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 普通に一部屋分はあるテラスには、花が飾られて、テーブルと椅子も置いてあった。

手摺てすりは少々太めで頑丈そう。

テラスからの景色は山々と、右手の森の向こう側に海がきらめいていた。

みやは端から端まで歩き、そこからの眺めを一望した。


「本当、とっても綺麗で良い眺め」

「気に入って頂けましたか?」

「あ、はい」

一番傍に居るのは総括のエリネだ。


みやは暫く景色を見ながら考えていた。

自分がここに来たのはルーイに会う為。帰れるならそれだけの関係で終わるのだが、どうやら求められて来てしまったらしい。

運命なんてよく分からない。けど出会いの偶然は必然でもあると思う。

「(花嫁かぁー・・)」

正直結婚なんてまだまだ先の事の話ではないか。親の承諾はどうするんだと言う話もある。

いやそれ以前に、自分は結婚以外の進路を決める方が考えるのは先だったはず。それがひとっ飛びに嫁にと言うのは急過ぎる話だ。

どうすれば良いのかみやには分からない。

いつ戻れるのか分からないのは不安だ。

帰れたとして、またここに来れるのだろうか?それも分からない。

ルーイが特別な想いを寄せてくれているのは、正直嬉しいと感じる。

周りは優しいし歓迎されて感謝している。

しかし自分である意味があるのだろうか?必要性があるのだろうか?

王族って国益を考えるものでは?自分は求めに応えられるのか?

そんな考えが頭を巡る。


そんな風に重く考えているとエリネが声をかけてきた。

「ミヤ姫様?   ミヤ姫様?どうか・・、どこかご気分でも・・?」

みやの顔を窺い、背中に手を触れる。暗い顔をしていたので心配させたようだ。

「あ、ごめんなさい。何でもないです」

「そうですか?・・」

「はい。 あ、あの、・・エリネさん?」

「エリネとお呼び下さい。何でしょうか?」

「はい、あの・・、 地図って ありますか?」

ぼーっとしてても退屈。なんにしてもまだここにお世話になるならと聞いた。

「地図ですか? それなら図書資料室にあるかと」

「図書 資料室。 そこ、まだ行ってないので行きたいです」

「分かりました。ではご案内致します」


と言う事で図書資料室へ。


「(あのお姫様抱っこ、何とかならないかなぁ・・・ 心臓もたないんですけど・・・)」

降りる時に再びされてしまった。そこの対策も考えなければと思うみや。


妙にドキドキしつつ、案内された図書資料室に着いた。

「 うわぁ~~~・・・ 」

思わず感嘆の声が。

見上げるばかりの本棚がずら~~~っと並ぶ。

流石はお城。広さも数も呆気にとられる。

みやは胸の前で手を握り合わせ、夢の空間に浸って笑みになる。

歴史を感じる独特の空間は飽きが来ない。

「ここでお待ちください。地図をお持ちしますので。 因みに、どの様な地図をご希望ですか?」

「どの?ー、あぁ。あの、取り敢えず世界地図を。あと出来たらこの大陸のと、この国の地図が見てみたいです」

「分かりました」

エリネが傍を離れている間に、みやは本を眺める。

そして気付いた。

「・・・・・・(字、読めない?・・)」

西洋の雰囲気に違和感なく見ていたが、一冊取ってパラパラとめくってみる。

「(読めない~~っ)」

ガックリ。

これでは暇つぶしの読書の線は無しだ。みやは気落ちした。




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