卵は美味いぞ、大きいぞ!
よろしくお願いします。
ピアがめちゃめちゃ張り切っております。俺はカゴ鞄に入ってるソックスとともに俺自身が張ってる結界内にいるんだけど、今日は前方だけじゃなくそれこそ360度縦横無尽に暴れまわっております。
暴れまわってるけど、そのお陰かビビったのか魔獣が襲って来ないけど。(大剣を振り回してるだけ)
ちなみにポニーは最後尾でブフーと鼻息を吐き出しながら呆れております。
魔法を使えることがわかって張り切ってんのかな?まぁ、この世界の魔法の位置付けだと使えるってだけで「俺TUEEEEEーーーー!」ってなるかもだけど。俺には張り切る理由がさっぱりわからん。
あの話が終わってもう少しだけ進むことにしてのこれなんだけど、肉(魔獣)も逃げるしどうしたものか…。
そう考えてると、なんかどこかで聞いたことがある音?がして耳を澄ませていると
「グエエエーーーー!」
という鳥?の鳴き声が聞こえてきた。
すかさず臨戦態勢をとる。俺だけだけど。ソックスは寝てるし、ポニーは反応なし。ピアの目だけがランランとしだした。
「ビックバードだっ!!肉うめぇから狩ってくるわっ!ポニー、ケンたち頼むな!」
ええーー!あいつ近衛隊長だったくせにこんなんで大丈夫だったのか?部下の「大変だったです~」ってのが聞こえてきそうだ。
慌て追いかけるとそう遠くない所に葉を足元から天辺まで繁らせた背の低い木(と言っても深遠の森の中では)が二階建ての家程の塊で生えていた。
「えっ、魔植物?!」
『襲われないっスよ、鑑定してみてっス』
この騒ぎに起きたソックスに言われたので素直に鑑定してみる。
【かくれんぼの木(ケン翻訳)弱い魔獣や番う魔獣の隠れ家になり、それらの排泄物を餌とする。外敵に対し一定の隠匿効果有り】
おおっ、すごく平和的な魔植物だな。じゃあビックバードはピアが暴れ過ぎて威嚇に出てきたってとこかな?
その魔植物に無防備に突っ込んでいくピア。
「ピア待てっ、何が出てくるかわからな…」
と言う間もなく魔植物の間から軽トラ程もあるデカくて首の長い鳥が両羽を広げて威嚇しながら出てきた。ピアが何の躊躇いもなく大剣を横一線に振るうと鳥の頭が飛んだ。白目を剥いて鮮血を撒き散らしながら
「うんぎゃーーー!」
真面に見たっ、こえーよ、気持ちわりぃよっ!
「血抜き蒸発、浄化、クリーン、消臭…それから…」
『ケン、落ち着いてっス』
「おっ、ケンありがとな。血ぃ抜いてくれたからちょっと軽くなったわ」
そうじゃねぇわっ!と声にならない突っ込みはピアに届かず、俺の前に仕留めたビックバードを置いてまた魔植物の中に入ろうとした。
「ピア今度こそ待っ」
言い終わらないうちにまたビックバードが同じように出てきてピアが同じように首を飛ばした。
「うんぎゃーーー!」
はい、2回目です。そして血抜き蒸発、浄化、クリーン、消臭…とここまでがセット。
…めっちゃ疲れる。
「どうやら番だったみてぇだな。ならあれがあるかな?ちょっと行ってくらぁ」
疲れすぎて言葉もなくピアを見送る。ソックスが頬をよしよししてくれた。肉球が気持ちいい。
そんなに経たずにピアがサッカーボールぐらいのものを5つ抱えて戻ってきた。
「卵があったから持ってきた。これ料理に使えるか?」
「マジかっ?!ピアありがとうっ!」
今までで一番ピアに感謝だっ!
番ってことは有精卵かな?割ったらヒヨコに成りかけとかトラウマになるから鑑定さんでわからないかな?
なになに?5つとも無精卵で今朝産んだところだと。じゃあ交尾はまだだったんだなってことはいいか。超新鮮な卵ゲットだぜー!しかも浄化、殺菌、クリーンをかけると生食可だって!
俺は卵とソックスを抱きしめながら踊りだしそうだ。ソックスは迷惑そうだけど。
「ピア、これからも卵が欲しい。ただ有精卵だと触ったら親が育てなくなるって言うし(前の世界での話かな?)取りすぎると生態系?も崩すから、無精卵かどうか鑑定するために俺も取りに行くから」
「あんなに嫌がってるのに大丈夫なのか?」
「大丈夫っ!卵のためだ!」
前の世界でも卵は切らしたことがなかったんだ。
玉子焼きにオムレツ、オムライス。カニ玉、茶わん蒸しにプリン。揚げ物の衣に卵があるとやっぱり一味違うしな。米が見つかったらぜひ卵かけご飯が食べたい。あと酢があったらマヨネーズにチャレンジだ。自分たちだけで食べるならいいよな?
