魔力修行とスキル
最近のアルフは、魔力の操作と制御に充填を置いて訓練している。
魔法の使用は人前では難しいので、控えている。
最も、イメージさえあれば発動できる為、どんな魔法が使えるかと日々妄想しながらレパートリーを増やしているが。
アルフの母エリザは『魔力感知3』のスキルを持っている。
このスキルはアルフも取得したから身を持って体感しているが、他人の魔力でさえ感知出来る。
今のところ属性までは判別出来ないが。
これはつまり、エリザに対してアルフの魔力の異常さに気づかれる恐れがある。
直接彼女の前で魔法や魔力の使用は普段から避けているが、『鎖』や他のスキルを使った事はあるのだ。
たぶんエリザは何度か感知した節がある。
だが、アルフの持つスキル『隠蔽』が功を奏していた。
彼はエリザのステータスを鑑定したときからこの危険性について憂慮していたので、漠然ではあるが、「魔力を隠したい〜」と思いながらスキルを使っていたのだ。
そうしているうちに早い段階で『隠蔽』が取得されており、スキルを使った程度ではエリザが反応する事は少なくなった。
しかしどうにも違和感は感じるようで、アルフを抱きながら「なんだか落ち着かないわね…」と漏らしていた。
冷や汗ものである。
少し前には『鎖』を解放した魔力が周囲に溢れてしまい、エリザが「敵襲よ!」とばかりに夜に騒いでしまった。
ちょうど離れた位置に彼女はいたらしく、魔力発生源がアルフの部屋とまでは気付かずに事なきを得たが。
あの日から数日屋敷は警戒体制に入り、リューネも今まで以上に付きっきりになった為にアルフの肩身は狭かった。
そんな事情も含め、何より今のアルフは魔法をバレずに使いたいという魂胆があるので、エリザにバレないだけの魔力制御を獲得する事が急務なのだ。
今の彼は常日頃から自分の魔力を押し殺し、周囲に拡散しないように心がけている。
少しずつではあるが体内魔力をある程度移動させながらでも魔力を隠蔽出来るようになった。
この調子で魔力を放出する際にも隠蔽出来るようになれば、母にはバレないはずだ。
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名前 アルフレート・ブロンベルク
種族 人族
性別 男
職業 無職
年齢:0歳
LV: 1
HP: 17(172)
MP: 23(235)
筋力:5 (59)
魔力:5 (51)
耐久:4 (42)
敏捷:5 (56)
器用:6 (68)
運:100
【固有スキル】
《負の天鎖》
【ユニークスキル】
《解析》《生活魔法+》《成長性拡大》《言語理解》
《自己回復》
【スキル】
直感Lv2 不屈Lv5 無属性魔法Lv2
身体強化Lv3 感覚強化Lv4 思考加速Lv2
魔力感知Lv2 魔力操作Lv3 魔力制御Lv1
気配察知Lv2 気配遮断Lv2 隠蔽Lv2
受け身Lv3 跳躍Lv1 苦痛耐性Lv5 精神耐性Lv3
【称号】
転生者 *** ブロンベルク公爵家
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ステータスもリューネに届きそうな程に成長している。
毎日凝りもせず魔力枯渇を起こして気絶しているせいか、MPの伸びが良く、最近はバレないように魔力を全放出するのに苦労している。
スキルについてもいくつか新しく獲得出来たし、順調に成長している。
レベル2まではどんなスキルもすぐに上がるのだが、レベル4あたりから相当な熟練度が必要なのか、中々伸びなくなる。
新しいスキルは、最初に調べていなかったものも含めて《解析》で鑑定してある。
《自己回復》… 時間経過に伴うあらゆる回復力が向上。
『無属性魔法』… 属性を帯びない魔力を用いる不可視の魔法。
『感覚強化』… 魔力または気力を消費して五感を強化する複合スキル。
