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裾を絞ったゆったりパンツに、袖丈の違う服を重ね着し、腰に大きなスカーフを結ぶ。半分がスカートの様になり、絞りの所と腰、後ろの首元にリボンが大小付いている。
髪はツインテールにして、結った部分から垂れ下がるリボンが肩まであり、結んだ所には花の髪飾りを。
「ミヤ姫様、何かお手伝い致しましょうか?」
いつもより時間がかかっていたからか、声がかかる。
「ううん、大丈夫です。もう直ぐ終わりますから」
もう一度櫛で髪を梳かし、おかしな所がないかチェックする。
「ふむ、こんなものか」
鏡に映る自分を見て頷く。
そして皆の前に出て行く。
「お待たせ。どうかな?これ」
くるっと回って見せる。
パラディン達は暫し黙って見ていた。
「(あれ?・・)」
どうしたのかな?褒め言葉が見つからないとか?と理由を思い至らせていると、エリネがやっと口を開いた。
「 とても、よくお似合いです 」
「・・・、そう、ですか。 ・・良かったです? 」
お世辞感ありありに聴こえて最後が疑問形になる。
小首を傾げるみやにエリネは悟ってか、言葉を補った。
「あーいえ、申し訳ありません。その、、女性が男性の様な服を着る姿は見ないので、実際は如何なものかと思っていたのですが・・、その、とてもお可愛らしい仕上がりで、少しばかり驚いてしまいました。本当によくお似合いです」
他の者一同も頷いている。
「ありがとう」
朝ご飯を食べ終えると、みやは厨房のジェドの所へ向かった。
ジェドも始めは目をパチパチとさせていたが、直ぐに片膝をついて挨拶をした。
「よろしくお願いします」
本日はパウンドケーキ。ジャムや果物、ドライフルーツやナッツを入れた生地を何種類も作り、型にバターを塗って流し込み、焼く。
焼けて冷めた物をカットし、紙で包んでバスケットに詰めていく。
焼くのと切るのはノータッチだし、焼くのには時間がかかるので、生地が出来たらほぼお任せ状態になる。
「ジェドさん、またお昼に来ます。すみませんがよろしくお願いします」
ギリギリまでそこにいた後は、午前の飛行訓練を観に行く。
どんなものなんだろうかと行くと、既にパラディン達が上空で飛んでいるのが見える。
「飛行訓練は空で行われているので、我々もこれから飛んで行きます。ミヤ姫様は私と一緒に、ここに居るデュランの背に乗って行きます。上空ではここより風が吹き温度も少し低くなりますので、身体の具合が悪くなるようでしたら直ぐに申して下さい」
「はい」
「では失礼します」
エリネはマントをみやに着せて、その流れでみやを抱えて竜の背に乗った。
エリネの合図でパラディン達は空へと舞い上がる。
二度目のフライトだが、やはり生きている竜と言うか物にも乗った経験が無いので、独特の浮遊感に緊張する。エリネにしっかり摑まっていないと怖い。小さい悲鳴をあげると、それに応じてエリネが引き寄せる方に力を入れてくれる。
少しの間そうしていると、エリネが声をかけた。
「ミヤ姫様、お身体の方は大丈夫ですか?」
それにみやはコクコクと頷いて答える。
「前方をご覧ください」
言われてそっと向いて見る。
「今は隊列を組む練習を行っております」
「・・・ぅわぁ・・・」
それは圧巻する光景だった。ただでさえ大きい竜が、綺麗に並んでいる。
後ろの者が前の者に続き、線状に飛行している。とても美しいと思った。
みやは空の上と言う高さからくるもの以上に、その光景にドキドキと胸が高鳴っていた。
「ねぇエリネさんっ、皆は目が回らないんですか? あんなに上下左右に飛んでっ」
「大丈夫です。我々にはその様な感覚が備わっておりますので。 それに、子供の頃からなので慣れております」
成程と関心を寄せながら、訓練の様子を見学する。
他にも急降下や水平維持、反射対応などをやっていた。大きいだけに迫力がある。
本当に竜に変化していても、自分の体と同じ様に動かしているのだと分かった。
そして竜であっても彼等なのだと分かる。
飛行訓練は数時間続けられたが、みやはそれよりも早く降りた。
「お疲れではありませんか?」
「大丈夫です。全然動いてないし」
と速足に再び厨房へ行く。
「ジェドさん、全部やって下さったんですか? ありがとうございますっ」
全て作り終わって片付けをしていた。
他の料理人達がお昼ご飯を作っている。
「これはミヤ姫様、毎回この様な所まで足を運んで下さって申し訳ないです。 私達は嬉しいんですけどね?」
と近くに来たのは料理長のガナット。上品な顎髭がチャームポイントのおじさんだ。
「どうもお邪魔しています。私が好きで来ているので気にしないで下さい。 本当はもっと自分の手で作りたいんですけどね」
「とんでもない。ここは危ない物がありますから、私達にドンとお任せください」
「すみません。 ところで今日のお昼は何ですか?」
と料理をしている方に目を向ける。
「本日の昼食はホットサンドです。 因みにご夕食はシチューパイパスタですよ」
「おいしそう~。楽しみにしてます。 ジェドさんもありがとう。またよろしくお願いします」
パラディン達がお菓子を持ってくれたので、みやはそのまま部屋に戻った。




