ハートを鷲掴み!
俺は猛ダッシュで秘密基地2号へと向かった。
ここに来てやる事なんて一つしかない。
大量のモンスターを相手にするために、必要な物をガチャ玉で創造するのだ!
領主の息子として、俺は村を…いや、領民を守らねばならないのだ!
地球の平和〇護るため~♪ 三つのしもべに命令だ…いや、ここは地球じゃ無いし、そもそも俺はバベルの塔に住んでいる超能力少年でもないけどね…。
いや、今はそんな事はどうでもいい。
ガチャ玉を使って創造するには、かなり正確かつ明確にイメージしないといけない仕様なんだから、余計な事なんて考えてないでしっかりと集中せねば。
今回は思い切ってガチャ玉を2個使用する。
これで残りが2個になっちゃうけど、そんな事を言ってる場合じゃない。
それでは、まずは1個目。
創造するのは、もちろん俺の武器。
もう1号の設定とか、この際きっぱりと無視だ!
多分、初めての便利グッズって事で、あの時はテンション上がりまくってよく考えもせずに趣味に走ってあんな物を創造しちゃったんだと思う。
元ネタは仮面なライダーなはずだけど、出来た変身ベルトで変身したら見事に銀色の宇宙の刑事の姿になってたし…。
まあ、それでも元々のモデルはもちろん1号で、素手上等のあのお方。
だけど、出来上がったのは見た目も全然違うし、同じ所と言ったら悪と戦う事ぐらいなもんで、ナビにもそこんとこをめっちゃ突っ込まれたんだよな。
元々俺がイメージしたのは間違いなくあのヒーローだったんだ。
けど、そこはもう諦めました。
いくら変身してパワーとスピードが上がったとしても多勢に無勢。
パンチとキックだけじゃ、大量のモンスターを相手にするのは難しい。
いや、それでも『イー!』って言う奴らと、あの人はずっと戦ってたけど。
まぁ、途中で2号とかぶいすりゃーとか、最後には歴代全員集合とかしてたけど。
だけど、やっぱそれでも多勢に無勢って構図は変わりない。
視聴率とかスポンサー会社の玩具の売れ行きとか、映画の興行収入の為とかでそんな事になったんじゃ無いと思いたい。
いや、それはこの際どうでもいい。
現在の俺は、まさに多勢に無勢で、だからこそ、やっぱ武器は必要なのだ!
さて、武器と言っても、銃関係は明らかにオーバーテクノロジーだと思う。
どっかの誰かに真似をされて同じような物を作られたら、この星の国家間の勢力バランスが大きく崩れて大変な事になりそう。
地球での歴史書を繙けば、火薬自体は何と1200年代中旬から後半に、すでに中国では戦争で使われていたらしい。
それに使用されていた黒色火薬の元となる物は、8~900年代にすでに発明されていたとかなんとか。
化学的な学問も下地も無い状態かつ何も見本すらない状態で発明出来た物だ。
なのに、俺がその見本をやったりしたら、この世界でもきっといつかは誰かに真似されるだろう。
戦争で銃が使われるのは見たくないからな…。
ダイナマイトを発明したノーベルさんも、核分裂を発見した研究者達も、兵器として使われてしまった事を、後年まで悔やんだと聞いたこともあるし。
まあ、あんな変身スーツを創っておいて今さらこんな事を言うのも何だが、俺は一応世界観を大事にしたいと思ってるんだ…今は。
大事が起きそうなのに、何を温い事言ってんだ! と怒られそうだけど、俺のこだわりだから、どうかこれだけは許して欲しい。
って事で、剣と魔法の世界ってルールに則って、ここは剣を創ろうと思う。
宇宙の銀色の刑事さんに似たスーツになっちゃったんだし、剣も同じで良いや。
ん~っと、使う時だけ大きくなって、普段は小さく収納できるのがいいんじゃね?
必殺技の時に光るってのも、なんだか魔法っぽくて格好いいしな。
まあ、ガチャ玉での創造の時のルール上、これなら問題あるまい。
よっし! イメージが固まったぞ!
イメージイメージ……、ガチャ玉を握りしめて……、集中集中……。
『願望内容を確認。脳内イメージの確認完了。エネルギー変換カプセルの使用規定…オール・クリアー。具現化に対するイメージの欠損、及び不足部に対して、オートサポートによる補完開始…補完完了。イメージ具現化に対する必要エネルギー量を算出…算出完了。使用者の保有エネルギーより必要エネルギーを補充…完了。エネルギー変換カプセル内包物の変換開始…変換完了。エネルギー変換カプセルの開封を許可します』
よっしゃ出来た! んじゃ、開けるぞ。
カポッ! ぼわ~~~ん! って、またこの煙かよ!
