反論出来ねぇ…
『そもそも、武器がどうとかよりも、もっと大事な事をお忘れじゃないですか?』
えっと…え?
『あなたは、それを創造する時、何をイメージしましたか?』
某1号さんの変身を…。
『では、その某1号さんって何者?』
何者って、そりゃショ〇カーに改造された改造人間だろ?
『で、あなたは何者?』
えぇと…、転生した人間?
『そうですね。それは間違いありませんし、ちゃんとした人間です』
だよねぇ。神様が何か変な改造とかして無くてよかった。
『つまり、あなたは人間なんです。 いいですか? 元々改造人間用の変身なんて、そもそも出来っこ無いんですよ? そこら辺、きちっと理解できてます?』
あっ!
『仕方無しに、もう本当に仕方無しに、この、わ・た・く・しが、イメージを補正して、ギャ〇ンみたいに変身出来るようにしたんですよ? マジで苦労したんですからね? 大事な事なのでもう一回しつこく言いますけど、そこら辺、きちっと理解できてます?』
た、確かに…。それなら、宇宙の刑事に寄っちゃっても仕方ないな…。
ってか、それなら他の戦隊ヒーローとかでもいいんでね?
っちゅうか、平成とか令和の仮面ラ〇ダーも、別に改造人間じゃなかった気が?
『あなたが、銀色の鎧なんて物を中途半端にイメージしたから、こんな風にごちゃ混ぜになったんでしょうが!』
あ、確かにおっしゃる通りです。
この度はお手数をお掛け致しまして、誠に申し訳ございません…。
『理解して頂けたら良いのです、すっごくすっごく苦労しましたけど!』
この物言いには、何か腹立つ…。
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『さて、ここまでの話で、十分にそのスーツの危険性をご理解頂けたと思います』
さらっと話を元に戻しやがったな、こいつ…まぁ、良いけど。
ああ、十分すぎる程に危険性は伝わったよ。
ガキの頃の憧れの変身ベルトを造ろうと思っただけなのに、とんでもない物が出来上がっちゃったって、本人もびっくりだよ…。
『びっくりは良いですが、まだ若いんですからぽっくりは止めてくださいね』
誰がぽっくり逝くかよ! まだぴっちぴちの5歳になりたてだ!
『私も登場してすぐお役御免なんて嫌ですからね』
いや、お前はお役御免だよ! クーリング・オフだ!
『わたしのクーリング・オフをお望みですか? でしたら、輪廻転生管理局の局長宛てに宝箱開封から8日以内に書面もしくは電磁的記録でお申し出ください…あ! すでに8日以上経過してますね。クーリング・オフの適用外になります』
そんなの聞いてないぞ! ってか、どうやって輪廻転生管理局とやらに手紙送ったらいいんだよ!
『それはご自身でお考え下さい』
そんなの詐欺だ! だったらキャンセル…じゃない、チェンジだチェンジ!
『当店ではチェンジ制度は採用しておりません。他の女の子をご希望でしたら、後日再度ご入店頂き、その入店時にご指名ください』
で、デリヘルでもチェンジしてくれたぞ…。
『当店ではその様なシステムは採用しておりませんので、あしからず』
いや、お前さっき完全に風俗店の店員っぽい話をしてたじゃねーか!
『変な言いがかりは止めてください。と言うか、あなたやけに風俗にお詳しいですね? そんなに通ってたんですか?』
あ、え…っと、いや…あのぉ…数回ほど…。
『ふっ…』
鼻で笑うなーーーーーーーーーーーーーーー!
『ま、あなたの前世での残念な私生活の事は、この際おいておきましょう』
色々と言いたいことはあるが、取りあえず…ありがとう…なのかな?
『ご安心ください。当店ではお客様の個人情報は完全に秘匿しておりますので、ご両親や妹さんにばれることは…多分ありません。幼馴染のあの娘にも多分…』
どこが完全に秘匿なんだよ! 誰にも漏らさねーと言い切れ!
『嫌です。もう今にも誰かに言いたくて言いたくてしょうがないんです!』
お前は噂話とか町中に広める、近所のおばちゃんか!?
