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ここに来た時よりもやる事が出来たみやだが、それでもまだ暇な時間はある。
ウイリスの講義やお誘いがある他は基本的に自由だ。お散歩がてらにミィナに会いに行ったり、厨房に寄ったりしている。
今は約1ヵ月後の外出に向けて服を考案中だ。作っているのは主にパラディン達だが。何せハサミも針も持つのは危ないと言われて、止められた程の過保護ぶり。まぁ数十人に一人しか居ないから分からなくはー・・・無いか?
みやは自分サイズの男性用の一般服と、一般女性のワンピースを数着用意してもらった。並べて重ねたり、試着しながら考えて、ここを切って、縫ってと指示をする。
出掛ける服はそのまま男性用のをゆったりと着るつもりだが、ちょっとアレンジを加えてみる。
「ねぇ、やっぱり私もやるよ?なんか悪いし・・」
騎士だってそれはちょっとは裁縫をするかもしれないが、女性の服を縫ってもらうなんて申し訳ない。帯剣して騎士の格好でやる事ではない。違和感がある。
「いいえ、それは出来ません。我々にお任せ下さい」
「はあ・・」
頼まれた事だからと何か楽し気に取り組んではいるが、何とも異様な光景に見えてしまう。
「ミヤ姫様縫えました。これでよろしいでしょうか?」
「あぁうん。凄い、とっても器用ね。キレイに縫えてる。あとはー・・・ん~。ーー、ここでもいいけどぉ・・・、 ん、ここ絞ってみるか。 あの、上の服もなんだけど、 うーん、ここかな? うん。 裏返して紐が通る幅に布を縫い付けて、ここからここまでね。 まずはそこまでやって、出来たら教えてください」
「分かりました」
人手が多いと作業も早い。
が、指示以外暇だ。
そこで思い付いたのは皆の髪紐。
髪の長い者が何で結んでいるのかを聞くと、細い革紐だった。染めた物もあって、これだ!と思った。
みやは早速調達してもらう。
編み物を習ったお陰もあり、革紐で髪留めやブレスレットやアミュレットを作る事にした。これなら切る以外は出来そう。多めに作ってルーイやミィナにもあげようと思った。
そうして自分も作りながら夢中になっていたら、パラディンが申し訳なさそうに声をかけてきた。
「ミヤ姫様、大変申し訳ありません・・。我々も気付かずに・・。今食事をご用意しておりますので、今しばらくお待ちください」
そう言われてみやも気付く。大分長い時間を作業していたようだ。どうりで暗くなってきたなと思った。
みやはグンと背を伸ばす。
「もうこんなに経ってたんだ・・」
そこまでお腹は空いてないと感じていたが、運ばれてきた食事に口を付けてみると食欲が湧いて来た。
食べ過ぎないようにと分かっていても・・。
「(う~・・ ちょっと食べ過ぎたかな・・・)」
美味しくてついつい。
一人で食べるのはやはり気まずいので、出来るだけパラディン達も巻き込んでいる。一人で食べるのは寂しいと言えば、一緒に食べてくれる。それに色々と甲斐甲斐しくお世話してくるので、一緒に食べた方が精神的にまだましだったりする。
「(食事の介助とか私は病人じゃないからねっ。自分で食べれるからっ)」
こっちの女性はどうなってるんだと聞きたい。