『魔力感知』… 魔力を感知できる。レベルに伴い感知できる範囲や精密度が増大する。
『魔力操作』… 魔力の操作性が向上する。
『魔力制御』… 魔力の効率と遮断性が向上する。
『気配察知』… 気力を消費して周囲の気配を感知する。
『気配遮断』… 気力を消費して己の気配を隠蔽する。
『隠蔽』… 存在力を低下させ、露見を防ぐ。
『受け身』… 衝撃を受け流す技術が向上する。
『跳躍』… 跳躍力が向上する。
『苦痛耐性』… 苦痛に対する耐性が向上する。
『精神耐性』… 精神的なストレスに対する耐性が向上する。
一番ヤバイのが、《自己回復》。
もともとは通常スキルとなっていた。HPの回復速度が上がり、普段受けている苦痛を緩和する効果がある便利なものだった。
しかし『鎖』の解放によって瞬間的に己が活性化される現象を繰り返す事で、何故かこのスキルの熟練度がみるみる内に上がっていく。
そして決め手となったのは、ある日風邪気味になり、アルフは看病を受けながらも当日の夜に鎖を放したら治ってしまった。
その翌日にたまたまステータスを見ると、通常スキルからユニークスキルへと転身していたのだ。
HP,MPから状態異常まで回復しやすくなる代物になった。
転んだときに出来た擦り傷も、1時間程で完治していた。チートである。
無属性魔法については鑑定してもやはり良く分からなかった。
風属性や空間属性だって不可視じゃないのか?
そして新たに出てきたワード、『気力』。
体力的な消耗か何かだと仮定している。
『気配遮断』や『気配察知』で気力というものに無意識に触れていたのか、『感覚強化』でも気力を使えるらしい事が分かった。
今の所扱えてはいないが。
『隠蔽』というスキルはなんとなくで習得してしまったので未だに謎なのだが、これは『鎖』が関係していると睨んでいる。
『隠蔽』の使用感は、なんとなく『鎖』から感じる存在感の無さに近いものを感じるのだ。
ちなみに、気配や魔力をスキルで遮断する場合は、力を留めて抑える、という感覚なので使用感が全然違う。
『隠蔽』との併用も可能で、劇的に隠密力が向上するのだ。
『受け身』や『跳躍』スキルについては完全なるパッシブスキルである。
使えば普通に体力は減るものの、魔力も気力も消費しないようだ。技術スキルと言ってもいい。
耐性スキルは最近レベルが上がらない。
今も鎖によって苦痛は感じているが、昔とは比較にならないくらい楽に感じているので、不都合はないと思っている。
※
そんなこんなでアルフは魔力の修行を進める。
1ヶ月程頑張った。
ある程度魔力を制御が出来、無属性魔法を使っても魔力を遮断出来るようになった。
アルフのマイブームは、「怪奇現象」。
自分から出来るだけ離れた場所まで『鎖』を伸ばし、物を動かしたりして、人を驚かせるのだ。
今の鎖の有効範囲は10m程度。
どういう原理で伸びていってるのか分からないが、初期の2mから随分と成長したものだ。
広い部屋といえど、隣の部屋や廊下くらいまでならなんとか伸ばせる。
物を一時的に隠してから戻したり、こっそり移動させたり。
ドアや壁を挟んでいるので、万一にもアルフの仕業だとバレる事はない。
見えなくても意外とイケるのだ。
『気配察知』と『魔力感知』で人の状況を、鎖で触れてなんとなく物の状態を把握できる。
直接人が見ている前では、極偶にしかやらかしていない。
以前使用人が落としたハンカチを鎖で偶然察知したので、浮かべて渡してあげたら発狂し出したのである。
さすがに自重するようになった。
正直、今のアルフは精神的にとても幼稚になっている。
本人は肉体が赤子になった所為で精神まで影響を及ぼしているだと捉えて言い訳している。
だがそれだけでなく、『鎖』のスキルを初めて使った日、人生観を変えた事を切欠にものすごく楽観的になった事も大きく影響しているのだ。
まあ、楽しそうなので悪い変化ではないのだろう。




