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 こっちに来てもう何度目になるだろう目覚め。

現在のかなりの超リッチな生活は、知り合いが居る遠い外国に留学しに来たかのようだ。

衣食住完備でタダの歓迎な上、ボディーガード兼使用人付きで何十人・・・。待遇が良すぎ!逆に改善を求めたいっ。


いつも意識が浮上して感じるのは人の気配。その度に自分が異国に居る事を認識する。


起きるとまず洗顔やお手洗いを済ませて、服を決めて着替える。

その後髪をブラッシングしてもらい、結ったり飾りを付けてもらったりする。

「(本当に世話好きよねー・・)」

こっちの男性はそう言う人が多いのだろうか?

「出来ましたよミヤ姫様」

安定の姫様呼びはもう諦めるほかない感じだ。

「ん? あー ありがとう」

次は朝食。

流れる様にエスコートされ椅子に座る。引かれた椅子のさし入れるタイミングもバッチリ。そんな事をしてくれなくてもと思っても、既に断りを入れるタイミングは失っている。一々言うのも面倒だし、すんなり分かりましたで終わらないのを知っているので、素直にありがとうと一言言うに終わっている状況だ。


「ミヤ姫様、訓練日のご見学の件ですが、10日後に日が決まりましたのでお知らせします」

とラーナが言う。

「そうなの、ありがとう。 じゃあその時の服もそれまでには選んでおかないとね」

男装まではいかないが、カジュアルな感じにしたい。

「(髪はポニーテールかなぁー)」

楽しみが増えたところで、本日も地道にインドアな時間を過ごす。






 ルーイの執り成しで色々とお願いを聞いて貰っているみや。習い事や外出の準備に勉強。それ以外にもう一つ。行きつけの場所がある。

「こんにちはー、ジェドさんっ」

ひょっこり顔を出した所はお城の厨房。

「今日はよろしくお願いします!」

ジェドはここの料理人の一人。料理長ではないが、副料理長くらいの位置にはいるようだ。

ルーイとも仲が良いようで、みやも仲良くなり中である。

ジェドはここでは初めて見たアジア系の顔立ちで、色黒の肌に赤茶色の縮れ毛を一つに束ねている。

ルーイよりもちょこっと背が高く、ダークブラウンの瞳をしている。

カラフルで美形ばかりなのでちょっと落ち着く。二枚目ではあるがお近づきになりたい人だ。


ジェドはお辞儀をすると、どうぞと手で示す。

実はジェドは口がけない。物静かで落ち着いた人だなぁと言うのが第一印象だったが、それを知ってみやもジェスチャーを交えて話すようにしている。

ルーイに聞いたところ、ジェドは昔海岸に打ち上がっていたのをこの国に拾われたんだとか。何があったかは知らないが、その時から口が利けなくなっていたらしい。拾われたのは10歳になろうかと言う頃で、ジェドもまたここで色々とお世話になったようだ。始めは言葉のやり取りでさえ難儀したらしいが、学んで意思疎通が出来るようになったそうだ。

今はその恩返しもあって、こうして働いていると言う。


 そして本日は、みやはお菓子作りに来ている。既に材料は揃えてあり、早速生地から作り始める。

作っているのはクッキーだ。しっとり柔らかいタイプのを作る。

型は無いようなので、千切って丸め平にする。

オーブンシートも無いので、バターを塗った鉄板に載せて焼いていく。

大量生産なので全ての形を作り終えた頃には始めに焼いた物が出来ていた。

辺りに甘くて香ばしい匂いが漂う。

熱が取れてから試食だ。


「んん   んん~   おいしいぃ~~ 」

まだあったかい。出来立ては美味しいっ。


その後も次々に焼けるのを待ちながら、冷めた物から小包にしていく。


「よしっ、出ー来たっ♪  ジェドさん、ありがとう。残りのクッキーは厨房の皆さんで食べて下さい。 また一緒に作りましょうねっ」

ジェドはにっこりと口元を緩めながらお辞儀をした。


 みやはバスケット一杯のクッキーを持って、配りに回った。


みや本人は知らないが、その日の午後のティータイム後は、城内が幸せムードで満ちていたそうな。




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