第一瘴気溜まり発見??
よろしくお願いします。
人生二度目のリアルorzです。
ぎもぢわるい…。
心配そうにしてるピアに姫抱っこされても気にしてられず、テントを出してもらう。
なんとか気力を振り絞ってピアにはストックしていたハムとすいとんもどきを放出。ポニーにはいつもの水と人参、ソックスは嗜好品でいいので飴とチョコレートを渡して、俺はテントの中に引っ込ませてもらう。
宛がわれてる二階の部屋に行く気力もなく、リビングのラグに倒れ込む。
「マジかぁ~~」
経験はないけど、マウンテンバイクで岩山を登ってる感じかな?それもかなりの速さで。
しかも他人任せにアップダウンしてるから余計にひどい。
どれぐらい進んだか分からないけど1日中は無理だ。
結界も万能じゃなかった事が分かった悲しい事実。
風魔法でちょっと尻を浮かすなんてそれで済む上下運動じゃないし、衝撃吸収しても尻が痛くならない程度で浮遊感とかありまくりだから気持ち悪くなるのは変わらない。
目を閉じて悶々と考えてると、どれだけ経ったのかピアがテントの中に入ってきた。
「ケン、具合はどうだ?」
「う~ん、気持ち悪いのは大分落ち着いてきたかな…。悪いな、折角乗せてくれたのに」
「いや、俺こそケンが馬に乗った事ねえの忘れてたわ。しかもポニーには普通の馬に乗り慣れてるもんでも難しいらしいからな」
ピアはラグの側のソファーに腰掛けながら、マジックバッグからコップと薄桃色のオレンジの様な果実?を取り出した。
「具合悪ぃのに悪ぃけど、これ浄化してくんねぇか?」
そう言って果実を差し出すので、軽く浄化してやるとおもむろにコップの上でその果実を握り潰した。
ギョッとしてる間に果実から青色の果汁が滴り落ちコップを満たしていく。元の世界では考えられない色味だな。(青汁の様に緑とかじゃなく本当に青!)
「これちょっと酸っぺえけど、気持ち悪ぃのマシになると思う。ポニーが見付けて来てくれたんだ」
そう言ってその得体のしれない物を差し出してくる。
心配してくれてるし受け取らないわけにいかないけど、まず鑑定するよね?
【青桃の実(ケン翻訳)レモンとグレープフルーツを足した様な味。クエン酸に似た物が含まれている為ムカつきに効果有り(個人差有り)】
クエン酸か…、色はあれだけど折角だし物は試しだな。
礼を言って受け取りちょっと舐めてみる。
ほんのり苦味とレモンの様な酸っぱさだな。ドレッシングにも使えそうだ。あと炭酸なんかで割ってもよさそう、炭酸ないけど……
「あっ」
コーラがあったよな?
コーラに少し入れてみるといいんじゃないか?
俺はマジックバッグからコーラとコップを出し、青桃の果汁と割ってみる。
ピアにもお裾分けだ。
おっ、なかなかいけるな。炭酸を飲むとちょっと胸がスッとした気になる。
レモンコーラってあるもんな。何よりコーラが黒いから青桃の青が目立たない。色見大事!
「ふぁっ、エールみてぇなのに甘いっ!なんだこの黒い飲み物は?あ、その入れ物って元の世界のもんか?そんな貴重な物俺に飲ませていいのか?」
「ああ大丈夫、マジックバッグにたくさん入ってるから」
(という事にしとこう。無限に補充されるのはさすがにヤバいからな)
「ケンと一緒にいるとうめぇもん飲み食いできて得だな!」
うん。【勇者だから】より健全だよな。
…さて、ついでに明日からの話でも。
「今日って結局どれぐらい進めたのかな?」
「今までのペースで考えると大体5日分くらいじゃねぇかな」
おおっ、偉い目にあっただけの事はあったのか!スゲェなスレイプニル!
