46
「では本日はここまでに致しましょう」
「はい、ありがとうございました」
今はウイリスからの講義を終えたところだ。
「大分ご習得されましたね」
「いえ、まだ全然です。一覧表を見ないと分からない文字がまだ沢山ありますから」
「そんなに焦る事はありませんよ。全く知らない物事を一から学ぶのです。何度も繰り返し覚えるのにはそれなりの時間もかかるものです。そう考えればミヤ姫様は十分優秀でいらっしゃいますよ」
「そうですか?」
「えぇ」
褒められると嬉しい。
「今日は何かご本を選んで行きますか?」
「あ、はい」
「前と同じ様な本が良いでしょうか」
「そうですね」
みやはウイリスと本棚の一つに向かう。
今借りて読んでいるのは子供の絵本。読み易くて分かり易いので丁度いい。
「そうですねぇー。・・・ あぁ、これなど如何でしょう?」
と取り出したのは今までのより少し厚めのハードカバーの本だ。
「何の本ですか?」
「これはこの国の一代目の花嫁のお話です。この国が竜都国と呼ばれるようになった由来も含め、歴史も学べる本ですよ。 簡単な内容なので、読み易いかと」
ペラペラ捲ってみる。挿し絵が所々に入っていて、文字は多めだが小学生レベルだと思われる。
これが読めるようになれば、絵本は卒業と言う事だろう。
「じゃあこれにします」
「そうですか。ではお持ちしますね」
これくらいは持って行けるのだが、そう言うとやんわりと断られてしまう。
「そうそうミヤ姫様、学ばれるのは大変よろしい事なのですが、あまり夜更かしはされませんように」
「・・はい。気を付けます・・」
最近本を寝床の供にして、所謂寝落ちをする事があるのだ。
翌日になるとキチンと栞が挟まれているのだが、いつも何処まで読んだか正確には覚えていない。
今までは絵本だったのでまだ良かったが、この本はそうはいかなそうだ。文字数が絵本の10倍は増えているからだ。けどその分読み応えはありそうだ。




