71:波乱のダンスタイム
貴族の皆皆様が落ち着いたこともあり、ダンスタイムになった。
先ずはファーストダンス。皇帝ルーカス様と皇妃ヨハンナ様(今や仲良くなって……以下略)が華麗なダンスを披露。
そして次は私とマキシのダンス。
「お願いします」
マキシに言うと、
「こちらこそよろしく」
優しく微笑んでくれた。そんな風に微笑んでくれると緊張でカチコチなった心が楽になってくる。
「今夜は忘れられない日になりそうです」
「そうですね、私もです」
私もマキシに微笑み返す。
——あっという間に私達のダンスが終わると、フェリ様(皇太子今や仲良く……以下略)、ケイト様(皇女今や仲良く……以下略)や公爵家の方々のダンスが始まった。
ダンスの大役が果たせてホッと一息よ。
私の肩のシマ社長とモモ先生はいつものステルス状態になっている。
そうか、あの時はきっとジョシュア様を警戒して姿を見せたままになっていたんだね。
『ありがとうね、シマ社長、モモ先生』
『うん?どうしたの、シャーロット』
『ジョシュア様から守ろうとしてくれてたんでしょ?』
『シャーロットを守るのはぁ〜、当たり前なのぅ~』
念話で会話していると、次々に私とマキシの前に婚約のお祝いの言葉を贈りに来てくれている貴族の方々に囲まれる。
皆、一様に目がキラキラしているわ。
どうやら光の高位精霊や猫神様の顕現に感激したようで、私達が間違いなく幸せになれると言ってくれる。
私達がこの国にいてくれて嬉しいと言ってくれる。
——フリーデル王国では頑張って聖女活動をしても王族の方々に特に感謝されたりだとか、なかった。
ベアトリーチェ様ぐらいだったのよ、頑張りを認めてくれたのは。
この国に来てから、皇族を始め色々な方々に私がこの国に来てくれて嬉しい、ありがとうって言ってもらえて、心が温かい。
一方、さっき会ったジョシュア様は相変わらず私を下に見てぞんざいに扱おうとした。あんな人達がいるフリーデル王国には2度と戻りたくないわ。
「どうしたの、シャーロットさん。疲れた?休憩するかい?」
マキシが心配顔で聞いてくれる。
あぁ、無意識で難しい顔でもしちゃったのかしら?
「ありがとう、マキシ。大丈夫よ」
「いや、やっぱり休憩しよう。まだまだパーティーは続くし、さっきまで緊張する事が重なったでしょう?気疲れもしたでしょうし」
そう言ってくれた所で、何やら近づく気配あり。
エミリア=フォン=リンガー公爵令嬢よね?
取り巻き令嬢達とやって来たんだ。
「マクシミリアン様、亜神にお成りになられたなんて凄いですわ!是非、一緒に踊って下さいませんか?」
私のことはスルーしてマキシだけに挨拶するし。
取り巻き令嬢達は私を見てニヤニヤしているし。
『喧嘩売ってんのかぁ〜?』
モモ先生がお怒りのご様子で私の目の前に浮きながら移動。小さなお手々をブンブンさせている。
『皇子の婚約者に対してあんな態度なんて常識知らずだな。遠くにいる貴族達もドン引きしているじゃん!』
シマ社長もお怒りのご様子で私の目の前に浮きながら移動。羽をバタバタさせている。
「ダンスのお誘いですが、ご遠慮させて頂きます。
婚約者を見つめるのに忙しいので」
そう言いながら私の肩を抱くマキシ。
氷の属性魔法も使えるのでしたね、冷たい空気を発生させています。
エミリア様も取り巻き令嬢達もなんで?!って表情をしているんだけど、逆に何でその表情?!
「……分かりました、失礼致します」
フン!とばかりに踵を返す令嬢達だが、
「あら、ごめんあそばせ」
令嬢達が私に向かってグラスのワインを一斉にぶち撒けた!!
シマ社長とモモ先生は姿を現すと、瞬時に反射魔法を繰り出す!!
バッシャァアン
エミリア嬢with取り巻きズは反射魔法によって反対に頭からワインを被ってしまった……。ワイン塗れ。
「よくも我らの聖女に危害を加えようとしてくれたな!!」
念には念の入れよう、風魔法で会場の隅々にシマ社長の発言を飛ばすマキシと、シマ社長とモモ先生の連携凄い!
エミリア嬢with取り巻きズは青ざめている。




