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月日は過ぎて、トゥエル大陸お国訪問の旅の出発日となった。
「道中気を付けるのだよ?」
「はい、大丈夫です」
「いつでも帰っておいで」
「はい」
「ミヤお姉さま、行ってらっしゃいませ」
「うん、行ってくるわ。ミィナちゃんも元気でね」
「はい。 会えなくなるのはさみしいですが・・」
「お手紙書くわ」
「ルーイ様、くれぐれも、くれぐれもミヤ姫様のお傍に居て下さいね?」
「分かっている」
「何かご入り用があればお知らせ下さい」
「あぁ。こちらの事は任せた。 心配無い、全く戻らない訳でもないのだから」
「はい」
別れの挨拶を終えて、パラディン達に乗ったみや達は大空へと飛び立った。
「みやも大分パラディンの背に慣れたな?」
「そうかな? まぁ初めての時と比べたらそうかもね」
みや達は最初の国スファナへと向かっている。
スファナ国はアビス国の隣国で、大きい川の向こう側にある。
国土は他とそこまで違わないが、首都は一番大きい大国である。
大きな港も持っており、造船所もある。
ゆっくりと飛んでいるので着くのは2時間から3時間をみている。
「疲れたら言ってくれ」
「うん」
パラディン達は空高く飛行しているが、空気圧を感じないのは不思議に思う。
「あ、鳥」
「ん? あぁ。あれは伝鳥だな」
「でんちょう?」
鳥の名前だろうか?
「伝言を届ける鳥だ。 足に手紙を括り付けている」
「あぁ。 へぇ~」
こちらは伝書鳩の様に鳥でやり取りをしているようだ。
因みに竜都国では竜族がやっている。
飛行している間、疲れてないか?喉が渇いてないか?と偶に聞かれながら景色を観ていたみやだが、その内退屈になってきてお喋りし始めた。
「この前スファナから来てたのは国王様だったっけ?」
「あぁ、サリファス殿だ」
「ー。私は何て呼べばいいのかな? 身分的には平民だけど、音楽大使ってどの立ち位置になるの?」
「みやは特殊だからな。 竜都国が囲っていると言うだけで大体は敬意を払われるが、女性でかつ私の花嫁になると思われているから、基本好きなように呼んで構わない。無礼にはならないから大丈夫だ」
「・・・そ、そう・・」
さらっと花嫁になるとか言われた。藪蛇を突かないように話を続ける。
「ー、スファナ国は大陸の中央にあるから、色んな人が行き来するんだよね? 物も沢山あるって聞いたよ?」
「あぁそうだ。大きい港もあり物流が盛んだな。 技術者を多く持っているから、常に新しいものを創り出すのに向いている。 トゥファオールが芸術の国と呼ばれているが、スファナも美術品は多く取り扱われている国だ」
「豊かなんだね。 食事も期待出来そう」
「あぁ。色んな国の食材も流通しているから、食文化も豊かだな」
「じゃあ絶対見ないとっ」
主に米とか味噌とか醬油とかとか・・・。
滞在は3日間あるので、その内の1日を下見と買い物に充てている。
期待でワクワクしながら、早く着かないかなー?とみやは思った。
Wi-Fiが繋がらない・・・(T_T)




