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ジュリエッタ.ロン.シェタット.アン.ロリータ ! それがわたくしの名前です! ロメヲ&ジュリエッタ 境界線を越えた恋  作者: 桂虫夜穴


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5、姫さまの暴走

「ダンロッド!

大変!大変なのよ!」


「姫さま!どうなされました?

そんなに慌てて…」.


「大砲よ!

遠くで、大砲の音がしたの…

また、戦さかしら…戦さが始まるのかしら?」


「ハハハハッ!姫さま!」


「何!ダンロッド!何を笑っているのよ!

この緊急事態に、ふざけないで!」


「ハハハッ!これは、失礼致しました。

姫さま…アレは、カーニバルの知らせですよ!」


「カーニバル?」


「はい!街の民が、執り行う行事ですよ、

そうですなぁ、要するに、お祭りですよ。

この森の祭りとは、少々趣きが違っておりますが…

派手なダンスや音楽に仮面舞踏会に屋台など…

大騒ぎして、祝うのです。

そして、あの大砲のようなものが

夜空に打ち上げられ、大輪の花のように

夜空を彩るのですよ。」


「お祝いって…」


「ほら…先日、お会いした。

街の民の王子…あの方の祝言が、行われるのですよ!

もう、16歳との事。

誕生日と成人式と、婚礼。

まとめて、執り行うらしいです。

風の噂ですが…」


「えっ⁈ 結婚!

ロメヲ様がっ!そんな…そんな…」


「姫さま…忘れて下さい…あの方の事は…

叶わぬ事が、世の中には、あるのです…」


「えっ!わたくしは、別に…

あの方の事など……」


「そうですか!それなら、良いのですが…」


「それにしては、詳しいわね!」


「それなりの、情報網はございますから…

まっ、それにしても、我々には、無縁の事です。」


「ああ、でも、気になるわね!

お城の最上階なら、その花火とやらは

見えるかしら…」


「どうでしょう…

風向きによっては、今日のように音だけは

聞こえるかも、しれませんが…

それより、街の民のカーニバルを眺めるなどと

思うだけで、女王妃がお怒りになりますよ!

くれぐれも、それは、お控えあそばせ!」


「わかりました。

あーあ…つまんないなぁ…。

森の祭りなんて…

魔物がでるから真昼間しかやらないでしょ!

おまけに、演奏と踊りだけ…地味で、つまんない!」


行ってみたいなぁ…


それに、ロメヲ様が婚姻…結婚するの!

そんなぁ…わたくしは、どうすれば…いいの…

…って、私は何を思ってるの!

あの方の事ばかり…ロメヲ様の…

ああ、あんな見すぼらしい身なりで隠してさえ

高貴な香りがした。

凛とした横顔。美しい瞳。

ずぶ濡れになり、大事なカンザシを探して下さった。

ありがたき事この上ない!

わたくしの為に、大事な命を失くす事も

ものともせず…

おお…ロメヲさま…


あの方無しで、わたくしは、この先…

生きて行けるのかしら…

その面影だけを胸に抱いて…

生きて生きるのかしら…


ああ、一目だけでも逢いたい…


ロメヲ様が婚姻する…その前に…






「姫!姫さま!

どうなされましたっ!

何処(いずこ)へっ!お待ちくだされっ!

そちらは、魔物の巣窟!魔王の棲家!

お待ちくだされーーーっ!」


一大事が起きていた。

姫が乗馬の鍛錬中、練場の塀を飛び越え

森の深部へ向かったのだ。

ダンロッド一行は、すぐに門口に回り

姫の馬の後を追った。

しかし直ぐに振り切られ置いてきぼりを喰らい、その場に立ちすくんでしまった。


「姫…さま……何と言う事を………

そうだ!お前達は姫さまの後を追うのだ。

日暮れ前まで捜索して

姫さまが見つからねば城に戻るように!

私は、城にもどり、国王に報告だ。

ここで、お前達とは、別れやもしれぬな…

首が、飛ぶ覚悟はせねばなるまい…」


「そんなっ!ダンロッド様!

貴方様のせいではないではありませんかっ!」


「誰かが、責任を取らねばならぬのだ!

姫さまの教育係と言うのは

作法や、マナーをお教えする事だけが

教育係の、仕事ではない。

生きていく事、生きる為の手段をお教えする事

それこそが私の真の任務なのだ。

姫さまが

自身の生命を脅かすような行動、行為に走ったなら

私は、教育係として、失格なのだ。

さあ!走れ!キース!急がねば!

倒れ草が起き上がれば捜索はいよいよ困難になる!」


「ははっ!承知しました!」


ダンロッドは一行を見送り馬に(またが)った。


「さあ、ネイラ!

城に戻ろう!気は、すすまぬがな…」


「ハッ!」


二頭の馬が駆け出した。




続く

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