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「(んん~)」
みやは現在編み物に集中していた。
「(難しくはないんだけどぉ・・。コツよね~。 どうも雑だ・・)」
ひと目ひと目の大きさが均一になっていない。
ジッとしながらの作業は結構神経を使う。初心者だから仕方ないが、慣れてないと段々だらけてくる。
それでも完成はさせたいので、時間がある時に手に取っている。
動作に慣れれば、合間に本を読むことも出来る。
「(ミィナちゃん上手なんだよねぇ。 私もスキルアップの為に編むぞぉっ)」
休憩のお茶をとりつつ編み編みと手を動かして、キリの良いところでグンと背を伸ばした。
「っはぁーー。 よし、今日はここまでっ」
と片付ける。
と?
「終わったのか?」
「!?・・・ え、・・ルーイ? いつから?」
ルーイは優雅にお茶を飲んでいた。
「少し前にな」
「言ってくれればいつでも止めたのに」
「一応声はかけたのだが、、余りにも熱心だったのでな」
「え、そうなの? ご、ごめんなさい」
パラディン達に目で確認しながら、そんなに夢中になっていたかと反省。
「それで、どうしたの?何か用事?」
「 何か用が無ければダメか? 会いたかったからでは理由にならないか?」
とちょっとしょんぼりな感じで言う。
「え・・・ いえ・・ (天然たらしがいます! 素で地の王子様がここに!)」
ルーイはクスリと笑ってみやの近くに来た。
「用は無いが、、実はこれをみやに」
「ん?」
ルーイは無造作に包みを出して開けて見せる。
「訪問した先の街で見つけたのだ」
それは綺麗な刺繡入りの、白と青とシルバーのリボン。
「わぁ~、キレーイ。 立派なリボン・・。ステキだね」
「気に入ったか?」
「うん。 って、これ私に?」
「あぁ」
「あー うー ・・・ ありがとう」
素直に嬉しい。
「前にも髪飾りくれたよね? 高いでしょ?これ。 こんなステキな物、私には似合わないよ」
「そんな事はない。似合うと思ったから選んだのだ。 付けてはくれないか?」
「・・・。 ルーイがそう言うなら・・、付けてみる・・」
みやも女の子だ。綺麗なリボン、付けてみたい。
そう思っていると傍に居るパラディンも褒める。
「きっとお似合いになられますよ。明日にでも是非お付けしましょう」
彼は確かラーナだ。エリネが居ない時は必ず代わりに居る。
他にも何人かそういうパラディンが居る。
彼等は王族にも当然ついているし、国だけではなく大陸全土を守っているらしい。どれ位居るのか知らないが、大変だろうと思う。
エリネは総括と言っていたから、一番上で纏める、差し詰め隊長や団長と言ったところだろう。
偉い人、いや竜?なので、ずっと居る訳ではない。
いや、っと言うか、他もずっと居なくてもいいと思う。
お風呂もトイレも着替えも、直ぐ戸の外に居ると思うと落ち着かない。
就寝も部屋の内外に居る。眠たくて結局は寝るが、気を遣うので休まらない。
プライベートを何とか確保出来ないだろうかと考える。
お客さんなのだから、接待するにも程々と言うものがある。
少しは何かする事があるのが今の救いだ。
本当はもっとカジュアルな服で、走ったり武術の稽古をしたりしたいのだが・・。
「(ん? 武術の稽古・・・)」
みやは思い付いた。
パラディン達は騎士だ。お世話係になっているが見た目は騎士。その証拠に腰に剣を帯びている。
「(あれって本物なんだよね?)」
重そうな感じだ。ちょっと興味有り。
「(エリネさんが居る時に聞いてみよっと)」
さん付けがまだ外れないが、あちらも姫様呼びを止めないのでお互い様と言う事で。
その後ルーイと別れ、色々考えながらみやの足は次の用事へと向いていた。これからウイリスの講義があるのだ。




