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リューネ視点


私はリューネ。


花も恥じらう16歳。もうすぐ17歳になります。

婚期を逃していると感じる今日この頃です。


村にいた頃はおじさん達にかわいいって言ってもらってたし、同年代の友達から告白だってされたのに。

都会は女性のレベル高すぎます。グスン。


いいもん。

エルフの血が少し流れている私に、年齢なんて関係ないのです。


私は今なんと、あのブロンベルク公爵家にメイドとして努めているのです。

本来であれば一生関わる事のないお貴族様。

しかも公爵様。

少し前の自分であれば考えられないです。


私が村を飛び出して初めて王都に出た時は、あまりの華やかさに目が眩みました。

人もとても多かったです。


お金を稼ぐ宛もなかった私は、冒険者になりました。

想像以上にキツく、ランクを一つ上げるまでは乞食のような生活を強いられました。


ようやく生活に慣れたと思ったら、無茶してオーク討伐に参加して返り討ちに合います。

犯されそうになりました。

怖かったです。


冒険者業を続けられなくなった私は同じパーティーだった女の子の家に居座り、引きこもります。

最初は心配されましたが、私のだらけ振りに彼女の目は日に日に冷たくなっていきました。


私は商売を始めようと思いつきました。

そこで私のもつユニークスキル《脱水》が役立ちます。


最初は洗濯屋を始めました。

コツを掴めばシワを延ばせるようになったので、そこそこ評判が上がり、儲かりました。


そんな毎日。

ユニークスキルは使うほどに成長していきます。

私には欲が芽生えました。


干物が食べたい。

今の私ならいけると思ったのです。

試しに魚に《脱水》を使うと、なかなかバランスを求められましたが成功です。

ギュッと旨味が凝縮されています。酒のツマミに最高です。


もう洗濯なんてどうでもよくなった私は、それから干物屋に転職しました。

そんなときです。お貴族様の馬車が露天の前に止まったのは。


エリザベート・ブロンベルク様。

公爵第二夫人。


雲の上のような方が私の干物の評判を耳にして訪れたそうです。

これが切欠で、馬が合った私達はとても仲良くなりました。

マブダチです。


それから1年くらい交流を続けたある日。

エリザ様が家に来られました。

どうやらご懐妊らしいです。

わー、おめでとうございます!


生まれる子供の為に専属のメイドをさがしているらしいです。

私に頼みたいと仰いました。ええぇぇぇ!?


私が呆けている間に、いつの間にか屋敷に連れて来られました。

強引すぎますよエリザ様。

え?いえいえ、迷惑なんて、むしろとても嬉しいです。

ただ恐れ多いだけで。


そんなこんなで私はメイド修行を終えて、エリザ様の出産をサポートしました。

干物を作る時間は頂いています。

出産直前になると不安になってしまったエリザ様。

私の狼狽っぷりを見て、何故か緊張を解かれました。

酷いです。


無事、赤ちゃんが生まれました。

この方が私がお仕えする方。アルフ坊ちゃまです。

とても可愛らしいです。


くりっとしたお目々に柔らかいほっぺ。

髪は灰がかった白色で、渋かわいいと思いました。

ただ、いつもどこか疲れた表情に見えるのが気にかかるのですが…。


そんな坊ちゃまも、数日経つと元気になりました。

あまり泣かないのでエリザ様は不安がっていましたが、私には元気だと分かります。

ふふん。


坊ちゃまは初め私に関心を見せませんでした。

ある時から慣れたのか、私に触れてはしょっちゅうイタズラを仕掛けるようになりました。


大変になったのは、坊ちゃまがハイハイを覚えた時です。

なんと坊ちゃまは2ヶ月でハイハイを覚えました。

すごいです!

こんなに早く出来る子はエリザ様も聞いたことないそうです。

さす坊ちゃま!

ちなみに私が生まれたときは1年くらい動こうとしなかったらしいです。


坊ちゃまは私が部屋から離れると必ずといって良いほど部屋を抜け出しました。

ドアが閉まっているのにどうやって出ているのでしょう。

きっと頭がいいのだと思います!


いつ怪我をされてもおかしくないので、さすがの私も警戒しました。

そして部屋を離れた振りをして、入り口に脇に待機しました。

ふふふ、家政婦は見るのです!


しかし予想に反して、坊ちゃまは部屋を出ません。

寝ちゃったのかな、とそーっと部屋にはいると坊ちゃまは

寝息をたてていました。


私は取越し苦労で今度こそ昼食に向かいました。

しかし帰ってくると、坊ちゃまが消えてる!


坊ちゃまの名前を大声で呼び、探し回ります。

全然見つからずに私は泣きました。

するといつものように坊ちゃまが現れ、笑顔で私の元にハイハイしてきました。


素早く抱きしめて、泣きじゃくる私。

坊ちゃまは私の頭を撫でて下さいました。


女が泣かないと顔を見せてくれないなんて、イケナイ子です。

将来は女泣かせのプレイボーイ間違いなしです!



最近は坊ちゃまの誕生日を終えられたところです。

言葉も話して下さいます。

最初は「りぅーね」と呼んで下さいましたが、今では「るー」と呼ばれます。

あだ名を頂いてしまいました。嬉しいです!

発音が面倒だから、じゃないですよね?



こんな可愛い子が別館にいなきゃいけないなんて。

もっとマグナス様の愛情ももらって、健やかに育ってほしいです。

でも仕方ないですよね。

マリアナ様、怖いですもん。

本館で生活なんて、胃に穴が空きそうです。

それに、もし本当にあんな事になったら…。


こうなったらもしもの場合でも坊ちゃまは私が育てます!

リューネ大好きっ子に育ってもらうのです。うふふ。


エリザ様より大好きって言わせてみせますよー!




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