『何を仰いますか! ぴっちぴちの…はて、わたしは何歳でしょう?』
そんな事、俺が知るか!
はぁはぁはぁはぁ…、こいつと話してるとマジで疲れる…。
『さて、ここまでの話で、十分にそのスーツの危険性をご理解頂けたと思います』
って、振り出しに戻んのかーーーい!
『見事な突っ込みありがとうございます。では、説明を続けましょう』
…………え? まだ説明残ってたん?
『当然です。先ほどまではそのスーツの危険性をご理解いただくための説明です。あなたは絶対に薬とかの注意事項を読まない人でしょう?』
うっ、確かに読まないかも…。
『保険とかの契約書に細かい文字で書いてある約款も』
よ、読みません…。
『ですから、まずはそういう絶対に知っておかねばならない部分を説明したのです』
あ、そうですか。それはご丁寧に…。
『なので、こんどは便器の使い方の説明です』
はっ、便器?
『おっと、噛んでしまいました。便利な使い方の説明です』
お前、わざと言い間違っただけだろう! 絶対にわざとだよな、おいっ!
『いいえ、噛んだだけです』
こいつ、やっぱチェンジしてぇ!
『では続けます』
俺の言葉、完全に無視しやがった…。
『では、説明の前に≪メニュー・オープン≫と、唱えてください』
ん? ステータスじゃなくて?
『≪メニュー・オープン≫です』
急に事務的になりやがったな、こいつ…。まぁ良いや。
「えっと、メニュー・オープン」
そう唱えた瞬間、いきなり目の前に ブオン! っと音を立てて、30cm四方ぐらいの大きさのメニュー画面が開いた。
「おお! メニューだ! もしかして俺のステータスとかスキルとか…」
『出ません。それはそのスーツの保守管理用メニューです』
やはり俺のステータスは見れないのか…。
『落ち込んでいる所、誠に申し訳ありませんが、説明を続けさせて頂きます』
はい、どぞ…。
『メニューはスーツの外側に浮かんでいる様に見えますが、実際にはスーツの視界に表示されているだけですのでご注意ください』
ステータスボードでよくある設定…。
『表示の項目を操作する時は、タップやスワイプは必要ありません。全ての操作は思考操作となりますので、頭の中で言葉で指示していただけたら操作できます。ちなみにあなたの思考言語を基準としている機能で、このわたくしの劣化版ナビとなっておりますので、なかなかの高性能な機能です。ですが、この世界の言語、前世の英語、フランス語、イタリア語、アラビア語、韓国語、中国語等、その他への設定変更も可能となっております』
日本語は?
『日本語には、多種多様な外国語由来の単語が混ざりすぎておりますので、対応しておりません。ちなみに基準となる言語は、あなたが普段使用している現地の言語ですから普段通りの思考方法で問題ありません』
…あれ? 俺って結構お前と日本語で会話してた気がするんだけど?
『………では、日本語でもいい事にしましょう』
お前、それ絶対に嫌がらせだよな!?
『さて、ではメニューの説明です』
またスルーしやがった…。
『メニューには、再装着待機時間や外気温や湿度、内部の気温、湿度、着用者の体温、血圧、脈拍や魔力量など、どうでもいい事も表示されてますので、そこは割愛します』
ちょっと待てーーー! 魔力量って言ったか? 言ったよな!?
『重要なのは、保守管理メニューの設定6の項目です』
お前、俺の言葉をスルーすんなや!
『設定6は、スーツの性能の設定です』
もうヤダ、こいつ…。
『この項目では着用者よって、スーツの強化項目が1倍~10倍まで任意に設定が出来るようになっております』
て、てめーーーー! これを最初から説明しとけーーー!
『最初からこの倍率設定の説明をしたら、あなたは全部10倍に設定して、チートで無双だぜ! とか言って好き放題するでしょう? だからまず最初にこのスーツの危険性を説明したのです。理解できましたか?』
うっ…反論出来ねぇ…。
『では、各項目の設定に関してですが…………』




