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ピアのスキルは巨人級です

よろしくお願いします。

「ピア、お前に話しておきたい事があるんだ」


いつにない俺の真剣な声音にピアは姿勢を正し、目に力を入れた。

いや怖えぇわ。威圧感が半端ない。


いかんな、俺はどうも真面目になりきれない。

今から話すのは少なくとも一人のこの先の人生が変わるような事なんだから。いやもう変えてるかもしれないけど。


一人の人生どころか、この世界全体に変化をもたらす初めの一歩だということを、自分が勇者だということを呑気にも忘れていた俺は思いもしなかった。


「あ~、俺が【鑑定】のスキル持ってるのは知ってるよな?」


「おう」


「でだ、俺の鑑定は鑑定水晶や何でも屋のドワーフのおじさんみたいな曖昧なものじゃなくて、人物だとジョブやスキルなんかがハッキリわかるんだ」


「?………………?」


うん、全くわかってないみたいだな。

もう見せるか?いや、見せれんのか?…見せれるらしい。本当すごいな。

なんか照れてるのが伝わってくる?

いやそれよりこの未覚醒ってのは見せない方がいいと思うんだけど、あっ、隠匿できるんだ…。


「見たいか?お前の鑑定結果を見せる事もできるんだ。ただ見ても他言無用、誰にも秘密だ。もちろんお前の恩人のゲイツ様にもだ」


ピアは腕を組んで目を閉じた。

その姿を見つめて思い返す。出会ってまだ3日しか経ってない。

そこからのピアの人となりは真面目で実直、単純でがさつでちょっとバカ。【勇者】に傾倒し過ぎ。こんなところか。

だから話すかどうか決めたのはソックスの言葉。「ドワーフに信用、信頼されている」これだ。

ソックスのことは、同じ世界から来ただけじゃない、聖獣だからかそれより多分俺の従魔だからこそだろう。それこそ信用、信頼している。なんか心の繋がりみたいなのがあるんだ。

そのソックスの言葉だからピアに話してもドワーフたちの悪いようにはしないだろうと思ったんだ。


俺がそんなことを思っている間に考えがまとまったのか大きく頷いてから言った。


「よくわかんねぇけど見せてくれ。ケンがそう言うってことは見た方がいいってことだろ?ぜってぇ秘密にする」


わかってなかったのかよっ、そしてまた俺か?

