62:カラオケ魔道具とのご対面前
圧に気づいたらしい彼女等はソワソワ、ゴニョゴニョ暫くしていた。
「そうなんですの、聖女様今後よろしくお願いしますね。では殿下失礼致します」
“婚約おめでとう”を言わないのが、やはりマキシの婚約者に自分がなりたかったということなのでしょうね。
そそくさと帰っていくエミリア嬢with取り巻きズ。
じっと彼女等が去るのを見据えるマキシ。
「……マキシ、どうしたの?軽く圧までかけてなかった?」
「え、あぁ、すみません。話すと長くなるので今は語りませんが、彼女達はお騒がせ軍団なんです。
軽く圧をかけたのは牽制のつもりです。大体、シャーロットさんを睨むなんて失礼過ぎますよ!」
「私の為に怒ってくれてありがとう」
マキシの言葉にまた、心がホワホワする。
……今日は一杯ホワホワしてる。
私がフリーデルにいた時、こんなに一杯ホワホワ温かい気持ちになったことあったかな?
その後は念願の図書室へ。
広い、綺麗、蔵書めっちゃ沢山!!
見たい本ばかり……天国はここにもあった!!
シャーロット大歓喜!!
前世と違って娯楽少ないでしょ、今世は。
特に聖女なんてなったらそこいらの令嬢達と同じ様にカフェに行ったり、観劇に行ったり、避暑地に行ったりなぞ出来ませんでしたから、自然と私は本の虫になったのですね。
本の虫的にとってここは素晴らしいですよ!
初版本やら、入手困難なものやら、最新巻やら……
シャーロットこの図書室に暮らしたくなっちゃう!!
心のテンションは爆上がりですが、私は淑女ですのでね、淑女らしく控えめに喜んでいたら、マキシは何だか嬉しそうにしている。
「マキシも本が好きなのね」
「そうですね。あと、嬉しくなることがあったので」
「そうなの?良かったわ」
「借りて部屋でも読めますよ」
「本当に?!借りたいわ、教えてくれてありがとう。何だかね、今日は温かい気持ちで心がホワホワ一杯したの。マキシにもご家族にも。
縁をくれたマキシに会えて良かったわ」
図書室にも来れたからね!
「ゔっ!!」
マキシは顔を手で覆ってしまう。隠れてない耳が赤いわね。なんだろう、恥ずかしかった事柄思い出した?
私もあるわ、恥タヒしそうになったことあるもん。
生暖かい目でマキシを見てしまうのだった。
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カラオケ魔道具が気になりすぎて眠れず、自らにスリープの魔法をかけちゃった昨晩。
まるで遠足前夜の小学生の如し。
はぁ、それにしても清々しい日だ。
曇天だけど、私にとっては清々しい日なのだ。
多分今の私は10センチ程浮いている……気分。
「シャーロットが幸せそうでよかったのぉ〜」
「モモ、昨日聞いたろ?シャーロットはカラオケ魔道具のことしか考えてないんだぞ。
マキシとは進展無しだなんて、何のために2人きりにしたんだか……」
「……何か言いました?」
「ほら、コレだよ……」
シマ社長とモモ先生の言葉はイマイチ入ってこなかった。
カラオケ魔道具のお披露目は王族プライベートの音楽室。
と、いっても広くて豪華なお部屋なんですよ。
こんなところでなら音が多少大きくても大丈夫だよね。防音の魔道具もあるしね。
そうこうしていると、ケイトリン皇女、フェリックス皇太子、マキシと魔道具の開発者らしき人達が現れた。




