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包帯は半分程取れて、まだ痕は残っているが、問題なく動かせるようになった。周りはまだ問題あると思っているようだが。
お腹以外はそんなにもう痛みは無い。それでも一人で起きる事や立って歩く事などはさせてもらえないでいる。
だが食事くらいはもう自分で食べれると言うのに、甲斐甲斐しくお世話をしてくるのだ。
今回の件で、パラディン達からも竜王様達からも、一人にならないでくれと言われてしまった。その上更に、ドクターストップで走るのも駄目だと言われ、よくやっていたトレーニングもアウトに。
弱り目に祟り目で、みやのテーションはだだ下がりだ。
しかも介護して貰うのがもう恥ずかしい。医竜はまだお医者さんとして譲歩するとしても、パラディン達からも過剰なくらいに接しられる。包帯があるので、お見舞いに来たルーイも流石に抱きついては来なかったが、もう甘々だ。過保護かっ、とツッコミたくなる。
心配させてしまった事は申し訳ないと感じているし、多少は大人しくしようとも思うが、これ、ずっとこのままじゃないよね?と確認したい。
看病も有り難いと思っている。それはそれで感謝している。
だからと言って・・・・・・
お風呂はアウトだ!
女性同士でも恥ずかしいと思うのに、美形の男性陣にとかっ。
ある種の罰ゲームかと、意識が遠のくようだ。
もうあれは夢だったのだと思い込むしかない・・・。
「(そうだ。竜なんだから、動物のカテゴリーに入るよね? 世話好きの動物、そう言う事にしよう)」
みやは無理矢理己にそう言い聞かせた。
そして、悟りを開いたかの様に無になったのだ。
つまり無気力に。
その後のみやは暗くなった。20日が経っても外にも出ない。
以前は暇だ退屈だと何かをしようと考えては行動していたのに、すっかり大人しくなった。
テラスにも出ないし、気晴らしにとパラディンが本を持って来たり、散歩に誘ったり、ピアノを弾かないかと提案されたりしてきたが、全て断った。
郷に入っては郷に従えと言う様に、動かない日々を送る。
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そんなみやを当然周囲は心配した。
あんな恐ろしい事があって、心も傷付いたに違いない。外に出ないのも、笑顔が無くなったのも、そのせいだと思っている。
体の傷と痛みの記憶はそう簡単に忘れられはしないだろうと。
そして何より周囲が悲しんでいるのは、みやが周りを拒否していると言う事。
見舞いに来たルーイや竜王様も、今は会いたくないと断り、心を閉ざしてしまった。
パラディン達も、同室は許すが、近くにあろうとする程遠のくような気がしている。
食事は摂ってくれるが、以前よりも量が減り、ずっと暗い表情のまま。
瞳には時々力を持った意志を感じるが、それ以外は力無くトロンとしている。
どうすればいいのか分からず、ただ側にいるしかなかった。
エリネもお手上げで自分を責めていた。それでも言葉をかけるのを辞める気はない。
「ミヤ姫様、今日はテラスでお食事されませんか?良い天気で風も気持ち良いですよ?」
と誘ってみる。
しかしみやはぼんやりと見ただけで一言も発しなかった。
そう、もう声すら聴いていない。
痛ましく思い心が沈む。
そんなエリネの状態に医竜も心配する。
「大丈夫ですか? 貴方もちゃんと休まなくては」
「えぇ。 ・・・分かってはいるのですが、どうしようもなく・・・」
「ーーー」
「心の傷が深いのでしょう。我々の責任でもあります。 あのようなモノをこんな近くまで見逃すなんてっ・・・」
エリネは握り拳を作って悔やむ。
「悔いているのは分かりますが、あまり責め過ぎてもいけません」
とその拳に触れる。
「 すまない・・。ーーー、どうすればお元気に戻られるだろうか・・ 」
「ーー。 変わらず普段通りにするのが良いでしょう。気を遣い過ぎるのも、返って負担になるものだと思いますから。 とは言え、何か出来るならとは思いますが・・ 」
医竜もそこは気掛かりに思っている。
「ー。 我々はまだお傍に居られるから良いですが、他の誰にもお会いになられようとしないのは何故でしょうか? ミヤ姫様のお心は固く閉ざされているように思われます」
以前は同伴を許してくれなかった風呂場も、何も言わなくなった。お世話が増えて嬉しいはずなのに、これが当たり前なのに、前よりも距離を感じる。はっきりと拒否されているかのように冷たい。
そして悲しい。
「ーーー。恐怖の反動もあるからでしょうが、他にも原因があるのかもしれませんね」
外が怖いと言うだけならば、ここまでの反応にはなっていなかったのではと考える。
普通なら誰かに縋るからだ。怖いと泣くだろう。
こちらに拒否を示すのは、他に理由があるのかもしれない。と医竜は思った。
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