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本日は休みのはずでした…

よろしくお願いします。

「ホーホッホッホッホー…」


かれこれ十分程フクロウの翁様が笑っておられます。

いや、怒ってなくてよかったんだけどさ。


その間にピアもソックスも元に戻ったんだけど、ソックスは俺の首に抱き付いて離れないし、ピアはその側でわたわたしてる。それよりも翁がずっと笑ってんだけど。


「ホーホッホッホッホー、いやぁ先の勇者殿と同じことを言うとはのぉ。この世界の文明が発達していないと言って先の勇者殿は細かな魔法制約をして指針を示したんじゃが、皆に鬱陶しがられて結局肝心の勇者召喚で期限を付けるという裏切りを犯されたのじゃ」


なにやってんすか先の勇者(先輩)っ、束縛男は嫌われるんですよ!


それでその愚行がわかった後「嘘つきやがった」と腹いせに鑑定の魔導具をすべて壊したと。その後更に「うるせー」から元の魔導具とは全然違う適当な鑑定魔法を水晶に閉じ込めてダンジョンに置いてきたと。もしかして司教が自慢してた【鑑定水晶】だったりするんでしょうか?本当に何やってるんですか先輩っ。


まぁ結局翁も賛成してくれて「街の清潔化、食糧の改善」を積極的に実施した所から順に、深遠の森の後に浄化することを各国首脳陣に神託することに決まった。

もちろん俺の事は伏せてな!


その深遠の森の瘴気溜まりは大きいモノが3箇所あって、俺たちが自然に進んでいる方角に1つあるらしい。ただこの先は当初の目的地だったジュポン国からずれてるらしく、ピアはそっと目を逸らしてた。


「勇者殿の使命の1つとして瘴気の浄化があるからの、自然とそちらに向かうのであろう」


と翁のフォローが入りました。

この後翁は神託を告げに行くため一端俺たちから離れることに。だから聞いておかないといけない。瘴気に皆が当てられないかを。


「勇者殿と小さき聖獣は自らが浄化の媒体じゃから大丈夫じゃ。赤い子とお嬢さんも勇者殿が結界を張っておれば問題なかろう」


「あ、肝心の瘴気溜まりの浄化の方法は?」


「勇者殿が魔法を使う時同じ要領でよかろうよ」


簡単すぎて不安になるなぁ。

まあしょうがない、神様の眷属を信じてやるしかないか。

すべては俺が異臭に悩まされない美味しい生活を送るために!




◇ ◇ ◇ ◇ ◇




おかしいなぁ…、今日は休みにしたはずなのに…。

そう思いながらも森に入った初日に狩ったうさぎの肉を煮込んでおります。

バターが欲しいけど無い物ねだりなので、いつもの油でニンニクをお炒めてじゃがいも、人参、玉ねぎとうさぎの肉を入れ、これまたブイオンなんてないから鳥ガラスープと白ワイン、緑のハーブブレンドの苔を乾燥させたもので一旦強火で煮立たせてから遠火にして30分程煮込む。

灰汁取りは料理する様子を側でジッと見てたピアに鬱陶しいので頼んどいた。

その間俺はソックスとお話しだ。


ソックスは翁が来てから様子がおかしかったけど、帰ってからもずっと俺の首に抱き付いて離れない。

喋りもしないから心配になる。

防音結界を張って、そっと首から離して視線を合わせる。


「ソックスどうした?なんとなく不安そうな気持ちは伝わってくるけど、折角話せるんだ、ちゃんと言葉にして教えてくれ」


目を覗き込むと不安で揺れている。なんとかしてやりたいけど原因がわからない。いい加減な慰めはしたくない。


グズッ


えっ?泣いてるのか?なんだ?どうした?えええ??


「ソックス?本当にどうした?大丈夫…じゃないから泣いてんのか?」


『泣いてにゃいっス、ちっちゃい時に襲われて鳥が怖いんしゅ!おきにゃみたいにもにょしりじゃにゃいんスよ』


かみかみでよくわからんが…


「何いってんだ、いろいろ教えてくれてるだろ?」


『おきにゃみたいに経験してるわけじゃにゃいんス。おりぇのはあの方の受け売りっしゅ!おりぇなんて…』


「ソックス!」


ビクッ


思わず低い声がでてビビらせてしまったな。


「あのな、翁が物知りだろうが、長生きし過ぎてすごかろうが関係ないんだよ。俺の従魔で相棒のそれで弟みたいな家族はソックスだけだろ?」


『おりぇ…、おりぇのがにーちゃんっスよ~』


そう言って俺の胸元に飛び込んできて頭をグリグリ押し付けてきた。

これはあれか、赤ちゃん返りみたいなもんかな?

