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77:新たなる廃村

「廃村〜それは〜キミが見たヒカリ~♪」

「何?その歌?」

「替え歌よ。まだ見ぬ廃村への希望を歌ってみたの」

「待ちに待った廃村に行くからテンション上がるよね」

「それにぃ〜、久しぶりにマキシも一緒にお出かけだもんねぇ〜。歌いたくなるよねぇ〜!」

ニヤニヤ精霊2人組に肩をツンツンされる私。

うぅっ、揶揄われて顔が熱くなる〜。

私最近、マキシの目を見て話したいのに恥ずかしくなっちゃうの!

はぁ~、どうしよう……。意識すると駄目なのよ。意識しないように、しないように……。


「お待たせしました、今から出発しましょう」

丁度出発の準備が整ったらしくマキシがやって来た。

今日は馬車に乗り、例の廃村に行くのです。

選ばれし廃村に行くメンバーは、私、シマ社長、モモ先生、マキシ、ドワーフの方々、護衛の方々だ。

ドワーフの方々には、建物を見てもらう予定。


「僕とモモはコッチ側に座るね!」

「シャーロットとマキシはぁ〜、そっちに座ってねぇ〜」

私とマキシは隣同士に座ることになった……。

ぬん!心拍数が上がる!

マキシとふと目が合う。ニコッと微笑んでくれた!

キュン

あぁぁ。心臓が……心臓が……。

無になるのよ、シャーロット、無!


王都を出て周辺の町までは、馬車は順調に進んで行った。

だけど、町から出るとドンドン道が悪くなってくる。

そのうち道はガタガタに。


ついに馬車の車輪が溝にはまってしまった。

溝はまりから馬車を救出したあと、馬車を後退させてもらった。私は馬車を降りる。

「道が悪いのは想定内よ!私が整えるわ!」

「シャーロットさん、私がしますからいいですよ。馬車で待ってて下さいね」

流石紳士のマキシ。優しいのよね。


「それならマキシ、交代でやりましょ?

私がそうね、あの遠くの黄色い葉っぱの木まで綺麗にするから、その次はマキシね」

シマ社長が片翼でちょんちょんとマキシの肩を突く。

「シャーロットは道を綺麗にすることは慣れてるから大丈夫だよ、それに偶にやらないと腕が鈍るから」

マキシが頷いたので、早速土魔法を使って道を整える。腕が鳴るわ!

 

「アース・クエイク!」

「アース・ハンマー!」

 

道に溝が出来ちゃってるから、一度地面を砕いて叩いて固めた。

「どうかしら?上手くいったと思うんだけど」

「聖女の嬢ちゃん、手馴れてるなぁ。いい感じだぜ!そのうち石畳にするだろ?ここまで完璧なら、簡単に設置できるぞ!」

「ほんとですか?ありがとうございます!」

ドワーフの纏め役ビージル翁は陽気なタイプ。ニコニコで褒めてくれた。


よかったわ、腕は衰えていないみたい。

地方へ浄化に周っている時は、“道路作りの匠”って二つ名をつけられた程なのよ。

いや、二つ名じゃないわね。“死神聖女”とも呼ばれていたんだったわ……。


それからは交代交代で私とマキシは道を整えていった。

私達は魔力量があるので、サクサク進んでいく。

お陰様で昼前には廃村・旧トパーズ村に着いたのだった。

 

ついたら着いたで村は入口から草ボーボーよ。

ある程度刈らなきゃ村の中に入れないわ。

まぁ、これも想定内だけど。

地方へ浄化に周っている時は、“草刈りの伝道師”って名をつけられた程、私の草刈り技術は極まっている。

腕が鳴るわね。

「草刈りは私に任せて下さい」

「私もしますよ!」

マキシがニコニコ参加表明。

「じゃあ、あっちの方、北側をお願いしてもいいですか?」

「勿論!」

マキシは器用なので道路整備といい、草刈りといい、卒なくこなしていく。よかったら私の二つ名をあげましょうか?いらないか。

  

「ウィンドカッター」

「トルネード(弱)」

 

草を刈りつつ、弱い竜巻で草を一纏めに集めていく。

「聖女の嬢ちゃん、手馴れてるなぁ。スゲェよ」

またビージル翁に褒められる。褒め上手ね、この人の下で働く人は自信がつくと思うわ。


私達や風魔法が使える面々で草刈りをしている間に、昼食をとる場所を探したり、綺麗にしたりを護衛の方々やドワーフの方々がしてくれていた。

手伝ってもらえて草刈りは早く済んだし、昼食だ!

村の小高い丘にテントを張ってあり、そこで食べながら村を見る。


「向こうにぃ〜、かけ流しの温泉があったのぅ~」

「鑑定したけど、泉質も良かったよ」

ウチの有能な精霊2人は色々見てくれたみたい。

マカロンを食べながら小さなお手々と翼をパタパタさせて教えてくれる。

マカロンを食べているから姿を見せている2人。

護衛さん達もドワーフさん達も視線は2人に釘付けだ。皆目がキラキラしている。


ただそんな中、ビージル翁だけ背中を向けている。

何かあったのかしら?

心配になって私が声をかける前に、翁はこちらに振り向いた。

そのゴツゴツした大きな手の中には木彫りの人形。

これは、シマ社長とモモ先生?!凄い!かわいい!

「ちょっと廃材があったからなぁ」

と、照れている。今ささっと作ったそうだ。

流石ドワーフ、手先が器用!


「私買いたいです!!」

「私も」

「私も」 

あまりの出来にビージル翁とモフモフ精霊以外購入希望で手を上げる。私も、マキシも手を上げた。

これは……モフモフ精霊グッズ化当たるのでは!?



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