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 陽が見えた頃、眩しい陽射しを受けつつも眠気MAXの2人は、部屋に戻って昼過ぎまで寝ていた。

それから遅めの昼食を取り、庭の水やりをして夕刻までに終わらせた。


「これで後は給金を貰うだけだな」

お給料は順番に今日支払われる事になっている。

今夜もここに泊まれるが、早く受け取った者の中には今日出て行く者もいるとか。


2人もお金を受け取った後は夕食を食べ、ナッチはお風呂へ行き、みやは部屋でくつろいでいた。

とそこへノック音が。

「はーい」

ドアを開けるとそこにベアが立っていた。

「・・ベアさん」

「来い」

短くそう言っただけで、スタスタと歩いて行く。

「え、あ、あのっ」

訳が分からず、ドアを閉めると小走りでついて行く。ベアもそれを確認して先に行く。

みやは何だろう?と思う。

お給料はもう受け取ったし、まだ何かあるとはナッチは言っていなかった。


そのままついて行くと、別棟の建物の一室に通された。

「ベアです。連れて参りました」

ノックをしてからベアがそう言うと、中から「入れ」と声がしてドアを開けた。

「失礼します」

ベアに続いて中へ入ると、そこには3人いた。

1人は隊長補佐さんだ。その斜め前にもう少し立派な服を着た人がいる。その向かいには・・。

「!・・・」

パラディンだと分かった。存在感、身形、容姿で直ぐ分かった。

「この者で合っておりますか?」

とちょっと偉い上役らしき人がパラディンに聞く。

「ー。はい。 わざわざありがとうございます」

「いえいえ、お頼みとあらば喜んで。 では我々は席を外させて頂きます」

「かたじけない」


何か固くて重い空気の中3人が退室して行った。

みやは何となく立ったままで向かい合った。

そう言えば昨晩、王子であるルーイがそんな事を言っていたと思い出す。

「ーー。 あの・・・、ご用件は・・?」

と尋ねると、パラディンはみやの前に来て持っていた包みを受け取るように言った。

「ルーイ様からです。 こちらをお召しになると良いと」

「・・・。どうも、ありがとうございます」

おずおずと受け取る。

「明日、朝と昼の半ば頃にルーイ様と参りますので、それまでにお支度の方を済ませておいて下さい」

「はい・・」

「用件は以上です」

パラディンは淡々と述べる。

「あ・・、わざわざ、ありがとうございました」

「いえ。ーー。ところで、差し出がましいのですが、ルーイ様とはいつお知り合いになられたのですか?」

「え。 えーと・・。 9年位前? まだ私が6歳だったと思います」

「・・・」

「雨の中ずっと立ってて、泣いているようだったから、声もかけずらかったんだけど、でも、風邪をひいちゃうかなって。 家の物置に使ってた所で雨宿りをしたんです。そこで少しだけお話して・・。王子様だとは知らなかったんですけど。その時においでって言われたんです。私てっきり遊ぶ約束だと思ってて、暫く待ってました。近くを探したりして。まぁ子供の口約束だし、大きくなってから、何か都合や事情があったんだなと思いました。 きっともう忘れてるだろうし、いい思い出として終わったんですけどね。まさか今になってこんな形で会うなんて驚きで。しかも覚えてくれて嬉しかったです。 昔の口約束なのに、果たそうとしてくれて、とても真面目で優しい王子様なんですね」

「ー。はい。 ルーイ様なりのご恩返しなのでしょう・・」

「ご恩? ただ一緒にお菓子を食べただけなんですけど・・?」

「ご本人にとっては、それ以上の事だったのではと」

「はあ。ーーー」

大袈裟なとは思ったが、でも嬉しかった。


 パラディンはその後すんなりと帰って行き、みやもうす暗い中だったが迷わず戻った。


「お。どこ行ってたんだ?」

「うん、ちょっと呼ばれて。 パラディンさんが会いに来たの」

「・・・おお。 もうこれは本格的に就職だな」

「んんー、どうなんだろうねそれは」

と苦笑う。そんな感じは無いから違うと思う。


「お風呂は人どうだった?」

「おぉ、流石に今日はそこまで混んでなかったぞ。入れば良かったのに」

「ううん。じゃあもう少ししてから行こうかな。 あ、ねぇ、この服はどうすればいいのかなぁ?」

と今着ている服を指して聞く。

「あぁ、それはいつもと同じ。浴室前のカゴの中に入れておけばいい。寝間着もだから、明日帰る時でいいんだぜ」

「そっか」


みやは暫くしてからいそいそと浴室に行き、中を窺ってから入った。

そして洗い済ませてから、受け取った包みを持って来ていたのでこっそり開けて見た。

「(おぉ~)」

ワンピース式の一枚着と髪飾りが入っていた。女の子らしい物でなかなかいいかもと思う。

明日は久々に女の子になれそうだ。


ちょっとルンルンで戻り、布団に入ったが、何だか寝付けない。

ゴロンと寝返りをうつ。

「 眠れないのか? 」

まだ起きていたナッチが声をかけた。

「うん・・・」

「ま、分からなくはないけどな」

「ん・・・。 ナッチさんと別れるのも寂しいしね・・」

「どうも。 旅をしてると出会いと別れの繰り返しだから、もう慣れたな」

「ー。 聴かせて。ナッチさんの話、聴きたいな」

「ん? 長いぞぉ?」

「ふふ。 じゃ、適当に端折って下さい。いいとこだけ摘まんで」

「ははっ。 そうだなぁ~」


最後の夜にナッチの旅物語の語りが始まり、それに頷きながら耳を傾けていた。

1時間くらいは聴いていたら、段々と眠気が来て、みやはいつの間にか眠っていた。


「ーーそれでこう、俺が颯爽と助けに入ったわけ。   ってぇ、眠ちゃったのか。ここからがいいとこなのに。 ・・・。 まぁ、おやすみ、ミヤ 」




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