこちらに向いて、顔が引きつりそうだ。思わずエリネの手を握ってしまった。
隣りを見ると、エリネが安心させるように微笑み、口パクで『大丈夫です』と言った。それに勇気をもらい、前へと進む。
人々がみやに道を開けてくれる中を通ると、その先にこの国の王様、サリファス国王が待っていた。
「ようこそ。よく参られた。 この時を待ちに待った。心より歓迎する」
と、手を取り、そこに口を落とす。
「(へ、平常心よっ、平常心っ)ー、ありがとうございます。 私も来る事が出来て嬉しいです」
営業スマイルで挨拶。
「昼間の演奏や演技の噂も聞いている。とても楽しませてくれたと。 今夜はどの様な音楽を見聞き出来るか、期待しているよ」
「ご期待に沿えるか分かりませんが、心を尽くして届けさせて頂きます」
挨拶を終えると、サリファス国王が他の人達にも紹介し、みやの演奏をアナウンスしてくれた。
演奏者達はスタンバイ済みだ。みやは前でカーテシーをして、準備OK。
演奏者達によって曲が始まり、歌いだす。
ゆったりとした旋律にのっての独唱だ。
キーの高い音が入る曲だが、ノビよく歌った。
その後はピアノの演奏。
みやが座り演奏者達の演奏が終わると、一呼吸おいてから奏で始める。
始めは静かに、流れる様な美しいクラシック曲、○○の祈りから。
それから間をとって、ト○コ行進曲をリズムよく弾く。
途中から演奏者も入って盛り上げる。
知っている人が聴いたら、手を抜いているなどバレるだろう。しかし弾けるようにした楽譜しかみやは描けない。ごめんなさいと思いながら作っている。
ジャンジャジャン!と終わると立ち上がり、ピアノの前でカーテシーをした。
終わったと分かった人達から徐々に拍手が増えて、呆気にとられていた人達もそれに加わり、直ぐに大きなうねりとなった。歓声も聴こえる。
やがてそれも治まると、歓談の時間。
みやはサリファス国王から家族を紹介された。
「私の愛する妻のメアリーと、息子のファースト、そして姫達のサリーとメリーだ」
「初めまして、みやと申します。お会い出来て嬉しいです」
「こちらこそ。 とても素晴らしかったわ。感動しました」
「父から聞いてはおりましたが、私の予想を遥かに上回る音楽に心が震えました。 竜王様が新しく職をお作りになられたのも納得です」
「とっても綺麗でしたわっ」
「また聴きたいですわっ」
「ありがとうございます」
好評を貰えた事にみやは一安心した。