しゃあない俺も覚悟を決めるか。
「あのさ、正直ポニーに乗るのは1日中は無理だ。だから朝ゆっくり目に徒歩で出発して昼飯を挟んでポニーに2、3時間進むのでどうだろう?」
「俺は構わねえけど、ケンは大丈夫なのか?」
「まぁそこは深遠の森を年単位でさ迷うよりはな。でもポニーに乗った後は今日みたいな事になるから飯は当分朝作り置きして俺のマジックバッグに入れとこうと思う」
それを聞いてピアはホッとしたようにふにゃりと笑った。
「ありがてぇ、俺はもうケンの飯がねぇと生きていけねえからな!」
誉めても何も出ないんだからな!っとツンデレ?してみる。
まぁ面倒だけどしょうがない。俺は面倒臭がりで小心者だけど後でゆっくりしたいタイプなんだ。小学校の時、夏休みの宿題はこれでも先に済ます方だったのだ。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
それから3日程、ピア談によれば徒歩で15日程の距離、変化が出てきたように思う。
暫く行くと魔獣が出てくる数が減った。その代わり魔植物が増えてるのかな?サボテンぽいのから(一定以上近付くと針をとばしてくる)、アサギリソウを巨大化したようなもの(うっかり触ると覆われている白い毛で相手を包み込んで取り込む)と様々あり魔植物だけに寒暖もお構い無しのようだ。
ふっと見ると同じ位の目線の所にある幹に人の顔の様な樹の洞があったときにはマジびびった。しかもニヤリと笑われて思わずポニーにしがみついてしまった。襟首咥えられてポイってされたけど。
ポニーと言えば、青桃のお礼を言うと『あんたが具合悪いと二人が心配するから、仕方ないじゃない』と正しくツンデレを発揮してくれた。
いろんな果実を収穫する事が出来た。その青桃や、葡萄の様に生っているのに中身はバナナの様にねっとり甘い物、スイカで地面に生っているのに柑橘類の房が有り味はマンゴーに匹敵する甘さ、それに惹かれて来る獲物を捕獲するフルーツスパイダーなる物が居るので要注意だ。俺は結界があるから大丈夫だけどね。ふふん。
それと厄介な事に地面が徐々に抜かるんできている、湿地帯の様だ。
こうなるとポニーの重量に俺たちが乗ると進んで行くのが困難になってくる。
結界に重力魔法も加えたけど歩みは遅くなる。必然徒歩が多くなる。
『ケン大丈夫っスか?』
慎重に進んでいるとソックスから声がかかる。
「ん?どうした?」
『瘴気が段々濃くなってるのはわかるんスが、結界をそんなに強めて魔力持つっスか?』
そう言われて気付いた。知らず知らずのうちに結界に込める魔力が多くなってた。無意識に瘴気の不快感を祓ってたんだな。俺がこれだけ感じてたって事は…
「ピア、ポニー瘴気が大分濃くなってるけどお前らは大丈夫か?」
「俺はちょっと体が重いくれぇで大丈夫だ」
『私はそもそもこの深遠の森出身よ、このくらいどうってことないわ』
なるほど心強いね。二人とも俺ほど不快には感じてないみたいだな。
まぁ俺が瘴気を感じるのも、魔獣に襲われるのもこの数日からの事だから慣れてないんだろうけど、慣れる気もしないけど。
だってこの湿地帯ヒルみたいなのがいて俺たちを狙ってビチビチ寄ってきてるんだ。結界に阻まれているとはいえ気持ち悪い。周りは暗くて結界の仄かな灯りだけが頼りの中、鑑定する気にもなれない。
そう思ってたのが災いしたのか
ズビュー!
と突如液体が結界に襲いかかった。反射で相手に反撃してたけど結界に初めてヒビが入った。
俺は下を見ていて気付かなかったけど、ピアが大剣を構えていて液体がかかった瞬間大剣を振り下ろしていた。
それを喰らった魔獣?が分裂した。…分裂した…?
結界の灯りを強めて見るとスライム?の様なプヨプヨした大きな魔獣が2体また襲いかかろうとしていた。
「ケン、こいつはゼリースライムって言って切りつけると分裂して増えちまう!魔法でどうにかなんねぇか?!」
うぬっ、ここに来て初の戦闘かっ!やってやんよ!
湿地帯だからお構いなしに【ファイアボール】をぶちかましてやった!
ズォォーーー!
と衝撃と熱が結界越しにも伝わってきた。
ピアが「すげぇ威力!!」と興奮してるけどそれどころじゃないっ。
魔獣にファイアボールが当たって周りが一際明るくなった時、確かに見えたんだ、恋い焦がれていたモノが!
評価、いいね、ブクマありがとうございますっ!