ポニーさんは呆れて見ていました。ブフー。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
と言うことで、本日の晩御飯はとろとろオムレツでっす!ボリューム増しと食べ応えのために挽き肉も入れまっす。
かくれんぼの木の中は住人がいなくなり、俺たちでも安全なようなのでここで夜営することに。タープキッチンを出して火の準備。その間にポニーの世話を終えたピアが手伝いたそうにしてたから、ビックバードの肉とオークジェネラルの肉をみじん切りにしてもらう。これなら出来るだろう。やり易いようにちょっと肉を凍らせる。半解凍ぐらいがやり易いんだよな。合わせて3kgほどの肉があっという間にみじん切りになった。
俺は玉ねぎを薄く…はスライスできないからみじん切りにして、卵は普通に割れそうにないから風魔法で殻を切って中身を取り出した。玉ねぎのスライスも風魔法でやってみるべきかな?
まず挽き肉を炒め軽く火が通ったら玉ねぎを入れて透明になったら、白ワイン、砂糖、塩胡椒、あと紫の苔を乾燥させて舐めてみる。ちゃんと醤油だったのでそれも入れる。
次に卵にとりかかる。牛乳がないのが残念だけどしょうがない。少し塩胡椒を入れておく。この卵大体鶏の卵の30個分ぐらいありそうなんだけど、俺とソックスの分で5個分ぐらいであとはピアの分。コレステロール大丈夫か?本人がいっぱい食いてぇ~!って言ってるので自己責任で。悪食なんで大丈夫そうだけど。
フライパンに油をひいて温まったら、卵を投入。黄身の色が濃いから絶対味が濃厚で旨いはず。即席で作った菜箸で軽く混ぜながら半熟になったら手前半分に挽き肉を入れてフライ返しで2つに。破けても大丈夫。フライパンに皿を合わせてひっくり返えせば綺麗だからな。
で、ピアに渡された皿は50cmはありそうなんだか。「そんなデカイフライパンなんかないわっ!」と言ったら出してきたよ、めっちゃデカくて重いのを。ああ、作ったさ、なんで料理すんのに【身体強化】しなきゃなんねぇんだよ。
具だくさんオムレツに昼の残りのトマトソースをかける。キャベツの千切り?を添えて。これまた残りのオニオンスープ。あと俺はやっぱり酸っぱ固いパンが嫌なのでじゃがいもを塩茹でしといた。ソックスもこっちの方がいいって。
ピアお前はそのデカイ酸っぱ固いパンが2つもあるだろ?いるのかよ。
50cmのオムレツにデカイパン2つ、オニオンスープもどんぶりぐらいの大きさの器だし、この上じゃがいもを3つも持ってった。エンゲル係数がひどいことになりそうだ。
ちなみにソックスの皿はお子さまランチ風にした。20cmぐらいの皿にミニミニオムレツ、トマトソースで肉球を描いて、じゃがいもは潰してある。オニオンスープにはとき卵と優しい味わいになってるはずだ。
両前足を頬に当て「うにゃうにゃ」言ってる。喜んでもらえてなにより。
扱いが違うって?あんなに大量に食うのにどうしろと?
ソックスは俺の癒しなんだよ。
さて実食。半熟の濃厚卵と挽き肉の油みと玉ねぎの甘さがいい感じ、口の中でとろける。じゃがいもで中和して暫く置いてさらに濃厚になったオニオンスープへ。う~ん、確かな満足。
「うめ~なぁ、半熟?の卵なんて初めてだけど、とろっとしてパサパサしてねぇし。挽き肉と一緒に食ったらたまんねぇ。パンが進むぜ!じゃがいもも塩茹でしただけなんだろ?これもすんげぇうめ~」
卵半熟で食べるの初めてなのに躊躇いなく食ったのかよ?いくら悪食でもちょっとは疑えっ。
あ~ダメだわ。後片付けとかピアに魔法の練習させるとか、いろいろあるけど妙に疲れた。
今日も何だかんだと長い1日だった。もう何もしたくない。
皆にクリーンをかけて、テントを出しておやすみなさい…。
ありがとうございました。
評価、いいね、ブクマありがとうございますっ!