もう、心臓に悪いから、マジでこの仕様止めて欲しい…。
んで出来たのが、刃渡り5cmほどの和式の折り畳みナイフ。
肥後守ナイフと言った方が分かりやすいかな?
うん、これなら簡単に持ち運べる。
この世界には銃刀法なんてないから、持ち歩いても問題なっしんぐ!
念じると、この肥後守ナイフは片手剣にまで大きくなる仕様だ!
格好いいだろ? 大きさに関係なく重量は元のナイフ程度。
なので、子供の俺でも楽に持てる。
名前はエネルギー・ブレードにしよう。レーザー…は、流石にやばい…。
まだ使ってないから、切れ味は不明だけど…見た目重視って事で…。
流石にこの大きさの代わるナイフ? 剣? を真似しようとしても、この世界では、きっと何年かかっても無理だろう。
いや、そもそも地球でも無理だろうけどね。
ちなみに、必殺技を使う時、この剣がどうなるかは、今は内緒。
さてさて、もう1個のガチャ玉は、戦闘を補助してくれるペットにしようと思う。
アニメとか特撮とかでも、悪と戦う主人公って強いペット飼ってるじゃん?
魔法な少女も、なんかペットっぽいの飼ってたりするし。
んで、ペットと言えば、俺のイメージ的だと新造の人間の相棒であるオオカミ。
実に構想15年…嘘です10分です。
願うのは、変形するオオカミ型のホムンクルス? ロボット? だ。
あのアニメでは犬型だつぃ、四形態に変形するロボットだったけどさ…。
まあ飛行機とか戦車とかに変形させたりしたら、これまたやっぱり世界観的に合わないからそれは無し。
出来ればテイムしたモンスターだって事でギリ誤魔化してカバー出来るペットに。
んでは、細かい部分をイメージしましょうかね。
1、第一形態は水色の、毛並みがふわふわのペット型オオカミ(頭胴長約1.5m)。
2、大人でも十分に乗せる事が出来て、多少の戦闘も可能な、青い騎乗用大型
オオカミに変身できる第二形態(頭胴長約2.5m)。
3、戦闘特化型で、魔法に酷似した攻撃が出来き、体毛の一部は光り輝く
クリスタルで出来た剣になっている、紺色のさらに大型なオオカミの
第三形態(頭胴長約4m)。
4、能力は、人語を解し自立行動出来る頭脳を持ち、マップ機能、レーダー機能
を搭載しており、俺のエネルギーを吸収して稼働する。
5、エネルギーがある限り稼働できる。
6、当然ながら俺の命令には絶対服従。
7、etc…etc…
よし、これでイメージは完璧だ!
カプセルを握りしめて…集中集中集中…。
『願望内容を確認。脳内イメージの確認完了。エネルギー変換カプセルの使用規定…オール・クリアー。具現化に対するイメージの欠損、及び不足部に対して、オートサポートによる補完開始…補完完了。イメージ具現化に対する必要エネルギー量を算出…算出完了。使用者の保有エネルギーより必要エネルギーを補充…完了。エネルギー変換カプセル内包物の変換開始…変換完了。エネルギー変換カプセルの開封を許可します』
うっし、完成! カポッ! ぼわ~~~ん! って、もうやだこの流れ!
何だよ、この煙…マジでこの仕様止めてくれ!
だが、しかーし! 見事に俺のペットが爆誕したのだ!
目の前でお座りしているのは、大型犬ぐらいの淡い水色のオオカミ!
色もファンタジーでしょ? めっちゃ気に入った!
毛並みはすっごく柔らかで、完璧なまでのもふもふ加減!
頭をなでてやると、しっぽを凄い勢いで振りまくってる…かわえぇ…こいつ。
では、名前を付けなければな。
ん~~、よし! 君の名前はブレンダーだ!
際どいけど≪ブ≫だからね? ≪フ≫と間違えたらだめだよ?
まあ、名付けの由来は、色々とブレンドしちゃったから、ブレンダー。
マジ、間違ったら駄目だからね?
まるで生き物みたいに見えるけど、実際にはメカとかホムンクルスに近い。
基本的に俺のエネルギーを使って動くんで、俺がエネルギーを供給し続ける限り、実質寿命も無ければ老化も無い。
滅茶苦茶にチートなオオカミの誕生だ!
あれ? 俺がチート持ちなんだったっけ?
ま、それはどっちでもいいや。
腰に変身ベルトを巻いて、エネルギーブレードを服のポケットにしまって。
いざ出陣じゃ! いやまだスタンピードは起きてないけど。
とりあえずブレンダー君を家族にお披露目するとしましょう。
ん~、俺が契約したモンスターとか魔獣だとか言っておけばいいかな。
まずはもふもふ形態で、ママンとミルシェちゃんのハートを鷲掴みだぜ!




