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プロローグ3



残った【適正・スキル】の項目を確認する。

そこには【ユニークスキル】と【スキル】、【魔法適正】の項目が内包されていた。


試しに【スキル】を開くと画面に収まりきらない量のスキル名が並んでおり、スクロールするように閲覧出来る事が分かった。

この段階でうんざりし、一旦項目を閉じて【ユニークスキル】を開く。


[ 全魔法耐性 吸収 予知 メルトダウン 奪取 悪食 コピー 健康体 不死 圧縮 解凍 収集 合成 死靈魔法 空間創造 改造 限界突破 封印  栽培 付与魔法…… ]


【スキル】の画面ほどではないが、多種多様なスキルが一面に浮かぶ。

どうやら先程と違い、選択せずとも意識すればそのスキルの消費ポイントが分かるようだ。


さすがにユニークスキルとは有用なものなのだろう、必要ポイントが多く、30P〜400Pと膨大であった。


(そういえば最初の画面、負がどうたら不吉なスキルが書かれていたな。確か、固有スキルだったか?ユニークスキルとは違うのか。

デメリットがありそうな気がするし、だとしたら不味い。何か相殺、せめて緩和できるようなスキルってないものかね)


何か負の名前のついたスキルに干渉できるもの… 

そう願い探していると、いくつかのスキルが淡く光った。


検索機能みたいなものだろうか。何であれ今は時間が限られているので有り難い。


[ 反転 解放 制御 昇華付与 ]


関係ありそうなものからそうでないものまで浮かんでいた。正直どれが適切かなど分からない。


(ポイント消費もべらぼうに多いな。間を取ってこの130Pになっている《昇華付与》ってスキル、試しに選択…  あっ!!?)


スキルを選択した途端、《制御》の文字がグレーアウトした。同時に、自分の中に何かが流れ込むような感覚があった。


慌てて解除しようと試みるが、何も変化がない。どうやらこの項目では、一度スキルを選択すると取り消すことが出来ないらしい。


(あぁぁ〜っ、やってしまった、完全に想定外だ。確実に取る予定のもので試すべきだった。今更だし仕方ないか…。

気を取り直して… お、成長性拡大ってのがあるじゃん。これは絶対にとっておかないとな)


成長性に関わるスキルは必須である。80Pだった。

他は一度冷静になってから決めよう。



項目を変えて、【魔法適正】を開く。


無、火、水、風、土、氷、雷、光、闇、空間。魔法はこの10種類の属性に分類されるようだ。

他にもあるのかもしれないが、記載されているのはこれだけだった。


正直全部の是奥性取りたいところなのだが、なんとそのポイント消費である。

無属性こそ10Pと良心的だが、火、水、風、土属性は各50P。氷、雷、光、闇属性は各100P。空間属性に至っては150Pである。

全部取得するにはとても足りない。


(せっかく異世界に行くのであれば魔法は使ってみたいんだがなあ。ポイントが足りるようにいくつかの属性に絞るしかないよな。使いたいものを選ぶか、将来必要な構成で考えるか…。

つーか情報が足りなすぎて魔法がどんなものかも分からない以上下手に選べ… 待てよ?)


そこで俺は閃いた。一旦項目を閉じて、【スキル】、いや【ユニークスキル】の項目を開く。


検索をするような気持ちで見ていたら、目的のスキルだけがピンポイントで浮かび上がる。どうやら検索機能まで備わっているらしい。


《解析》… 100P


迷わずこれを取得した。その状態で、グレーアウトした《解析》という文字を調べる気持ちで注視する。


※《解析》… 《鑑定》の上位スキル。物の詳細を把握する。生物に対して使用するとステータスを確認できる。レベル依存。


よし!賭けではあったが、本当に見れた。これで最低限とはいえ知識が得られる。


《鑑定》でも良かったのかもしれないが、これの下位スキルであればもっと情報が少ないと思うし、結果オーライとしとこう。

最初に気づいていれば悩まずに進めることができたのだが、過ぎたことだ。


一つ手前の項目に戻り、【魔法適正】の文字に目を向けて解析する。


※【魔法適正】… 魔法を使用する上で必要となる。適正を持たない属性については、生活魔法を除き魔法を生み出すことが出来ない。


なるほど、不明な点が多いが概ね予想通りだ。それにしても生活魔法ってなんだ?

【スキル】の項目を開き検索をかけるが、見つからない。すると【ユニークスキル】のほうで見つかった。再び鑑定で調べる。


※【生活魔法+】… 生活を助ける魔法が使えるようになる。全ての魔法属性を扱えるが、その威力は使用者の魔力に依存し、精度はイメージと熟練度によって決まる。


(これはすごい!このスキルさえあれば魔法適正いらないんじゃね?名前的に強力な魔法ではなさそうだが、魔力を鍛えればなんとかなりそうだし。適正は諦めてこれを取得しよう)


150Pとかなり高かったが、十分元が取れる、筈だ。

あと、無属性だけは念の為適正を取得しておいた。ポイントが低かったのもあるが、保険としての意味合いが強い。


既にポイントは《昇華付与》130P《解析》100P《生活魔法+》150P《成長率拡大》80P、無属性適正10Pの計490P消費しており、残ポイントは僅か40Pである。


ようやくここまで終わった。

だが、思った以上に集中していたようだ。

ここまでにかなり時間がかかってしまい、既に意識が朦朧としている事を自覚した。


自分が何故この場にいるのかさえ思い出せない。数秒後には意識がなくなってもおかしくない程だ。


(もはや時間は残されていないか…、せっかく解析のスキルが使えたのにな。

せめてあと少し、ポイントを使い切るまで意地でも持たせてやる)


残りは通常のスキルをいくつかとって終わらせよう、と思いながらも【特殊称号】の項目を後に回していたので再度確認する。

確か生まれを平民のままにするか貴族に変更するかで悩んでいたが、今のポイントでは男爵ですら微妙に届かない。


ポイントが足りる称号を確認しながらも碌なものがない。

諦めるか――とそのとき、一つだけ異質なものを見つけてしまった。


(これ、40Pだ… )



まともな状態であれば、この状況で俺が絶対に選ぶことのないものだった。


しかし既に思考力が奪われていて焦っていたせいか、それとも何か天啓が働いたのか。


俺は躊躇う事無くそれを選択していた。





『 初期設定が完了しました。内容を確定します。


固有スキル《負の鎖》の更新処理が完了した為、反映を行います。

ユニークスキル《昇華付与》の干渉が確認されました。

《昇華付与》が消失し、《負の鎖》の昇華が実行されました。

…固有スキル《負の鎖》は固有スキル《負の天鎖》として変質しました。


 ステータスの反映を行います。


 ======================


 名前 未設定

 種族 人族

 性別 男

 年齢 未設定

 職業 未設定

 LV: 1


 HP:10  ( Max )

 MP: 5 ( Max )

 筋力:5  ( Max )

 魔力:5  ( Max )

 耐久:3  ( Max )

 敏捷:4 ( Max )

 器用:7  ( Max )

 運:100


 【固有スキル】

 《負の天鎖》


 【ユニークスキル】

 《解析》《生活魔法+》《経験値・熟練度増加》

《言語理解》


 【スキル】

 直感Lv2 不屈Lv5 身体強化Lv1 思考加速Lv1

 苦痛耐性Lv3 精神耐性Lv2


 【称号】

 転生者


( ※特記事項… 記憶保持 / 称号:ランダム / 魔法適正:無属性 )


 ======================



…F-38世界アルカディアへの接続が完了。


まもなく転生が開始されます。行ってらっしゃいませ。 』



俺は、既に意識を失っていた。







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