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 それからのみやは、少しずつ外に出るようになった。

周りは安心すると共に喜んだ。例え以前の様にお風呂での同伴を断られようとも、お世話する事が減ってしまっても。


身体も徐々に戻って来て、問題なく動けるようになったが、みやの顔に元気は無い。

今日もピアノの前に座るが、弾く事も無い。時々一音を出すだけに止まる。

そして溜息。

「 はぁーー・・。   気分が乗らなーい・・。   んん~~~・・・ 」


気分が優れないみやの様子に当然周りは心配する。


「ミヤの状態はどうだね?」

竜王アイルが尋ねる。

「はい、お部屋から出られるようになられたと聴いておりますし、お身体の方も順調に回復してきている様子です」

「ですが、まだお元気にはなっておられないようですね?そこが心配です」

「うむ・・。何かしてあげられたら良いのだがな・・」

訪問の旅もデビューも延期になり、一度下がりきったテーションはなかなか上がらなかった。

そんなみやの為に、竜王アイルは考えた。




 その2週間後。


「ミヤ姫様、こちらにお召し替え下さい」

「? 今日、何かあるの?」

おしゃれ着のドレスを渡されて、さぁさぁと背中を押されて着替える事に。

みやは分からないながらも従う。


 髪をセットすると連れ出された。何があるのかと聞いても笑ってスルーされる。

戸惑いながらエスコートされて来たのは、謁見する為の大ホール。そこの壇上の椅子に案内された。

そこには竜王アイルとルーイ、ミィナも待っていた。

ルーイが手を引いてみやを座らせる。どういう事か分からないまま正面を見ると、一団が膝をついて頭を下げていた。

アイルがその一団に言葉をかける。

「よく参られた。面をあげよ」

そう言われて顔を上げた者達は、目線をやや下にして目が合わないようにしていた。一番前に居るのが代表っぽい。

後ろの方に居る者達の中には、チラッと見てくる者も居たが、ガッツリ見てくる強者も居て、隣りに頭を下げられていた。

「とても楽しみにしていた。いつも通りに演じると良い」

そう言うと、一団は再び頭を下げて礼をする。

その後立つと、他の者達に合図を出して、それぞれの位置に着くと、代表が礼儀正しくお辞儀をして挨拶した。

「竜王家の皆々様、この度は我がザラーレス演芸団を招き頂いたこと、誠に光栄に存じます。精を尽くし演じさせて頂きます故、どうぞ最後までお楽しみ下さい」

そこでこれから何が始まるのかをみやは知った。

ルーイや竜王様を見ると、こちらを優しく笑んでいた。ミィナもにっこりと笑っている。


逆にはなったが、演芸団を招く事は予定はしていたのだ。音楽と芸で楽しんでもらおうと、竜王達は考えたのだ。


 演芸団達は普段お城などに招かれない為緊張しているようだが、プロらしく演じて見せた。

終わった時には皆で拍手を送った。

「うむ、良いものだった。感謝する」

「ありがたきお言葉」

「後で礼を取らせよう」

一団はお辞儀をして退室した。


「 ありがとうございます。気を遣って頂いて・・」

みやは自分の為にしてくれた事に感謝した。

「良いのだ。元気であればそれで」

「ミヤお姉さまっ、お元気な姿を見れて嬉しいですっ」

「みや、もう大丈夫か?」

「 うん 」

温かく気遣いながら見守る眼差しに、嬉しいながらも照れ恥ずかしくなる。


みやは皆に支えられているのを感じ、元気を取り戻していった。




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