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 一曲を終えると、次の曲はテンポの軽い、明るく流れるような曲調に変わる。

低音、高音、強弱、速さを変えて、広がる音の流れが会場内を包み、聴く者達を圧倒させた。

目は釘付けになり、息を飲み、耳だけでなく心にも響いて届くその音色に、心を震わせ、気づかぬうちに涙する。

それだけの衝撃を与えていた。

みやはプロではない。それでもその反応だったのだ。


最後の音が鳴り終わった後も、会場は暫し静かなままだった。

みやは立って移動し、前の中央にて一礼する。

「(さぁ皆っ、大舞台は幕を開けたわよ! 一緒に歌って踊りましょうっ! 行くわよっ!)」

目でサラッと視線を飛ばし、にっこり笑む。

そして両手を前に上げてから、胸の前に持って来て、大きく息を吸い、歌う。

これが自身初めてのメインの歌となる。所謂いわゆるデビュー曲だ。

色々パクリ部分はあるかもしれないが、異世界なので許して欲しい。


独唱から入り、音が入って来て、スタンバイした仕掛人達が動く。

音楽に合わせて鐘の音が入る度に数名ずつ停止していく。

最後の音で全員が動き出し、メロディーと歌が入る。

ゆっくりなメロディーにスローな動き。

物語のプロローグの様に歌い、旗持ちとパラディン達が動く。

みやの姿を一時的に隠すと、その間、僅か10秒足らず。現れたみやは別の衣装に変わっていた。生早着替えである。


曲の本番が明るく速くなり、動きもそれに合わさる。リズムに合わせてパフォーマンスが加わり、更に踊る人が増えて曲も盛り上がっていく。

歌声が重なり合い、綺麗なハーモニーが生まれる。

そしてそのまま綺麗にラストまで歌い切り、静かにポージングをして終わった。


数秒間それを維持した後に姿勢を正し、全員で礼をした。

その時になって初めて我に返った様に拍手が起こり、徐々に増えて直ぐに割れんばかりのものになった。

もし座っていたなら、スタンディングオベーションしてたくらいの喝采だ。

何度も方向を変えてお辞儀をし、皆に合図を送って退室もスマートに。そして自らも竜王に一礼してから、パラディンのエスコートによって退室した。



 直ぐに別室へ移って、休憩と着替えと水分を摂取。

椅子に座り込むとパラディン達が髪型を変えてセットアップした。

「っはあ~~。  ・・取り敢えず一つ山は越えたかな?」

「見事でしたよ。大成功です」

「来客の皆様全員驚いて、見惚れておりましたね」

「何しろ今まで見聞きしたことのないやり方や見せ方でしたからね。 きっと評判を呼ぶでしょう」

「今よりも手紙の量も増えること間違いなしです」

パラディン達も熱が冷めず、口々に褒める。

「これも皆の協力と頑張りのお陰よ。ありがとう」

「とんでもありません。こちらこそ楽しませていただいておりますから」

「とっても嬉しいですよ。 それに、なかなか新しい筋錬方法だと思いますし。是非これからも参加させて頂きたい」

「うん。もちろんよろしくお願いするわ」



 休憩した後は再び会場へ。

到着すると今度はルーイがエスコートし、竜王とミィナの下へ。


次に披露するのはこの4人でのダンス。と言ってもさっきとは異なり、本来の舞踏会に合わせた曲で踊る。

始めは竜王とみや、ルーイとミィナのペアで踊り、途中で入れ替わる。4人の中でクルクル入れ替わってクルクル回る。

周囲は感心しながらも微笑ましく観ていた。


やがて踊り終えると、そのまま和やかな音楽が流れ、歓談に入った。




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