74:夜の庭
パーティーは慌ただしく終わった。
最後のリカルド様とエミリア様にことは気になるけど、恐らくリカルド様は囚われていたようだし、結果的に助けられてよかった。
これは猫神様のおかげよね、ありがとうございます!
ふぅ、ちょっと気が張ってたから疲れたちゃった。
会場の奥に広がる美しい庭園に目をやる。
今夜は色々あったな……。
色々あったけど、マキシがいてくれるだけで安心できた。
「シャーロットさん、約束のデートに行きますか?
もし、疲れていたら今度でもいいですよ」
「いえ、今もお庭の美しさに見惚れていまして。
マキシこそ大丈夫ですか?」
「勿論。楽しみにしていたんですよ、行くに決まっています」
庭に出ると、月の光が柔らかく辺りに落ちている。
無言で東屋まで2人で歩く。
花々の芳しい香りが鼻腔を擽る。
「今夜は色々ありましたけど、側にマキシがいてくれたからどんな場面も安心出来てました。
ありがとうございます」
マキシに頭を下げた後、東屋の椅子に私は腰掛けた。
マキシは立ったままだ。
「シャーロットさん、あなたの安心出来る存在になれて私は嬉しく思います。
今後はあなたのことを、私も1番側にいて守っていきたい」
そう言うとマキシは私の前に跪く。
「この私と結婚して頂けませんか?」
私と、マキシ、貴方が結婚?!
有り得ないでしょ?
風が庭園の木々を揺らし、花びらが舞い散る。
私は前世で社畜&喪女を極め、今世では喪女道を探求する者だ。
2ヶ月前に婚約破棄され、喪女街道を爆進していた筈なのに。
思わずジッとマキシを見つめると、優しい瞳で見つめかえしてくる。光り輝く様な目の前のイケメンは跪いたまま、私の手を取ってきた。
ひぇ~、こんなイケメンを近距離で見たら目がやられるわ!
「「シャーロット?」」
シマ社長とモモ先生がキラキラした瞳見てくるけど……
―コレは、本気と書いてマジと読むやつですか?
ドッキリじゃないんてますか!?
一体この喪女のどこに結婚相手の要素を見つけ出したの???
「あなたがまだ、私のことを結婚相手として考えられないのであれば、待ちます」
「マキシに結婚相手として考えてもらえて嬉しいです。
でも……私って結婚相手としてどうなんです?
マキシみたいな素敵な人には相応しくないんじゃないですか?
マキシだったら、もっと相応しい人沢山いますよ……」
私は知らずに声が小さくなる。
「シャーロットさん、私はシャーロットさん程素敵な人は知りません。
それに、相応しい人なんて私ではない他の方が、私の気持ちを考えずに選んだ人ですよね。
そんな方はいらないんです。
私が側にいたいのは、シャーロットさん、あなたの側だけです」
「「シャーロット……」」
シマ社長とモモ先生が私を上目遣いで見上げる。
くぅっ!!カワイイ!!
分かってるよ、マキシに返事をしなきゃ。
でもなんか自分の気持ちが分からないや……。
「私はこれから、あなたのどんなところが好きか伝えていきます。覚悟しておいて下さいね」
そう言うとイタズラっぽくマキシは笑う。
「「シャーロット!」」
シマ社長とモモ先生から私へ返事の催促がはいる。
「……マキシ……マクシミリアン様、私、
自分の気持ちがよく分からないのです。
だけど、一緒にいて安心出来る、話をしていたい男性はマクシミリアン様だけなんです。
だから、もう少しお返事、待って頂けませんか?」
*******
【マキシとシマ社長とモモ先生の反省会】
「気持ちが先走り過ぎました……」
「マキシ、ドンマイ!」
「ジョシュア王子が来たりして気持ちも不安定だったでしょうに、プロポーズなんて……」
マキシはわかりやすく落ち込んでいた。
「ムリは無いのぅ。だって、シャーロットからデートなんて言われたら、多少期待しちゃうのぅ」
「モモ様……」
「……ただね、シャーロットはマキシのことを意識している様子だったよ。
あの子が早く、自分は見てもらえないって思い込みから抜け出して、マキシとの幸せな未来へ手を伸ばしてくれればいいんだけど」




