正妻と兄フリード
誕生日パーティーが始まった。
父マグナスは厳つい顔をしながらも、エリザから盛りだくさんに語られるアルフの近況を優しげに聞いている。
それを尻目にアルフはリューネに抱っこされてミネストローネを食べさせてもらっていた。
塩気が足りないが、素材がいいのか中々うまい。
珍しい光景に興味津々な風を装い、周りをキョロキョロ見ながらアルフはコソッと《解析》した。
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名前 フリードリヒ・ブロンベルク
種族 人族
性別 男
職業 無職
年齢:4歳
LV: 1
HP: 30
MP: 8
筋力:10
魔力:7
耐久:6
敏捷:7
器用:5
運:25
【ユニークスキル】
【スキル】
雷魔法Lv1 土魔法Lv1 短剣術Lv1
体術Lv1
【称号】
ブロンベルク公爵家
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正直、アルフは兄フリードの弱さに愕然とした。
ステータスを1割に落とした自分より少し強い程度。
スキルも少ない。
これが普通の子供のステータスなのか、それとも兄が弱いのか。
アルフは少し心配になった。
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名前 マリアナ・ブロンベルク
種族 人族
性別 女
職業 結界士 公爵夫人
年齢:24歳
LV: 20
HP: 278
MP: 361
筋力:65
魔力:137
耐久:74
敏捷:95
器用:103
運:36
【ユニークスキル】
《光操作》
【スキル】
光魔法Lv4 魔力操作Lv2 魔力感知Lv1
嗅覚強化Lv2 危機察知Lv1 護身術Lv1
調合Lv3 光耐性Lv2 毒耐性Lv3
麻痺耐性Lv1 睡眠耐性Lv1
【称号】
モンベリアル伯爵家 ブロンベルク公爵家
光の御子
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マリアナ。この人が公爵第一夫人。
つまり、母エリザは第2夫人だったらしい。
側室というやつだ。
考えてみれば、貴族のトップなんだ。
側室や愛妾くらいいなければおかしいのかも知れない。
だがアルフは仲睦まじく励んでいたマグナスとエリザを見て育った為、他にも妻がいるなんて露ほども考えなかった。
しかも実はフリードは、マリアナの息子らしい。
アルフにとっては腹違いの兄である。
エリザが自分の息子のように話すものだから、すっかり騙されてしまった。
アルフに構ってばかりなので、兄が拗ねないかと無駄に心配していたのだ。
彼女のステータスは高いのかよく分からないが、スキルが多い。
レベルが低めなのが多いが。
とりあえず光魔法特化の人とだけ覚えた。
職業が公爵夫人となっている。エリザにはなかった筈だ。
第一夫人だけなのか?
元は伯爵令嬢か。エリザは侯爵令嬢。
家格的にマリアナのほうが低いはず。
正妻で大丈夫なのか?
パッと見る限りだと、家族の関係性は然程悪くないみたいだ。
フリードはともかく、みんなニコニコ会話している。
しかしアルフには、マリアナが偶に彼を視界に収めたときに、どことなく睨んでいるように感じるのだ。
なんだかドロドロした背景がありそうで怖い。
母エリザはアルフの事を自慢しながらも、フリードも分け隔てなく可愛がっている。
確かにアルフとしても、大人目線でみればフリードはかわいいと思う。
エリザはやや嫌がっているフリードの手を引き、アルフの前まで連れてきた。
「ほら、もっと近くで見てあげなさい。アルフもきっと会いたかった筈ですよ?」
「ちょ、ちょっとエリザさん。やっぱりいいよ俺は。なんかこいつすごく小さいし。うわ、こっち見るな!」
フリード、タジタジである。
強気そうな割にエリザに対しては素直な印象で、少なくとも嫌ってはいなそうだ。
フリードは文句を垂れながらもアルフにビクビクと近づいて行き、頭のほうに手を伸ばそうとしては引っ込める。
拉致があかないので、彼の手が近づいた時を見計らってその指を握った。
「ぎゃーーー!?に、握られた!!エリザさんどうしよう!?」
「ふぅ、なんて可愛いのかしらアルちゃんは。ちょっとフリード、少しは落ち着きなさい。指を握られるなんて羨ましいじゃないの!」
これ以上ないってくらい狼狽えている。
アルフはリューネに続く逸材が来たなと思った。
とても弄りがいがありそうだ。
「この子が貴方の弟なのです。お兄ちゃんになったんだから、アルちゃんが尊敬するような立派な姿を見せてあげてね」
「は、はい。よう、お前…えーと、アルフ!
俺様はいつか父上のようなかっこいい剣士になるんだからな!お前も俺をもっと敬ってもいいぞ!
あと俺の弟なんだから、兄上と呼べよ!」
フリードはふんぞり返って腰に手を当て、俺を指さす。かわいい。
「ふぃーどー」
「こ、こいつ喋ったぞ!ん、俺の名前か?そうじゃないぞ、フリード様だ!」
「ふぃーどちゃぁ」
「おい!お前フリードちゃんって呼ぼうとしたろ、分かるんだからな!
くっそ、エリザさんの真似かよ…。ちゃんと呼べ!」
「ちゃぁ」
「いや、ちゃんと呼べってそうじゃなくて…もぉぉ!!」
やはり反応が香ばしい。
アルフはひと仕切り兄で楽しんだ。
しかし、マリアナの視線が痛い気がする…。
父マグナスもついでにもう一度鑑定した。
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名前 マグナス・ブロンベルク
種族 人族
性別 男
職業 重剣士 公爵当主
年齢:35歳
LV: 39
HP: 1384
MP: 213
筋力:346
魔力:125
耐久:367
敏捷:244
器用:236
運:21
【ユニークスキル】
《鉄魔法》 《装甲》
【スキル】
土魔法Lv4 魔力操作Lv3 魔力感知Lv1
身体強化Lv5 視覚強化Lv2 格闘術Lv4
重剣術Lv6 盾術Lv3 見切りLv2 挑発Lv2
威圧Lv2 強打Lv3 気配察知Lv3 騎乗Lv2
麻痺耐性Lv2 疲労耐性Lv3
【称号】
ブロンベルク公爵家 戦鬼
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めっちゃ強い。
母エリザと比較してもレベル・スキルともに圧倒している。
フリードの話だと、この国の騎士団長にも勝った事があるらしい。
そう考えるとやはりこのステータスはかなり強い部類で正しいのだろう。
アルフが前に鑑定した執事のロバートよりも強い。
彼はレベルもそれなりだったが、スキル構成がヤバかった。
暗殺系のスキルがこれでもかとあり、他国からのスパイではないかと怯えたものだ。
実際は選りすぐりの公爵家の隠密で、ロバートはアルフを可愛がっていたが。
生後1年となり、家族との邂逅。
アルフは一先ず、この父のステータスを目標に努力している。
一先ずも何も、マグナス以上の強者など、この国には数えるほどしかいないというのに。




