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ジュリエッタ.ロン.シェタット.アン.ロリータ ! それがわたくしの名前です! ロメヲ&ジュリエッタ 境界線を越えた恋  作者: 桂虫夜穴


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6、姫さまの初恋


「何ーーっ!ダンロッド!

姫がぁーーーっ!」


「ははーーーっ!

申し訳ございません!

私が付いていながら、このような事態に…

どうぞ!この首を!」


「何を申しておる!

お主の首など、何の足しにもならぬわ!

それより、姫の捜索が先決だ!」


「しかし、何かしら、罰を頂かねば…

他の者にしめしが、つかぬのでは…」


「ダンロッド!お主も、律儀な男よの!

普通…そのような事からは逃れようとするものだぞ。

それを、敢えて罰を与えよ…などと…

面白い男だ。

まっ、そこが、お主の良いところだがな…

だから、お主に姫を任せたのだ。

しかし、お主のような、男でさへ

手を焼くとは、姫にも、困ったものだ。

…して…姫は何処へ、向かったのだ。」


「それが、森の深部へ…

今日は早朝から乗馬の鍛錬をしておりました。

姫さまは、一番馬に乗りたいと切望されまして

練場を2周程されたところで

いきなり塀を飛び越え森へ向かいました。

初めは馬の暴走かと思いましたが

姫さまが、完全に手綱を操っておられました。

これは、マズイと、すぐに、追いかけましたが

相手は一番馬です。

どの馬も、敵うはずもなく…

あっ!と言う間に、見失ってしまいました。」



「そうか…しかし、妙だな…

そんな、ところへ向かっても

何も得る物はないだろう。

魔物の巣窟、魔王の棲家へ、など…」


「それが…………」


「どうした?ダンロッド…

言いかけて、口ごもるとは…申してみよ!」


「はっ!

それが、もしかして、街へ向かったのでは…と…

森の深部へ向かったのは、我らの目を欺く為…

一旦、深部へ向かうと見せかけて大きく迂回し

街へ向かったのではなかろうかと…」


何故、そう思うたのだ?」


「それが、昨日のカンザシの件…」


「ああ、(きさき)から、聞いておる。

姫が湖に落としたカンザシをロメヲ王子が

探してくれたそうだな。

憎き民の王子ではあるが

その事だけは、感謝せねばな!

何しろ、あのカンザシは先祖代々由緒正しき代物。

私は、蔵に納めて置く方が良いとさへ思うておるが…

肌身離さず髪に結え…と、言う、ならわしだ。

それは、致し方ない。

…さて、それが、何か?」


「どうやら…姫さまは…

ロメヲ王子に………………」


「どうした?またぁ……

もったいぶるでない!」


「ははっ!

恋を、されておるのでは、なかろうかと!」


「何!恋だと!

しかし姫は、まだ…14歳…」


「はい!立派に恋する、お歳でございます!」


「うう…ん…

しかし、何故、そう思った。」


「姫さまがロメヲ王子の事を語る時の

あの瞳にございます。

今にも、泣きそうな程に潤み

頬は、リンゴのように真っ紅に染まっておりました。

あのような、お表情(かお)は、初めて拝見致しました。」


「クーーッ! ロメヲめ!

我、愛娘ジュリエッタをたぶらかしおったかっ!

許せん!

王よ!戦じゃ!戦さーーっ!」


今まで、じっと、堪えていた王妃の怒りが爆発した。


「まぁ、まぁ、シレアヌ…落ち着け!

この話は全て推測…憶測に過ぎん!

まずは、姫の捜索が先決…

森の深部へは、少数隊を…街側には、本体を送れ!

しかし、本隊は…

くれぐれも、街側の兵を刺激せぬよう…

大砲が結界上部を超えてくれば

我らに勝ち目はない。

我らは、火器を持ち得ぬのだからな。

そう言う意味でも、まだ、戦さには時期尚早だ。」.


「承知しました。では、早速参ります!」


「ダンロット!」


「はっ!」


「頼んだぞ…

頼りにしておる!」


「ははーーっ!

ありがたき幸せ!

心して、任務の遂行にあたります!

では、行って参ります!」


「ああ!」


王の返事とともに

バタン!

王の間の、ドアが、勢いよく閉じた。

その途端だった。


「おお…ジュリエッタ!ジュリエッタ!

ジュリエッタ!ジュリエッタ!

いずこへ…」


王妃は、何度も姫の名を呼びながら

拳を自身の膝に打ちつけた。


「シレアヌ!落ち着けと言うておるであろう!」


「逆に問います!

貴方様は、なぜに、そのように

落ち着いていられるのです。

私は、心配で、気が狂いそうです。」


「私とて、同じだ。

しかし、ジタバタしても、従者達を叱り付けても

姫は帰って来ぬぞ!

正しい指示は出した。後は、待つのみだ。

それが…王の務めだ。」


「しかし…私には、母の…母親としての立場!

母としての想いがあります!

いてもたっても、おられぬのです!

私が馬を走らせ捜索に向かいたいくらいなのです。」


「わかっておる。」


王は、妃を抱き寄せた。


「私も思いは同じだ…」


「おお…あなたさま…うううっ…」


女王妃は、王のその胸で、むせび泣いた。




続く

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