翁を見て小さい頃鳥に襲われたのを思い出して、元々不安だったのも相まって爆発した的な。


不安に思う事はないんだぞ。

召喚された時、足元にお前を見付けてホッとしたことや念話が出来てすごく嬉しい事、ご飯を一緒に食べるのが楽しみな事、他にもいろいろあるけどお前の気持ちがなんとなくわかるように、俺の気持ちも伝わればいいな…。

たった数日だけど既にソックスお前は俺にとって代えがたい存在なんだよ。




◇ ◇ ◇ ◇ ◇




「ピア悪いな、任せっきりで」


ピアは俺がソックスと話してる間ずっとウサギを煮込んでいる寸胴を見ていてくれた。

灰汁を取ってくれていて、いい匂いもしてる。料理にも興味を示し始めていた。

つまみ食いとかしないのがまた真面目というか、そこまで考えが及ばないんだろうな。


「いや、聖獣様は落ち着いたか?」


「ああ、翁に驚いたみたいだな」


ソックスは今俺の肩に頭を預けて寝落ちしている。時々鼻をプーと鳴らしてるのがかわいい。


「なあ、聖獣様って前の世界でも従魔だったのか?」


「いや、召喚の時に初めて会ったんだ。そもそも向こうには魔法とかないからな」


「あっそうか。ケンの魔法が凄すぎて忘れてた」


まぁ俺のはチートと想像力で発動するからな。


「ケンと聖獣様って話しができるのか?」


言ってなかったっけ?これからも一緒に行動するから隠しようもないからいいか。


「念話だけどな」


「へぇ~」


ちょっと羨ましそうか?そうだよな、ポニーと喋りたいよな。

俺は言葉が通じるはずなのに無視されるか、ツンデレのツンしかないけどな。


「そういえば晩飯の後にでも魔法の練習するか?」


「するっ!」


えらい食い付きだな。まあ、昨日はあれだけ張り切ってたしな。


「お、おう。と言ってもソックスが教えるのを俺が通訳するんだけどな」


「ふぇ~、聖獣様は物知りなんだなぁ~」


そうだぜ、うちのソックスは物知りでかわいいんだ。

それより…


「その聖獣様っての止さないか?ソックスって呼んでやってくれ」


「いいのか?」


「ああ、その方がきっと喜ぶ」


名前を呼ばれて少しずつ、一個人(ネコ)として自信をつけてくれたらいいな。




◇ ◇ ◇ ◇ ◇



晩飯のメニューはウサギの煮込みと召喚される前に食べたかった豆腐ステーキ。

豆腐ステーキには大根おろしと青ネギ醤油粉を少量の水でもいたものでさっぱりと。

ウサギの煮込みは野菜とウサギからいい出汁が出てて、初めて食べるけどなかなかいけるな。ウサギの肉はなんだろ?淡白?鳥のむね肉っぽいかな?調理方法を気を付けてないとパサつきそうだから注意だな。ハムとか作ったらどうだろう?野性味がして今一かな?


そんなことをつらつら考えれるのもソックスがちょっと浮上してご飯を食べてるからだな。シンプルな豆腐ステーキを気に入ったみたいで、青ネギも普通に食べれるなんて聖獣様々だな。

ピアはピアで昼にから揚げをあれだけ食ってたのに、ウサギの煮込みは特大のサラダボウルに5杯目で豆腐ステーキも3丁目だ。豆腐ステーキそんなに食べたらさすがに飽きるだろう。青ネギと大根おろしがアクセントになってて飽きない?そうですか。マジックバッグのお陰で補充されるからよかったよ。


「魔法の練習するなら腹いっぱい食っとかねぇとなっ。ソックスよろしく頼むな!」


ソックスは謎の理論をかましたピアに目を見開いて驚いていたけど、大きく頷いて「うにゃ~」と鳴いてた。

徐々に二人が仲良くなってくれればいいな。


…ところで今日は休みだったはずだよな?




閲覧、評価、いいね、ブクマありがとうございますっ!

少しずつ増えていっているのが、とても嬉しく励みになります。

これからもよろしくお願いします。

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