3話
戦闘シーンあり回です。楽しんで貰えたら俺も嬉しい
「呆気ないな」
男の名前はマカセ。海外の魔法使いだ。そんな彼は昨日、魔法使いだけが入会出来る闇サイトの掲示板にて、
『伝説の魔神を封じ込めたランプが極東の島国、日本で発見された。所有者は◯◯県在住の一ノ瀬秋葉』
という文章と共に添えられた秋葉の写真が載ったのだ。それを見て日本へと向かった魔法使いの1人だ。
「所詮は偶然ランプを手に入れた一般人か」
そう言って死体からランプを取ろうと思い歩み出そうとするが、
「ゲホゲホッ! 俺、生きてる?」
「生きてるぞ」
煙の向こうから声がして歩むのを止める。
「生きていたのか。どうやら魔神の力で何かしらの力を得たようだな。それならこれでどうだ!」
先程よりも威力を上げた火の玉を5つ作り出して発射する。煙が晴れて5体満足で現れた冬華は、
「ほい、ほい、ほい、ほい、ほいっとな」
素手で5つの火の玉を上空へと吹っ飛ばす。吹っ飛ばされた火の玉は上空で大爆発を起こす。
「なっ! 何だそれは! 素手で俺の魔法を弾くだと! そんな馬鹿な事があるか!」
そう言って今度は馬鹿デカい火の玉を放つ。それに対して冬華は大きく息を吸い込んで、
「ふ〜」
息を吐く。それだけで火の玉は消えてしまう。これには、
(うわ〜かわいそう)
命を狙われている側の秋葉も同情してしまう。それど同時に、
(今日1日は俺の可愛い妹を演じていたけどやっぱり中身は魔神なんだな)
と悲しくなる。それが顔に出ていたのか、
「ごめんね。お兄ちゃん。こんなの理想の妹さんじゃないよね。だけど今はお兄ちゃんの命優先だから」
冬華は謝りマカセの方を向く。
「現代を生きる魔法使いってお前だけ? それとも他にいるの?」
「答える義理はないな」
そう言って先程の馬鹿デカい火の玉を10個作り出すマカセ。
「それもそっか。ならぶっ飛ばしてから聞き出すまでだね!」
そう言って駆け出す。
(速い! だがそれは悪手だ! 主がガラ空きだぞ!)
冬華が駆け出した事により秋葉の守り手がいない。そこに作り出した火の玉全てを放つ。
「馬鹿だね〜。何の対策もなく突っ込む訳ないでしょ」
「はぁ?」
冬華の言葉の意味を理解する前に理解させられた。作り出して火の玉全弾が秋葉に届く事なく消滅した。
「主の周囲には攻撃魔法を自動消滅させる結界を展開してある」
「だが! それだけの結界を使用しながら俺の展開している防御魔法を突破出来るか!」
瞬時に防御魔法を展開するマカセであったが、
「魔力同調完了」
展開した防御魔法に使われた魔力が吸収されて冬華の拳に集まる。
「これが最古の魔法拳法だ!」
「なんじゃそりゃー!!」
顔面ストレートを受けて錐揉み回転しながらマカセは吹っ飛んで人払いの結界により出来ていた見えない壁にぶつかりヒビが入る。
「良し、お兄ちゃん逃げるよ」
「あ、あぁ」
冬華としては他に狙う者がいるのか聞きたい所ではあったが時間がないので逃げる事を選択した。そうして家に帰ってから、
「お兄ちゃん、大丈夫?」
「お前のおかげでな」
「それを言うなら助けれたのはお兄ちゃんのお願いのおかげだよ。国内の記憶操作にはメチャクチャ魔力を使ったけど残り2つの願いは記憶操作の半分しか使ってない。そのおかげであたしには魔力が残っている」
「マジかよ。運が良いのか。悪いのか」
「良いと思うよ。お兄ちゃんが別の願いを叶えてあたしがランプにまた封じ込められたとする。100年のインターバルがあるとはいえどんな願いでも叶えられるランプなんて誰だって欲しがる。それこそ今日みたいにお兄ちゃんを殺してでもね。そういう意味でもあたしがこうやって守れる状況にいるんだから運は良いよ」
「そっか。そうだな。だけどさ」
「言いたい事は分かるよ。多分これからも狙われ続ける」
「だよな。さっきの奴だって殺した訳じゃないだろ?」
「殺すつもりではあったけど弱体化してる今の体じゃ無理だった。でも力の差を見せたんだ。当分は襲って来ないよ」
そう言って何やら空中に文字を書く冬華。
「何してんの?」
「防御結界を家の敷地内にかけてる。お兄ちゃんとあたし以外の人間が許可なく入ろうとしたら雷撃が走るようにした」
「魔力は大丈夫なのか?」
「問題なし。あたしの魔力はさっきお兄ちゃんを守った結界ですっからかんになったけどさっきの奴の防御魔法から魔力を吸収したからそれで補えるからこうして今の内に結界を展開する訳なんだよ、、、、これで完成!」
結界が展開された。これで家の敷地内の守りは完璧だ。
「とりあえず今日はもう外出出来ないよ。魔力がないからお兄ちゃんの周囲に結界を展開出来ないから」
「言われるまでもなく外出する気はないよ。色々あって疲れたし夕飯食ったら風呂入って寝るよ」
「そうだね。あっ、一緒にお風呂でも入る?」
「そういう揶揄い方をする妹はNG」
揶揄って来た冬華にデコピンをする。
「いた〜い」
「妹とのお風呂イベントは入浴中の妹に気づかずに俺が入って「きゃ〜お兄ちゃんのエッチ〜」が理想だ」
「ガチキショい」
「魔神の声になんな。妹の声で言われるよりも傷つく」
「テヘッ♪ うっかり素が出ちゃった。許して」
「うん。許す」
「やった〜、お兄ちゃんってばホントチョロい」
なんて会話をする裏側で、
「クソ。流石に伝説の魔神。簡単に手に入れるのは無理だったか」
路地裏にてマカセが壁を背もたれにして座り込む。
「だがあの力を手にしたら俺たちが魔法使いのトップになれる。そうだろ? 兄貴」
暗闇から紫髪の男が現れる。
「全くせっかちな弟だ。兄貴の事を待てねぇのか」
「ごめんよ。だけど兄貴に楽させたいんだよ」
「楽ねぇ」
間を置いてからマカセの顔面に拳を叩き込む。
「ガハッ! な、何で」
「何でじゃねぇよ! テメェが先走ったせいで相手が警戒を上げるかもしれねぇだろうが! テメェは楽させるどころか苦労を増やしてんだよ!」
そう言ってマカセを地面に何度も叩きつけて気絶させる。
「しかし、こんな出来の悪い弟を見捨てられない俺はとても懐が深い。そんな俺にこそランプの魔神は相応しい」
まだまだ秋葉と冬華の春休みは終わらない。
マカセを倒したと思ったら兄貴が登場! 次回もお楽しみに!
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