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 みや達は夕食でお店に入る。

そこで出て来たのは、香味野菜の冷たいスープとドリア。それとおつまみが幾つか。スパイスが効いた物が多い。


舌鼓をうっていると、ステージで演奏が始まり、弾き語りの男性が唄う。

内容は男語りらしく、ここの男性達の共感をかうものだったらしい。

終わるとみやも一応拍手をした。

その後も音楽をバックに食事を終え、飲み物で一息ついていると、何だか周りがソワソワしているのに気付く。何か次のステージを待っているようだ。

何が始まるのだろうとみやも待っていると、一人の女性が出て来た。

途端に周りから口笛を吹いたり、名前を呼んだりと盛り上がり、客の目線を釘付けにした。

少し薄着のドレスはスリットが入っていて、羽織の下は肩やデコルテが見える。

女性はステージ中央まで来ると、ドレスの裾を摘まんでお辞儀をする。そして歌いだした。

それと同時に静かになる店内。

お客達は皆聞き入っている様子。

深みとツヤのある大人の女性らしい歌声。そしてウィンクや足のチラ見せ。仕草一つ一つがとりこにしている。

歌い終わるとお客達は再びやいやい騒がしくなり、熱烈なファンコールの中女性を見送った。


みや達はお店を出た。

「ちょっと大人な店だったね。勉強になった」

「直ぐに戻られますか?」

「ん~。 もう少し散歩したいかな」

食後の運動と、ふらりと回り道をする事に。


後1時間もすれば夕刻も終わる。適当にフラフラしていたら、大通りから外れた街の端辺りまで来ていたようだ。

そろそろ引き返して戻ろうかとした所で、耳が声を拾った。

「・・・ 誰か   歌ってる ? 」

「確かに。 あちらでしょうか」

誘われるように足を向ける。


声がハッキリ聴きとれる所まで来ると、一人の少年が大きめの木箱の上で歌っていた。

向いている方向は畑だが、空に向かって歌っているように見える。

澄んだ優しい声。それでいて伸びがあり響く。

みやはその歌声に聞き入っていた。絵の様に美しく、素直にキレイだと思った。


 みやはエリネに耳打ちをして、ここで待っていて欲しいと頼んだ。それから少年に近づいて、暫くして歌い終わってから拍手をした。

「っ!!?」

少年はビックリしてみやを見る。

「ごめん。 あまりに素敵な歌声だったからつい。 私はみや。旅で今日ここを訪れた。 近くに供が居るけれど気にしないで。  あなたはどこかの演芸団員さん?」

相手を警戒させないように気軽に言葉をかける。

「え?・・・、あ、いや・・ ! あいえっ、・・違います 」

少年はこちらをどこかのお偉いさんか何かかと思ったのか言い直す。

「じゃあここの人?」

「うん。あ、はい」

「畏まらなくていいよ。偉い訳じゃないし。今は秘密の訪問中だしね。普通に話して」

「あー えーと・・   うん 」

戸惑いつつも答えてくれる。

「名前は?」

「・・フルノ」

「いつもここで歌っているの?」

「まぁ、気分だけど、、そうかな?」

「さっきも言ったけど、とても素敵な歌声だね。そういう仕事しているの?」

「 ありがとう。 まぁ、時々ね」

照れくさそうに言う。

「もったいない。 どこかで雇ってくれないの?」

「ううん。誘われた事はあるんだ。けど、、僕はここを離れられないから」

「ー。何か理由が?」

「・・、養い親が不自由してて。歳ってのもあるんだけど・・。傍についてないと心配なんだ」

「・・そっか 」

話していればお互いの緊張も少しずつほぐれていく。

「でもお陰で色んな演芸団の人達と知り合いにはなってるし、一緒に仕事もすると楽しいんだ」

「ふ~ん」

「ーーー。 いつか・・、  いつか、旅をするなら行きたい所はあるんだ」

そんな事をポツリと言う。

「どこ?」

「・・・。トゥファオール。  スファナでもいいんだけど、トゥファオールの劇場を観てみたいんだ。とても美しいんだって」

「夢なんだね。 私もまだ行った事は無いけど、確かに水の都、芸術の国とか言われてるんだよね」

「うん」

みやもいつか行ってみたいと思う。

「ーーー・・その・・」

少年フルノはちょっと言いにくそうにみやを見る。

「何?」

「あ、いや・・。  聞いていいのか分からなくて・・」

「何を? 言ってみて?」

「あー・・、 ・・秘密の旅って何? この街に関係あること?」

思い切って聞いてみるフルノ。

「んん~。 秘密って言うのは、お忍びで来てるって意味だよ。 この街に来たのは音楽に関する事を自分の目や耳で知りたかったから」

「えぇ?・・・、ここに?」

わざわざ?と不思議そう。

「そ」

「ーー。僕が言うのもなんだけど、、他にもあるでしょ? それこそスファナなら色々知れるんじゃない?」

「そこはまぁそのうちね。今は首都以外の街を訪れているんだ。本当は隣りのサバナにも寄りたかったんだけど、日程上難しくてねー。ここにしたのはアーランとも流通してるからだよ。後はここですら暑いのに、もっと暑いなんて無理っ」

「・・・、そんな理由・・?  ふっ 」

フルノは吹き出して笑う。

みやもクスクス笑う。

ちょっと仲良くなれた感じだ。




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