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 マーリニ国のサニーの街。

隣りのアーラン国とは岩山を隔てていて、そのアーラン国のサバナと言う港街からも人がやって来る街だ。

最初に訪問したミディヌエットとあまり変わらない大きな街で、商人達の行き来が多い。輸入品も多く品揃えは良い所だ。

レフェリーナの温暖と違い暑い気候で、マーリニ国も南側から東と北から西とでは緑の量が違う。

大国スファナとは林で区切られており、共有している。


「特産はヤルゥのミルクやチーズ、マーリニ産の織物も有名です。後は土器でしょうか」

みやは現在第3回目の訪問に来ている。

ヤルゥとはヤギさんのことで、織物は絹と言えば早い。

「土器って・・・、あぁ、あれだね?」

店を見つける。

一瞬縄文土器みたいな物を思い浮かべたが、見てみるとそれよりも陶器に近い。

「ガラスの様に割れ物ですが、土から出来ています。 ミヤ様の所にもございますか?」

周りに人が居るので、姫様呼びはされていない。みやもこういう場所では声を少し低くして、少年を意識して答えている。

「うん、焼物って呼んでる。種類も色々あるよ。詳しくは知らないけど」


そしてここの料理は。

「ピザっ」

匂いで分かっていた。

窯があってチーズがあるならあっておかしくなかった。

「ん~~~ カリトロ~~~。   炭酸欲しいな。 冷たいもの・・」

現地の人達は慣れているようだが、暑い上に熱い物は辛い。

ここで冷たいのは井戸から汲み上げた水くらいだ。

「ここの人はどう涼をとっているんだ・・・」

「大丈夫ですか?」

初日でバテそう。


早目に宿に入り、仰いでもらいながら水を飲む。

「水で濡らしたものです。どうぞ」

「ありがとう。  はあ~~ 気持ちいい~~・・。  皆は平気なの?」

バテているのは自分だけな気がする。

「私達の体は丈夫ですので。巡回でこちらにも飛びますし」

「あぁ、そっか」

「ミヤ姫様は初めてですし、慣れないでしょうからご無理はなさらないよう」

「うん。   陽が落ちたら少しは涼しくなるかな?」

「えぇ、風が吹けばもっと過ごしやすいかと。 この辺りは朝に霧が出るのですよ。旅の者達は朝露を得るようにします。太陽が出れば霧は直ぐに晴れてしまいますが」

「へぇー。ーー。高い所から見たらキレイでしょうね」

「ご覧になってみますか?」

「え? 出来るの?」

「予定を少しずらす事にはなりますが、帰る時に一晩野宿をすれば。 一番霧が出るのは首都や林の方ですので」

「そうするっ」

即決。



 早い湯浴みをしたみやは、陽が傾いてから出掛けた。

時々耳に心地良い音が聴こえてくる。

「あれは風鈴ふうりん?」

と聞くと。

「あれは風鈴かぜすずと呼ばれています。風が吹くと鳴るのですが、涼しい音に聴こえますね」

ここならではだった。

材質は金物や、こちらで言う土器のようだ。

風鈴と言うとガラス製品を思い浮かべるが、実はガラスは高価で、トゥエル大陸ではトゥファオール国とアーラン国でしか作られておらず、窓ガラスはお城やお金持ちの建物くらいでしか使われていないのだそう。

一般庶民が持っているとすれば、小さな飴玉くらいのサイズで、小物やアクセサリーだ。花瓶や器になると運搬にとても気を遣う為、他国では一気に値段が上がる。




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