悪魔と超ド級ドドドド変態
一週間空いチャッタ……ごめんネ
「──ど、ドーラ? どうしてここに……?」
「どうしてって当然──貴方を助けに来たんですのよっ!」
階段の踊り場から優雅に降りてきたドーラはビシッとそう言い放った。
彼女と同時に他の悪魔達も降りてきた所を見るに、『僕を助けたい』というのが彼らの総意だと分かった。
「私達、沢山話し合いましたわ──私達、悪魔の為に貴方は動いてくださっている。それを指を咥えて見ているだけでいいのでしょうか、と──当然、答えは否ですわ!」
「だから、お手伝いできないかなってね〜♪」
「それでこの旅館を訪れたら丁度良い時だった、という訳ですわ」
僕の『どうして』に対して、しっかりはっきり明快に答えてくれたドーラとキャラ。
僕はそれに納得していると、再びドーラは口を開いて言った。
「不必要だと仰るのなら、私達はすごすごと引き下がるしかありませんが……貴方はこの手を受け入れてくださいますの?」
「──ああ、勿論だ」
自分からはこんな危ない道に引き込めないと思っていたが、ドーラ達から申し出てくれるのならば話は別だ。
これだけ強力な味方達だ、喜んでその手を取らせてもらおう。
「それじゃあ……僕のクラスメイト達と共にナツメ先生の指揮下に入ってもらえるかな? 彼らと纏まっていてくれた方が僕もやりやすい」
「了解しましたわ──という事ですので皆さん、イティラ様の御力になれますように頑張りますわよっ!」
「「「おー!」」」
皆んなで声を上げて気合を入れたドーラ達悪魔組。その後はバラバラに分かれて、先日の学院交流で各々が関わっていた只人の元へと向かっていた。
その中で僕は悪魔達の中心に立っていた彼女の元へと足を進めた。
「どうやらクラスに馴染めたようだね」
「お陰様ですわ。貴方がこの教室からゼーラを追い出してくださったお陰で、何処かギスギスとした空気も霧散しましたわ」
「ゼーラ、か……」
「どうかしましたの?」
クラスを追い出されたかと思いきや、『ゴースト』の王に君臨していた謎の悪魔──ゼーラ。
ドーラの口から飛び出してきたその名前。僕の中では大いに引っかかったのだが、事情を知らない彼女はそんな僕の様子に小首を傾げていた。
「いや、なんでもない。個人的にドーラの事も好きだから、他者に変な目を向けられるのは嫌だったから……何とかなって良かったよ」
どちらかと言うと小心者の僕にとって、いつも自信に満ち溢れていて真っ直ぐなドーラは尊敬に値する存在だ。そんな彼女が学院では除け者にされているだなんて嫌だった。
故に元に戻って良かったと本心を伝えたのだが──突然ドーラの様子がおかしくなった。
「──な、ななななななななっ!?」
「ナナナナ〜?」
「いきなり出てきて──ではありませんわ! い、今、私の事をす…… って……」
「……?」
めちゃめちゃ大声でノリツッコミをしたかと思いきや、突然小声になって何かをぶつぶつ呟いたドーラ。
僕はその変化の謎が分からなかったのだが──それが解明される前に、横槍を入れてきた者が居た。
「ひゅ〜、こんな公然の場でお熱いもんじゃ。わても女子の一体や二体……」
「──おい! 僕の身体を勝手に動かすな!」
「わて等もやろう、あっこの女子が良かろう! それ、ダーイブ……」
「キャーッ! また変態野郎が襲おうとしてきてる!」
「「──ブグギャァア!」」
僕とドーラを見てテンションを上げた外見に見合わぬ口調の青年が、悪魔の中で特に発達が良い女子に飛びかかろうとした──が、回し蹴りに魔法の連射と猛反撃を喰らっていた。
一瞬にしてボロ切れのようになってしまっただけでなく、女子達のゴミを見るような目で見られるその青年の元に僕は駆け寄って小声で話しかけた。
「(相も変わらず好き勝手やってるみたいですね、ジーさん)」
「(おうっ! お主のお陰で毎日楽しいぞ。女子トイレに行ったり、女子更衣室に行ったり、はたまた女子風呂に行ったり、スカートを捲ったり……幽霊の頃はなかった嫌がる反応も、また格別!)」
「うわぁ……」
相も変わらずと言ったが、どうやら僕の想定以上に好き勝手やっているらしい。よく逮捕されていないものだ。
これは流石にハーシャのことが可哀想になってきてしまう──まあ、それを引き起こしたのは僕なんだけれど。
「引くぐらいだったら直してくれよ……頼むから」
「いや、ごめん……それは無理かなぁ」
「どうしてだアアアアアア!」
「──あー、超ド級ドドドド変態! イティラ君に近寄らないで、変態が感染るっ!」
「ぐふぇ……」
髪の毛をぐしゃぐしゃと掻き毟りながら大声を上げたハーシャ。
それでどうやら他者の目についてしまったようで、どこから持ってきたのかホウキで何処かへ掃かれていった──いや、可哀想だな。うん、可哀想だ。
そんな風にハーシャを見つめていると、隣に来たナツメ先生が僕に話しかけてきた。
「──これからどうしますか?」
わちゃわちゃとしているこの空間。だが、ここから外に出ると爆破魔法が飛び交う地獄だ。
事態は一刻を争う──ナツメ先生の言葉は僕にそれを思い出させたのだった。
超ド級ドドドド変態……それはジーさんなんだ




