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竜都国レフェリーナに来て、みやが習い事をするようになってから数日。
「ところでミヤの方はどうだね?」
と竜王のアイルが側近の2人に尋ねる。
「はい、とても勉学に熱心です。好奇心もあり、こちらの事をよく尋ねられます」
「そうか。 昨日はミィナのピアノの講義があったね。その後はどんな様子か?」
「はい、ミィナ様はとても喜んでおられました。何でも、ドレミと言う音の名前を習ったそうです。次回は楽譜の読み方を講義するとか」
「ほう。 そう言えば先日もその、ガクフと言うのを作って、シェリーが弾いていた曲を再現したそうだね。 ミヤの世界では色々と豊かなようだ」
アイルは関心する。
「えぇ、あのような女性は貴族・王族の姫君を探しても早々おりませんでしょう。流石は総天地竜様の御力で導かれたお相手。ミヤ姫様以外の花嫁は居りません」
ウイリスは力説する。
「そうだな。ー。ルーイとダンスの練習もしているそうだが、なかなか仲睦まじく初々しいと聞く」
「竜族の者達も良い関心を示しているようですね」
「うむ。パラディン達との相性も良いようだ。 まだ花嫁でもないと言うのに、既に心が添うておるようだしなぁ」
「はい」
「ー。 後はご本人の意志ですね・・」
「うむ・・・」
そこが問題だ。
同じ世界ならまだ解決の道もあっただろう。しかしいくら総天地竜様のお導きとは言え、異なる世界の娘。そこには今まで築いてきた生活や人との絆があったのだ。ただでさえそれが突然断たれた状態。
本当は不安や心配、寂しさや恋しさがあるはずだ。
客人として居るとは言っても、既にここに居て欲しいと望む者は少なくはない。
みやが今使っている部屋は花嫁の塔にある部屋だ。こちらを選んで欲しいと思うのは、我儘で酷な事だろう。嬉しさと苦しみが混ざる。
「ーーー。 今は焦らずに、出来うる限りの事をしよう。 あの子には知る事も、考える時も必要だ」
「「はい」」
ゆっくり焦らず、見守りながらも、望みも諦めない。
やっと来た花嫁の有力候補。大切にするのは勿論だが、仲良くなりたいと思う。
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