はぁ~、一抹の不安しかないんだが…

俺の膝の上で様子を見てるソックスもあらら~みたいな表情になってる。

もういいや、見せるぞ。


ええっと、ジョブとスキルはいいな。固有スキルは隠匿しといて称号?よくわからんがいいか、あと参考も。

詠唱は恥ずかしいので頭の中だけで「ピアのステータスオープン!」



◆ ◆ ◆ ◆


ピア


ジョブ 大剣士

スキル 剣豪 火魔法 無属性魔法 物理耐性 魔法耐性 悪食 野生の勘

称 号 脳筋兄貴

参 考 魔力多


◆ ◆ ◆ ◆



おう、今までで一番大きく目と口が開いてる。

ポニーが「教えなさいよ」って言っているのでソックスがニャゴニャゴ説明している。


「ピア、話しの続きしたいからそろそろ帰ってこい」


「お、おう」


ピアを落ち着かせるためにお茶を勧める。俺も口をつけてホッと一息、やっぱりこのお茶は冷めても旨いな落ち着く。さて…


「ジョブの大剣士、スキルの剣豪どちらも剣に優れてるものだから、お前が努力してきた方向性は間違ってなかったんだな」


誉めたら照れて鼻の頭をかいた。まず一つずつ理解させていかないとな。


「物理耐性、魔法耐性はまぁ防御力が高いってことだな」


これも心当たりがあるんだろう、頷いてる。


「悪食…、だから悪くなった水にもあたらなかったのか。あとお前がこの幻術がかかってる深遠の森で迷わないのは野生の勘ってヤツがあるからだな」


今度はすごく納得したのか何度も首を縦に降ってる。


「この称号は俺にもよくわからん」


「脳筋兄貴って」


なんだ?って顔されても本人がわからないのに本当にわからんって。

それよりも肝心なのは次。ソックスもそう思ったのか俺の膝の上で姿勢を正してる。


「魔法は、火魔法と無属性魔法が使える」


「火魔法は、知り合いにも使ってるヤツがいたから知ってるぞ。ファイアボールとかファイアランスとかだな」


やっぱり魔法名もアニメやらと一緒なんだ。いやこれも俺の固有スキル【全言語翻訳】だからか?俺が理解できる言葉に翻訳してくれてるんだよな。


「ピアお前が魔法を使うにしてもとりあえずは無属性魔法からにして欲しい。森の中で火魔法は危険過ぎる」


「練習しねぇとわからねぇけど、気をつける。でも無属性魔法ってなんだ?」


「確実じゃないけど、お前が合ってそうなのは【身体強化】だろうな」


「【身体強化】?」


「体内の魔力を循環させて身体を強化する…ってわなんないか」


俺もアニメや漫画で見たイメージでなんとなくできたからなぁ…


「ピア、とりあえず立ってくれるか?」


「ああ」


分けがわからずとも立ち上がったピアの後ろに回り腰に抱き付く格好になり力を入れる。


「むんっ」


「?」


まぁ持ち上げられないよな、わかってたよ。


「次、【身体強化】使うから」


「おう?」


体に魔力を循環させて、意識して力を込める。


「【身体強化】!」


「うおぅっ」


するとピアの巨体が軽々と持ち上がった。ついでに二三歩歩いてみる。


「どうだ?【身体強化】すると非力な俺でもこんなことも出来る」


「すげー!!」


ピア大興奮だな。


「出来るようになるまで、体内で魔力を循環させたりとか練習が必要になるだろうけど」


「そんなの関係ねぇっ!俺はやるぞ!!」


やる気になって結構。だから俺が伝えたいことを言っておこう。


「なぁピア、お前はこれからもずっと多分何かと命を掛けて戦うんだと思うんだ。その時使えるスキルがあるのに知らないままだと万が一があるかもしれない。そうならない為に教えたんだ。ちゃんと考えて、ちゃんと覚えて、命大事に生き残れよ」


まぁ俺が知ってるのに教えなくて何かあったら嫌だからなんだけど。なんせ俺は小心者で臆病者なんだ。嫌なことから逃げたいし、嫌な思いはしたくない。本当すぐ忘れるけどなんで俺が勇者なんだか…。


なのにピアがえらく感動してる。掌を開いたり、閉じたりしてる。


「なんか俺が巨人族かもしれないって、わかったかも…」


「ん?」


「初めて会った時、何でも屋のドワーフのおやっさんが巨人族の突然変異だって言ってたんだけど、巨人族って真っ赤な髪で大人なら3mはあるって、そんで武器を持たずに素手で戦うって聞いたんだ。でも俺は巨人族ほどでかくねぇし物心ついた時から棒とか武器持ってたから。きっと巨人族はその【身体強化】っての使って戦ってたんだな」


………。

ソックスさん、もしかしなくても、種族別の固有スキルなんかあるのかな…?


『固有スキルってわけじゃないっスけど、その種族に多いってのはあるみたいっスね。鑑定スキルの劣化版みたいなのはエルフやドワーフに多いみたいな。ただこの大陸には巨人族はいないっスから【身体強化】が使える、使えるようになるのはケンとピアの旦那しかいないっスね。スキルの詳細がわかる世界ならピアの旦那は少なくとも英雄クラスっスかね?』


俺はぎこちなくソックスを抱き上げて、目を合わした。


じゃあ、今ここに勇者と英雄が揃ってんのか…?


『そうっスね。大陸どころか世界最強のタッグスよ。しかも戦神の御使いの軍馬スレイプニルもいるんスから誰も勝てっこないっスよ』


お前も聖獣だろうが?とか、もうそんなレベルじゃない。

…もう疲れました。現実逃避しても許されるよね…。




疲れている俺とソックス、興奮しているピア、そして俺たちを呆れて見ているポニー。

そんな俺たちを金色(こんじき)に光る瞳が視ていることに気付かなかった…。













ありがとうございました。


いいね、ブクマありがとうございます。

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