67:カラオケ魔道具のその後
ここ数日慌ただしく過ごしている。
パーティーに出ることになったからドレスを作ることになったし。
高位貴族の御婦人達とのお茶会に皇妃様とケイトリン皇女様と参加したし(パーティー前の顔繋ぎ的な)。
あとはね、マキシとダンスの練習もしている。マキシ
ったらダンスも上手くて、一緒に踊ると羽が生えたみたいになるの!
踊るのが楽しくなってきちゃう。
「マキシと踊るの楽しい?」
「そうよ、凄く楽しい!」
『よしよし、イイ感じだね』
『このままラブラブになってほしいのぅ』
念話をしているのだろうか?シマ社長とモモ先生は何やら頷き合っている。
『外堀もドンドン、ミスリルを埋めたってくらいに
バチバチに埋めてラブラブ度を上げてやるぞ!』
2人がエイエイオー!と手(片翼)を上げている。
なによぅ、気になるじゃない、ジトッと私は2人を見たけど知らない振りをされてしまうのだった。
きっと、何か企んでいるわ!?
◇◇◇◇◇◇◇
カラオケ魔道具用に曲も集まってきた。
あぁ、それとマキシとシマ社長、モモ先生に促され前世の歌も歌ったわ。それらの曲は今世の世界に合うようにアレンジされて収録予定だ。
曲の著作権も概念として説明している。曲を作った人に、歌が歌われる度にちゃんとお金が入るように。
作り手の方々は尊いですから、大事にしないとデス!
その話をしていた時、ハッとしたようにマキシが言うの。
「これからは吟遊詩人はいなくなって、カラオケ魔道具を持った歌い手が街に現れるのだね」
それって、なんか……なんか……解釈違い……みたいな?ちょっと複雑な気持ち。
あのリュートみたいな楽器を持っていた手が、マイクを持つようになるのだよ?
「そうか!手軽に持ち運びが出来るタイプもあったらいいな!わが国の新しい輸出品が増えますね!」
フェリックス皇太子が嬉しそうにしている。
えぇと……まぁ、良いかぁ……。
「あの……自分で作詞作曲する方達向けに伴奏が取り込めるとまたイイかな?って思います……」
「確かにそうですね。吟遊詩人なんかは時事ネタを歌う方もいますし」
「あと、庶民がカラオケ魔道具を使うなら、一緒に防音の魔石も使うように義務付けて下さい。
うるさいと迷惑になりますし」
「確かに……」
私とマキシ、フェリックス皇太子の3人でアイデアを出し合う。
こういう、何かを作るのって楽しい!
前世の知識やモノに頼っているけど、これが新しい文化の波を作っていくだろうと感じる。
また何か作れるとイイなぁ。
◇◇◇◇◇◇◇
カラオケ魔道具はそれから数ヶ月後販売されることとなる。
ロクに娯楽の無かったこの世界に新しい娯楽が生まれたのだ。新しい娯楽はこの世界を見る間に席巻していった。
それに付随しカラオケ魔道具に収録する色々な曲も出来た。
だけど……。想定外だった。
私が紹介した前世の曲で“おれっち東京にいくだ”を今世風にアレンジした“おら達首都に来たべ”が大ヒット。
私、ラブソングとか色々なジャンルを紹介したけど……。元々の曲の良さが強かったのね、私印税を貰いましたわ!
まぁ、詳しいこの話はいつか機会があったら……。
◇◇◇◇◇◇◇
【シャーロットドレス合わせ中〜
シマ社長とモモ先生とマキシ】
「いよいよ明日がパーティーなんですが、お二人に相談があるんです」
「どうしたのぅ〜マキシ?なんでも聞くようぅ〜」
「エミリア=フォン=リンガー公爵令嬢とその取り巻き令嬢達ですが……パーティーでシャーロットさんに何か嫌がらせをするかもしれません。
私も出来るだけ近くにいて防ごうと思っているのですが、状況によっては難しい場合もあります。
どうかシャーロットさんのこと、宜しくお願い致します」
マキシが2人に頭を深々と下げる。
「大丈夫だよ、僕等は元々シャーロットのお世話係兼護衛係なんだから。安心して!」
シマ社長とモモ先生はマキシにウインクしてみせる。
かわいさに身悶えしながらマキシは再び頭を深々と下げるのだった。




