76:魅力的な廃村情報
あの波乱のパーティーから2日目。
お騒がせジョシュア王子はフリーデル王国へ泣きながら帰って行ったという。
シマ社長の話で、フリーデル王国の選ばれた方々に神罰などが降ってあの容姿になったこと、大規模な地殻変動が起こったことを知った。
地殻変動で、フリーデル王家とフリーデル女神神殿、ウェストン家、ドハーティ家が近くに固まった。
その3家のそれぞれの領地や、それ以外の貴族の土地や建物が物理的に他の国々へ移動してしまったという。
今はフリーデル王国の各貴族達は、移動先の国々へ(領地も建物も移動したし)亡命の嘆願をしているのだそう。
……こんなことが出来るのは猫神様だけよ。
本当にフリーデル王国の方々は何をやらかしたのかしら?
あの優しいベアトリーチェ様は既に離縁をなさっており、このまま亡命先の国へ向かわれるそう。
今回パーティーへは、フリーデル王国王妃として参加してほしいと現王に頼まれての参加だったみたい。
何故なら……自分は参加しないから。
現フリーデル王のクリスティアン様がパーティーへ参加され無かったのは離縁が原因ではなく、変貌した容姿を人目に晒したくなかったから、ということらしい。
そしてマキシは今、フェリ様の公務のお手伝い中。
とはいえ、私の廃村暮らしについて来られるそうなので色々と調整中とのこと。
今日はのんびりデイ。うららかな陽気の中、東屋で食べるスイーツは美味しい!そんな私とモフモフ精霊2人の手元にはフェリ様からもらったある書類。
私はその書類に目が釘付けだ。
「見て見て、シマ社長、モモ先生!
魅力的な廃村ばかりよ!はぁ~選べないわ!」
「フェリは偉い!キチンとした廃村を探してくれたんだね」
「海が近くとか、植えたら薬草が一杯に出来そうなとことか、温泉が湧くとことか、魔石が沢山とれるとことか……全部いいわね!」
これらが廃村になったのは、辺鄙だとか、瘴気に侵されているとか、魔獣がひっきりなしに出るとか、災害があったとかが理由だ。
しかしだね、私達にはノー・プロブレム。
フリーデル王国筆頭聖女時代にそれらの場所は制覇しましたから。
なんなら復興の手伝いまでしていましたからね。
浄化も討伐も土木関係もお手の物よ!
あ、家は建てられませんけどね……。そこは大工さんへ相談です。
「2人はどこがオススメ?」
「「温泉!!」」
「フフ、私も温泉が気になっていたの。
気が合いますねぇ」
「フフ、温泉に着いたらぁ、シャーロットが前に話してた温泉まんじゅう作ってほしいのぅ~」
よく覚えていたな、モモ先生。結構前に話したことだったのに。
流石甘いものには目がないモフモフ精霊!
「モチモチツルスベのお肌、温泉玉子、温泉まんじゅう……ヤル気が出るわい!」
「ふむふむ、シャーロット、ココって、辺鄙なところだから温泉開発はしてなかったようだね。
この村、好きなようにできるよ」
「辺鄙なとこにはなるけどぉ〜、王都からそこまで離れていないから、マキシも一緒に来るのに丁度いい場所なのぅ~」
そう、この温泉は辺鄙なとこで山々に囲まれているんだけど、山さえ越えれば王都に割と近いのだ。
まぁ、なんだ、道がね、険しいのだけど。
それは土魔法で頑張ればなんてことないわ。
あと、海が山を越えた先にあるみたいなんだよねん。
上手くやったら、海の幸にも定期的にありつけるじゃない!?
素晴らしい、この廃村に決めたぁ!
「一度下見に行きたいねぇ〜」
「マキシも誘ってね!」
ニヨニヨしながら見てくる精霊2人組。
なんだか顔が熱い……。
ふにゃふにゃ私がしていると、マキシがやって来た!
「廃村リストをご覧になられているのですね」
「マキシ〜、マキシ〜、この村に僕達決めたよ!」
「王都にも割と近いのぅ~」
ニヨニヨしながら私とマキシを交互に見る2人。
なんだか今日、熱くない?
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