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「竜の秘せし花にようやく会え光栄。 噂に違わぬ美しき調べに、我も心奪われた。 固き蕾が開くも納得である」
「素晴らしき音色は正に音姫でございましたが、踊る姿も見惚れるものでしたな。 舞姫との噂も広がりましょうて」
「先程頂いたプリンなる物、真に口の中でとろける甘さ。是非とも我が国でも広めたいと思っております」
「この様な趣向を凝らした会は初めてのこと。とても感動致しました。 我が国にいらした時には、是非もう一度お願いしたいと存じます」
「一時は大変心配致しましたが、噓の様にお元気になられて心より安堵致しました。 弟にも今度会ってあげて下さい」
「我が国には息子も居るのだが、娘もおりましての。会う機会がありましたら仲良くして下され」
「私の国には出来るだけ早く遊びに来て下さい。今でも引きずって落ち込んでおりますので」
歓談と言うか、取り囲まれております。
それらをにこやかにかわし、お披露目の舞踏会は終わった。
各国の客人が帰ってからの噂や評判は、あっという間に広まったようだ。
『竜の国に音姫現る!』
『全てを虜にする魅惑の乙女!』
『新たな音楽に大陸中の王族・貴族が絶賛! 感動の称賛をあげた!』
『その舞は力強く、旋風を巻き起こす!』
等々・・。
本人が聞けば一体誰の事かと突っ込まれそうだ。
そして各地から様々な招待状が届いた。それは今までの比ではない量が。
「こちらはアーラン国からお祭りへの招待。 こちらはクノ国から園遊会のお誘いですね。 それと、スファナ国からも舞踏会に是非と。 トゥファオール国からは音楽会への参加の打診が届いております。 後はー・・・」
「・・・・・・」
手紙の山を読むウイリスにげんなりするみや。思わず溜息。
「ミヤ姫様、ご気分がお悪いですか?」
「おや、それはいけませんね。お休みになられますか?」
「いえ・・。ーー。あの、それ、全部行くとかですか? 流石に疲れそうです・・」
主に気疲れで。
「ご心配は要りません。その辺りはお身体に負担の無い日程を組みましょう。 先ずは行ってみたい所を選んでみるのが良いでしょうね」
「んんーーー」
みやは一通一通手に取って見る。
「行ってみたいって言うとー・・。 トゥファオールかな? 音楽大使としては行っておきたいね。 後はお祭りも興味あるし。ー。招待関係なく行くなら、アビスとクノとギリエかな?」
「何故でしょうか?」
「アビスはルーイの友達が居て仲良しでしょ? それに何だかご迷惑を掛けちゃったみたいだし、改めて遊びに行くくらいならいいかなって。 クノとギリエは食事に興味あるわ。私の国の懐かしい食べ物がまだ有りそうだから、探したいの。 後はー、馬や馬車にも乗ってみたいし、船にも乗ってみたい」
「ふむ。 そうしますとー、、一周廻る形が良いでしょうか」
「体面としては大国のスファナが最初だと考えているから、そこから船でトゥファオールに行くのはどう?」
「ふむ。それなら短い航路で効率も良いかと思います」
「なら順路はそれで決まりで」
取り敢えず行く国の順番は決まりそうだ。
「では次に日程を決めましょう。 準備もありますから、最低でも1ヵ月は先になりますね」
「う~ん・・。 ちょっとやりたい事があるから、3ヵ月は欲しいかなぁ」
「やりたい事ですか?」
「うん。 パレードがやりたい」
「パレード?」
ウイリスは?マークを浮かべる。
「パレードって言うのはね、踊ったり演奏したり芸を見せながら、道を行進することよ。 今回で言うと、入場行進になるのかな? 来たよーって言う挨拶代わりね」
「成程。 ではその調整もしませんといけませんね」
「うん。それとパレードに出てくれる人の確保ね。 スファナの地図はある?通る道を決めるから」
とパラディンに言う。
「はい」
「後は衣装とぉ、曲も決めないとねー」
やる事はいっぱいだ。
「ミヤ姫様はその行進では何をするのですか?」
「私は全体の指揮者よっ」
と胸を張る。
言っている事は把握しきれないが、ウイリスもパラディン達も、可愛らしいなぁとほのぼのした空気になった。
それからみやは毎日準備で費やす事になる。
ああ~~
書き溜めたのが底をつくぅ~~。
>_<;




