なんか違う…
「ん~~~~~~~~~~~~~!」
この世界であんま違和感がない様な、あの1号の変身ベルト…あの映像のあの場面を思い出しながら、イメージ…イメージ…イメージ……。
『願望内容を確認。脳内イメージの確認完了。エネルギー変換カプセルの使用規定…オール・クリアー。具現化に対するイメージの欠損、及び不足部に対して、オートサポートによる補完開始…補完完了。イメージ具現化に対する必要エネルギー量を算出…算出完了。使用者の保有エネルギーより必要エネルギーを補充…完了。エネルギー変換カプセル内包物の変換開始…変換完了。エネルギー変換カプセルの開封を許可します』
ぬぉ! なんか急に変な声が頭に響いたぞ?
そう言や、ナビあるんだったっけ。
確かに色々とサポートしてくれてるっぽいけど、何かヤバイ事言ってなかった?
ってか、ちょっと体がだるい気がするんだが、もしかしてイメージすんのに力を入れすぎちゃったんだろうか?
いや、それはまた後で考える事にしてっと。
何たって、今はあの憧れの変身ベルトが完成したっていう目出度い瞬間!
ではでは、いざ、鎌倉! じゃなかった、いざ、開封の儀!
むむむむ? 全力で思いっきり捻ってもカプセル開かねーーーよ!
神様、このカプセル固てーーーーよ!
いや、そもそも地球でも5歳児じゃガチャ玉は開けれんかもしれんけど。
だが、諦めん! こうなったら全身全霊を込めて…んぎぎぎぎ……!
カポッ! あ、開いたーーーー!
ぼわ~~~ん! ゴホゴホ……って、なんだこりゃ、玉手箱かよ!
なんで煙出るんだよ! まさか、じいさんになって無いだろうな?
顔をぺたぺた触ってみたが、大丈夫みたいだ。
カプセルが開くと、煙が出るのがデフォなんだろうか?
んで…俺の手の上には…おおおおおおおおおおおおおお!!
ばっちりイメージ通りにで出来てるじゃん!
ちょっとTVと形は違うけど、夢にまで見た仮面でライダーな人の変身ベルトだ!
まぁ、間違いなくこの世界にはバイクなんて無いだろうけど…それでもライダーな人の変身ベルトだ!
まぁそれはそれとして、イメージした変身ベルトは昭和の奴だ!
平成の奴も令和の奴も趣味じゃない! 喋るベルトなんて、五月蠅いし面倒!
そもそもあいつらバイクに乗らねーし! いや、ちょっとは乗ってるかもしれんけど…それでも昭和のに比べたら全然乗ってない! コンプラ的な関係だろうか?
俺自身が前世でバイクに乗ってたから、やっぱライダーと言えばバイク乗りってイメージが強いんだよ!
それに、下手にごちゃっと装備が付いた姿に変身したら、色々と誤魔化せない。
チート持ちだとか言われたくないじゃん?
なので、その辺も加味して初代の1号に近い物をイメージした。
いや、普通に変身してもやべぇかもしれんのは置いといて。
ここは魔法のある世界なんだから、『これは魔法の鎧だ!』 とか言い張って、是非とも誤魔化したいところである。
変身後の姿が緑色ってのは流石にこの世界観(地球でもだけど)からして変かもしれないんで西洋の鎧風に銀色の外観で、しかも出来るだけ滑らかな外観に……。
あれ? そうしたら変身後は銀色の宇宙の刑事になっちゃってる?
まだ変身すらしてないけど、それはそれで何か違う気がする…。
いや、ちゃんと考えたんだぜ?
色々と考えた結果、こうなっちまったんだから仕方ねーだろ?
ま、まあ…あれはあれで好きだから…いいのかな?
オープニング曲なんて熱いし男っぽいから、カラオケでよく熱唱したしさ。
あばよ涙~♪……よろしく~勇気♪……(自主規制)
ふっふっふ……。
能力の確認すら出来て無いが、まぁこれでどんな敵が来たって戦えるはずだぜ!
そもそも、来るかどうかもわからんけどな(笑)。
ウルトラなマンの人も考えたけど、赤銀の巨人ってこの世界で魔王認定されそうだから止めました。
いや、あんな無表情で『ヂュワ!』しか言わない巨人って、絶対に問題ありまくりだろう? 日本に出現したら、即自衛隊がやって来るって!
ま、それはちょっと横に置いといて。
このベルトは、出来るだけTVに忠実にって願って創り上げたのだ。
TVの中では仮面でライダーな人のベルトって、普段見えないじゃん?
変身の時にいきなり出てくるんだよね。
だから普段は付けてても見えなくて、使うときにはパッと腰に出現するように、TVに忠実にってのも変だけど、もうTVのまんまになるように。
あ、でも変身の掛け声をどうしよ……別に掛け声は無くてもいいんだけど、銀色の宇宙の刑事だとポーズがライダーな人とは明らかに違うよなぁ…。
いや、別に変身するのに掛け声もポーズもいらないんだけどさ…本当は…。
ところでベルトの腰の真横に付いてる銀色の箱みたいなのは、ポッケでしょうか?
などと、秘密基地でベルトを見ながらアホな事をつらつらと考えていると、
「トールちゃ~ん! トールちゃ~ん!」
遠くで愛しのママンの呼ぶ声が聞こえた。
どうやら、遊んでるうちにお昼ご飯の時間になったみたいだ。
すぐに…いや、こっそりと帰らねば!
秘密基地の存在は親にも秘密にせねばならないのだ!
家の裏口近くまで駆け寄った俺は、「は~い、ここにいるよ~!」
と、マミーに返事をした。
変身は、もちょっとだけお預けだな…。
けだな…。




