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□ * □ * □ *
「「っ!?」」
「ミヤ姫様っ!?」
「ミヤ姫様っ!!」
何かがあると思って来たパラディン達が、その状況を把握する。
その光景はショッキングなもので、黒いソレによって捕まっているみやはズタボロの状態だった。
意識があるのかも分からないし、まだ無事なのかも確認出来ない。
黒いソレはみやを放すことなく、誰もいない方向へ逃げようと移動する。
それを阻むパラディン達。
「それ以上行かせん!」
回り込んで囲む。
するとソレは、あろうことかみやを振り回して牽制し始めた。
「!?」
「辞めろっ!」
「ミヤ姫様っ!」
これでは剣を向けられない。
しかしみやが痛めつけられているのを見てはいられない。
構わず振り回すせいで、木々の枝に当たっている。
血の匂いに誰もが険しくなる。
ここは体を張って受け止めてから切り離すかと、行動に移そうとした時だった。
上から別のパラディン達が飛び降りて来た。
「はあぁぁっっ!」
上からの勢いで剣を振るい、みやに絡んだ触手を断ち切る。見事な一太刀。
みやを救出した。
そこからはパラディン達のターンだった。
「討ち取れーーっ!」
今だ!と切りかかるパラディン達。
全員目に怒りを灯している。
黒いソレはあっという間に打倒された。
みやを救い出したパラディン達、エリネとラーナは、みやに巻き付いたものを取り除く。
こんなものをいつまでも触れさせたくはない。
「おいっ!早く医竜を呼べ! それとコレも処分だっ」
「「はっ!」」
黒いソレは焼却された。
みやの姿は一目見ても酷い有様で、パラディン達の顔を青くさせた。
服はボロボロに破けて汚れ、頭から手も足も、全身傷だらけ。
特に脇腹の血が酷く見える。
「ミヤ姫様っ 気をしっかりお持ち下さいっっ 」
みやは意識があった。
エリネ達を見て、ほっとした様子。
「 ・・・ あ ・・・ り ・・ が とぅ・・・ 」
「いけませんっ ・・まだお話してはっ・・」
「直ぐに医竜が来ます、それまでは・・・」
応急処置で水で傷を洗い、お腹に布をあてる。
痛々しい。
もっと早く駆けつけていればと後悔の念。
みやは辛うじて息をしている。痛いだろうに、それに耐えている様子は見ていて苦しい。
早く手当てしてキレイな服に変えてあげたい。
しかしそれ以上にみやがもつかどうかが心配でならなかった。
周りで見張りをしているパラディン達も心配している。
まだかと待っている時間が長く感じる。
暫くして医竜達が駆け付けた。
下手に動かせないので、みやはシーツの上に寝かせられている。
一目見て医竜達もこれは酷いと顔をしかめた。
「一番酷いのはお腹ですか?」
とエリネに聞く。
「見て分かるのはそうです。しかしかなり乱暴を受けられて、、全身を打っているので、骨に異常があるのではないかと・・」
「分かりました」
以前にもみやを診察した医竜のシュウヤは、みやに話しかける。
「分かりますか? 頑張りましたね。もう大丈夫ですよ。 少しお休みしましょうね 」
優しく語りかけ、みやに何かを嗅がせる。
みやは少しして、眠りに入った。
治療中は痛くないようにと言う配慮だ。
医竜4人掛かりでみやの体を診た。
周りには簡易テントを張り、その場で治療を始めている。
右足に捻挫、肋骨にひびが入っている。後はあちこちに打ち身と痣、擦り傷、切り傷があった。
脇腹の傷も止血して、負担が無いように気を付けながら介抱した。
よって、治療後の姿も半分ミイラの様に痛々しいものになった。
治療が終わると、パラディン達は大事に大事にみやを運び、ベッドに慎重に寝かせた。




