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「今は気分はどうだ?」

「 だいじょうぶ。 なんともない 」

今の状態以外は。

「そうか。 辛かったら休め。今日はここでゆっくりすると良い。 私も・・昼頃に一度抜ける事になるが、それ以外は共に居よう」

まぶたにキスを落とす。柔らかな唇の感触は慣れそうもなく、こんな状態が続いたら心臓がもたないと思われる。

「あ、ありがとうルーイ。でも大丈夫だから・・」

「そうか?」

「うん。 あ、ルーイはもう朝ご飯食べた?」

話題を変えて気を逸らす。

「ん?いや、これからだ」

「じゃあ一緒に食べよ。ね」

「あぁ」

「じゃ、じゃあ、私、着替えるから」

「あぁ。 一人で大丈夫か?」

「だ、大丈夫です。全然・・・」

寧ろ一人でさせて下さい。


 みやは脱衣所で用意された服に着替えた。可愛らしい自然の色合いのワンピース。

その後鏡台に座り、くしで髪をく。が、見られながらはやりずらいものがある。鏡ごしに見える彼らは何だか真面目に見てくるからだ。

するとルーイが傍に来た。みやの後ろに立ち、櫛を持っている手をとる。

「みや、櫛を」

「ん? え?  くし?」

「貸して」

「え・・、どうするの?」

ルーイに櫛を取られる。まだ梳いている途中なのに、と思っていると、ルーイはみやの髪をとりき始めた。

「・・・え ? 」

思わず半分振り返る。

「ルーイ?」

「ちゃんと前を向いてて」

真っ直ぐにしてた背が更に緊張で伸びる。

ルーイの手が優しく労わる様に触れて、櫛が髪に丁寧に入る。

「みやの髪は綺麗で柔らかいな」

そう言われて鏡を見た。

「!」

目が合った。

そしてその上に微笑まれた。

「 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 」

ズッキューンッ!


暫し見入ったみやは、動きが停止したものの頭の中は忙しくなった。

「( ぅわぁ~~~っ  なななななななな何なんだ何なのっ? この微笑みはっ!? 王子様かっ! いや王子様でしたっ!この人王子様でしたよっ! これが世に言う本物のプリンススマイルっ! そうなんだねっ? あああ~~~っ しかも鏡ごしヤバいっ ヤバいよっ? こんなにクるものなのかっ! うう~~~   お、落ち着けっ 落ち着くんだ私っ )」


動悸息切れが朝からオンパレードなのを必死に抑える。

もう泣いてもいいだろうか。


とそこへ朝食が運ばれて来た。ちゃんと2人分あるようだ。

「あ、ありがとルーイ。もういいよ?ご飯も来たし」

正常な空気が吸いたい。

「ん?まだ梳いてるだけではないか。いつも結っているだろう?」

「あー、・・じ、自分で後はやるから、大丈夫」

と断るが。

「ダメだ」

と即行で爽やかに却下された。

そしてパラディンを2人呼び、今日の髪型や使うアクセサリーや色について相談を始めてしまった。


「結い上げた姿もお美しいですが、今日はおろしてみては如何でしょう?お召し物に合わせ、可愛らしくなられるかと」

「でしたらリボンを付けましょう。白のレースはどうですか?」

「うん、きっとよく似合う。 みや、それで良いか?」

「え。 あ、はあ・・ はい・・」

半ば推されて決まった。

3人がかりでとっても恥ずかしい。長身美形のイケメンズのナイトと王子様にって・・・

「(一体どんな待遇ですかっ!? 私何者扱いっ!? 一般庶民ですけどぉっ!!?)」


頭も髪も絶賛に触られた末、やっと終わった頃には本人とは対照的に、満足そうな顔が並んでおられた。

「・・・・・・(あー・・ やっと終わったー・・)」




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