8:邪神さまと〜元聖女の身の上話①
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結局悩んだ末、浄化をすることにした私です。
腐っても元聖女なんでね、浄化できる可能性があればやりますわ!
邪神様には明日また来ると伝え街に戻った。
「ねぇ、今まで猫神様以外の他の神様とお話したことある?
本当に邪神様を浄化しても大丈夫かな?」
「わかんないけどぉ〜、悪意はなかったよぉ〜」
「うん、なかったね。あの村が呪われた理由を知っているだろうが、何か心配?後悔?混乱?なんだろう?複雑な感情を持っている感じだったな」
「うん……」
浄化されたい邪神って始めて見たよ。
「案外ぃ~、正体は向こうの大陸の邪神と創生神の戦いで砕け散った邪神の欠片だったりしてねぇ~」
「時の聖女や導師様方が封じられたんだよね、アノ欠片。ちょいちょい欠片に操られた人が出て大変なんだよ」
「Oh!」
「でも、あの邪神様がそうだとしたら、浄化で消えちゃうのに、ねぇ〜」
遠い昔、向こうの大陸で邪神に唆された国王が近隣の国を滅ぼそうとした(物騒!)。
創生神様や異世界にやって来た猫神様!、その他の勇気ある人々に返り討ちに遭う話は、子供の頃誰もが聞かされる実際にあった話だ。
その話の中で創造神様は邪神との戦いで力を使い果たし暫し力を蓄えるため眠りについた。
一方、邪神はその核を破壊され砕け散ったとあった。
以降の世界は猫神様が見守っておられるので、創造神様と共に崇めるようになり、猫神様の神殿も出来たとか。残念ながら他の大陸にあるから私はまだ行ったことはない。
創造神セラフィーナ様が邪神を倒した時に粉々になった邪神の核。
「大丈夫だと思うよ。そもそも、あの邪神様に殺る気があれば、ルビィ村へ来た合同魔導師団ごと呪って糧に取り込んでるって」
「そもそもぉ、邪神様が殺る気ならあのルビィ村辺りだけじゃなくて、ザイル王国滅びの寸前!までいってたかもよぉ〜」
「洒落にならん!」
翌日。色々と買い物を済ませてルビィ村にやって来た。錬金釜、高かった〜。虎の子の大枚を叩いた。もう、働かないとヤバい。
この村に来る途中に薬草採取を毎度してきたから、材料は沢山ある。私の無限収納は時間経過ナシだからいつでも新鮮なのだ。早いとこポーション作って売りに行かなきゃ、だ。
「ポーション作った後に邪神様の浄化?」
「うん、そのつもり」
ポーションはね、寝ていても作れるんじゃないかっていうくらい作った。高い金額で売られていたけど、アタシにゃぁ一銭も入らなかったな……
……ふふ、苦い思い出なのだ。ただ、まぁ、鍛えられたおかげで創薬レベルはカンスト。
低級ポーションを作ろうとしても、出来上がるのはもれなく上級になる。
ふっ、自分の才能が怖いわ。
「低級ポーション作るんじゃなかったの?」
「うん、作るよ!今から薄めて低級にするのさ」
「勿体ないのぉ〜」
「だって、上級ポーションが高くて需要がないとか言われたら困るし作ってて損はないでしょ」
「良い品質なら上級でも高くても買うんじゃないか?」
「う〜ん、多分ダイジョウブ、ダイジョウブ」
*******
そうこうしているうちにポーションも出来上がり、ドキドキの浄化タイムです……。
「こんにちわ、私シャーロット=オブ=ウェストンと申します。
昨日は動転してちゃんとご挨拶出来ず、申し訳ございません。コレから浄化が完了するまで毎日ホーリーを掛けさせて頂きます。宜しくお願いします」
「ボクはシマって呼んで。シマ社長って名前をそこのシャーロットに付けられたんだ。変な名前だろ?」
「ワタチはぁ〜、モモって呼んで下さいねぇ。モモ先生って変な名前が本当なんだけど。よろしくねぇ〜」
「ヨロシクオネガイシマス」
私と邪神様はレベル差があり過ぎてチョットやそっとで浄化は出来ない。その為毎日ホーリーを掛けることにしたのだ。いつ頃浄化しきるかな?
「今日よりホーリーをかけますが、1日どれくらいの時間かけてればいいですか?因みに1時間位は掛け続けても平気です」
「イエ、コチラニ、イジュウ、サレタノデショ?
ホカニヤルコトモ、オアリデショウカラ、10フンホド、オネガイデキマスカ?」
「勿論です」
邪神様って何か穏やかで冷静な感じがする。
神だから?知らんけど。
「ホーリー」
邪神様が聖なる光に包まれている。
掛け続けるのはいいんだけど、会話をしないと沈黙がツライ。
「邪神様は1人で寂しくないんですか?」
ぁ〜、質問が悪かった……
「呪いノ制御ニ気ヲ取ラレテオリマシタノデ、
気ニナリマセンデシタ」
ホーリーを掛け出してからたどたどしかった念話が、ややスムーズに聞こえるようになった。
「そう、だったんですね。折角お会いしたんですし、袖振り合うも多生の縁といいます。自己紹介お互いにしませんか?」
(呪いの制御とは!?聞いていいのか!?)
疑問は残るが悩んだので、お口をチャック。
「私ハ話セル事ガ少ナイデスガ、宜シイデショウカ?」
「勿論です。じゃあ、言い出しっぺの私からですね。何処から話しましょうか……」
「前世のことから話せばいいんじゃないか?」
「シャーロットの変な理由が分かってもらえるよぉ〜」
「ぬぅー、変って!……じゃあ、前世の話から。
実は私、前世の記憶があるんです。死んだ歳は40手前でしたかね?魔法が使えない代わりに文明が遥かに進んだ異世界でした」
邪神?様はユラユラ揺れている。
「その世界でワタシは庶民、組織で働いていたのですがまぁ、酷い組織で。
転職したかったんですが、そこの組織に雇われるまで苦労して。会社の面接は軒並み全滅で中々就職が決まらなかったんです。
親戚はその組織の下請けをしていたんですけど、その親戚が頼み込んでくれてようやく就いた職、辞めれなかった。
……今にして思えば、死ぬ程になるまで無理するのはおかしい。生きていればやり直せるんだし勇気を出して辞めれば良かったんです。
ワタシ多分過労死したんですよね、死因の記憶は無いですけど」




