64:カラオケと言えば私はアレ
カラオケの魔道具の事で再び集まるのは15時。
丁度オヤツ時だし、私はカラオケと言えばアレ、フライドポテトなんだよね。
作ってもらえないかしら?
皇宮の調理室に向かっていると、バッタリマキシと出会った。
「シャーロットさん、どうされたのですか?」
「作って頂きたいものがあって、お願いに行こうと調理室に向かっているところです。……前世で食べた物なので私が直接向かった方がいいのかな?と思って」
「そうなんですか、興味があります。私もご一緒しても?」
「マキシが来てくれるならありがたいです!」
王族と一緒の方が色々といいと思うので本心からありがたい。
「マキシはどうしてここに?」
「さっきまで皇宮楽団がいる部屋に行ってきたんです。聞きたいことがあって。
カール主任が歌ってた歌劇:薔薇の皇太子から”なんと麗しいあのお方”ってあったでしょ?あれについて……。何故か歌詞の端々に私の事を言っているのか?と言うような表現が多くあったから、まさか私が邪神化している間に私の歌劇出来ていないよな?って。
自意識過剰なら良かったんですけど……」
「ひょっとしてアレのモデルマキシなのぅ〜?」
ひょっこりモモ先生が現れる。
「……お恥ずかしいことにそうらしくて」
赤面するマキシ。OFFだと照れ屋さんだよね。ONの時は全然動じないのに。
「マキシって超人気らしいから歌劇できちゃったのね」
そこにひょっこりシマ社長が現れる。
「亜神になって帰って来たでしょ?
歌劇:薔薇の亜神様ってきっと出来ちゃうね。“麗しい神の帰国”とか歌の題名で出来そう」
シマ社長とモモ先生はお互いに見つめ合いながらキャッキャしている。
「それは勘弁して頂きたい……」
半泣きのマキシは貴重だわ。
マキシには残念でしょうが、その歌劇は出来ると思うね。
私は出来たら観たいです!
♢♢♢♢♢♢♢
たどり着いた皇宮の調理室はそれはそれは広かった。
フリーデル王国の2,5倍くらいかしら?
大国だしね、広いハズだよね。
マキシが先に総料理長と話をつけてくれ、なんと、作ってもらえることになりました!!
待っていると現れたのはガタイのいい男性。
リンゴを片手で粉砕できそうな方で、イケオジであった。
「副料理長のユリアンです、はじめまして。
美しい聖女様にお会い出来て感激です」
バチーンとウインクされちゃった!
イケオジのウインクはドキッときますが、あいにく枯れ専ではないのでね。
私が聖女って分かる前、ウェストン家で私の侍女をしてくれたミアは枯れ専だった。今は結婚を機に侍女は辞めて三児の母だ。彼女なら大喜びでユリアン副料理長を観察しただろうな。
彼女が懐かしくなりニヨニヨしてしまう私だ。
それから、早速作ってもらったフライドポテトはもう素晴らしい出来!!ここにコーラがないのが悔やまれます。
でも、いつか作ってみるんだ!
クラフトコーラの作り方をネットで見たことあったんだよね。あれはシナモンとかカルダモン、生姜とか色々入ってたのよ。
ただ、配合の割合を覚えてないから試行錯誤して作ることになるんだけど。
その過程もコーラが飲めるようになるのなら楽しいだろう。
私は足取りも軽く音楽室へ向かうのだった。
♢♢♢♢♢♢♢
【音楽室へ向かう道中〜3人の念話で内緒話】
『どうしたの?マキシ。何か急に元気がなくなって』
『いえ……シャーロットさんはユリアン副料理長みたいな方がタイプなのかな?って……』
『いやぁ。副料理長みたいな男性がタイプなのはシャーロットの侍女をやっていたミアって女性だよ。
ミアのタイプの渋い男性が現れたから、ミアのことを思い出したんじゃないかな?』
シマ社長はマキシの肩にそっと飛び乗る。
『ワタチもそう思うのぅ~。それにシャーロットのタイプの男性はマキシ。だけどぉ、シャーロットは超奥手の鈍感だから未だに自分の気持ちに気が付いていないと思うのぅ〜』
モモ先生はマキシの肩に乗ると小さなお手々でマキシの頬を軽くペチペチした。
『マキシも奥手?』
『いえ……はい。王族なんて政略結婚で、恋愛なんて二の次ですから恋なんてしたことなかったので……。
まさか恋……なんて』
マキシは赤面している。因みに先を歩くシャーロットは全然気が付いていない。
シマ社長はシャーロットの背中を見ながら内でため息をついた。シャーロットも恋愛なんて二の次で生きてきたから恋なんて分からないんだろうな、と。
『僕等は応援するからねぇ〜』
『2人には幸せになってもらいたいんだ』
ただ、シャーロットは手強いぞ!!シマ社長はこれから始まる“ラブラブ大作戦”に気合を入れたのだった。




