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食事を終えると少し休憩してから案内された。自前の鏡で身嗜みをチェックし、ちょっと気構える。
これからルーイのお父さん、つまり王様に面会するのだ。緊張しない訳がない。
しかもさっきの話の後。余計気にしてしまう。
どんな人だろうかと考える。王様ってくらいだから厳格で怖い所もあるだろう。
みやはドキドキしながら行く。
やがて着いたのは大きな扉。ルーイの部屋も大きかったのに、一体何が通る前提で・・・、いや竜かも?竜も通れる大きさなのかもしれない。
それが重々しく開く。
ルーイの手にエスコートされながら、足を前に進めた。
そこは広い広間で、ずずずぃーーと赤い絨毯が道を作っていた。そしてその先に当然の如く段がある。正に王様の御前。
緞帳を両サイドに分けた真ん中に立派な椅子。そこに悠然と腰掛けるのは王様でしかない。
その傍には2人が控え、広間の両端にはパラディン達が立っている。
王様の前まで来たみや。こういう時は目を合わせると不敬になると小説で読んだ事がある。何がマナー違反になるか分からないのでルーイにお任せする。
が。
誰かが何かを言う前に、王様が腰をあげた。
段など感じさせない歩みでみやの前に来ると、そのままフワッと覆われた。
えっ?と思って一歩下がったみやをグイッと寄せて、そこからギュ~っと抱き上げ力が入る。
「!?~~~っ 」
まさかの熱い歓迎の抱擁に硬直するみや。
その様子にルーイは溜息をついて呆れていた。
「遥々よく来て下さったっ。 ようこそ 」
「??」
抱擁から解放されて空気を取り入れるみや。目の前には暖かい目と表情を向けて声をかける王様がいる。そしてその王様はみやの頭にチョンとキスを贈る。
「???」
みやは髪の毛ごしでよく分からなかったみたいだが、知ったらパニックだったかもしれない。今もちょっと混乱している。
「なんとも可愛らしい子ではないか。色々と難儀をしたみたいだね?どうしてこんなに愛らしいのに間違われたのか不思議に思うところだよ。しかもうちのパラディンまでねぇ」
王様は本当に不思議そうに見て言う。
「名は確かミヤ、だったかね?」
「・・・、はい 」
コクリと頷く。
「私はルーイの父、アイルだ。其方を心より歓迎する」
「・・ぁ、 ありがとうございます・・」
頭を下げて礼をする。王様はそれにクスリと笑む。
「そんなに緊張せずとも良い。私の事も実の父と思って接して構わない。そう、お父様と呼んで良いのだからね?」
「え・・・?」
冗談なのか分からず答えに困る。
「父上・・・」
ルーイが少し非難を込めて呼ぶ。王様は口を笑みにして目を意味ありげに細めた。
「良いではないか。良きことは早くても。気分から入るのも一つだとは思うが?」
「・・・。だからと言って急くのは良いと思いません。みやが困ります」
「ふむ。ーー」
王様はみやの様子を見た。
「ー。それなら仕方ないね。 それでも、ここを好いてくれれば嬉しい。好きなだけ居て良いからね」
ちょっと残念そうだが気を取りなおす。
「今部屋も入れるよう準備している。夕食後には間に合うだろうが・・、今夜はルーイと共に寝るかね?いきなりパラディン達と共にと言うのは不安もあろうからな。慣れるまではルーイと共にいる方が安心ならばその方が良いだろう。 どうかな?」
どうかな?と言われたみやは、は?え? と言う感じだ。
話が掴めないのでルーイを見て首を傾げた。
「? どうした?」
「・・・えと・・、 一緒にって言うのは? えとぉ・・・、どういう事?」
「・・?」
ルーイも?マークだ。
「ー。ええと、 ルーイとだったら、ベッドをもう一つ持って来るから、一緒の部屋にって事?」
みやなりに解釈してみた。
ルーイはそこで違和感を覚えた。しかしそれに答えたのは王様。
「ベッドは一つで足りる大きさだから問題ないよ」
王様はみやが、一人用だと窮屈ではと心配していると思ったらしい。
しかしルーイはまさかと察した。
「みや、耳を」
王様からちょっと離して耳元に口を近づけてひそひそ話。
「ひょっとして、みやの所ではその様な習慣が無いのか?」
「?」
みやは少し考えてから、コクンと頷いた。
その様な習慣。異性とベッドを共にする習慣。
そんなのあるわけない!
ルーイは頷いたみやに暫し考える。王様は?マークを浮かべながらも微笑ましく見ている。
「(誰かと寝なくちゃいけないのかなぁ?・・・ つまり添い寝って事だよねー。・・・・・・ 無理っ! そんなの余計寝られないでしょ!)」
想像して小さく頭を振る。
結局は一晩はルーイの部屋になった。
ルーイの意見によると、事前の説明がいると。
知り合ったばかりのパラディン達と一緒がいいか、ルーイと一緒がいいかと言われたら、みやもルーイの方がいいかなぁとは思うが、それはそれで問題ではないのかと問いたい。
取り敢えず先延ばしであるが、何も考えない事にした。
その後はルーイによって城(*ここは王宮と呼ばれている)や庭を軽く案内された。




