61:庭でティータイム
マキシと私は早速皇宮を回ることになった。
「先ずは何処から回ろうか?今日は天気がいいから庭に行く?図書室に先に行く?薬師の工房に行く?
時間は沢山あるから、シャーロットさんが行きたいとこからでいいですよ」
「そうですね……庭のお散歩した後で図書室っていうのはダメですか?」
「いいですよ、東屋もあるからそこでちょっとお茶をした後、図書室なんてどうですか?
さっきはシマ様とモモ様が美味しそうにスイーツ食べる所をただ見てるだけだったでしょう?
もう暫くしたらオヤツの時間だし、どうです?」
「魅力的な提案ありがとうございます。よろしくお願いします」
尚、皇宮では15時がオヤツ時間になっている模様。
メイドさん達も含めて交代でこの時間付近に休憩を取るそうな。
「了解しました」
ニコッと笑うとマキシは手を差し伸べてくれる。
エスコートしてくれるつもりなのね。
こういうのが流れる様にスムーズに出来るから凄いよね。ポイント高いわぁ〜!
「ねぇ、カラオケの魔道具の件って何か聞いてますか?」
「あぁ、フェリが明日にもお披露目するって言ってさ。
何時がいいかシャーロットさんに聞いといてって。
その時は私も一緒に見学させてもらうよ」
「本当ですか?」
夕飯の時にでも返事をすればいいからということで、早速お庭へGO!
やって来た皇宮の庭は、流石大国の庭らしく広い。
王族しか入れない庭の区画に、植物で迷路をつくっている区画、観賞用の温室に、主に庭でのお茶会に使われる区画と分かれているんだけど、花がメインのテーマパークに来た気分。
ドレスにハイヒールじゃ普通の令嬢が全部回るのはムリな……兎も角広い!
マキシと今後ちょっとずつ回る話がつく。
なんでも、フリーデルには無い花々が見頃らしく、楽しみである。
今日は時間的にお茶会に使われる区画にやって来た。
花々に囲まれるようにお茶会時はテーブルがセッティングされるそうだ。きっと素敵な筈。
お茶をする予定の東屋は、舞台の様に広く美しい造りだった。
お茶会の時、きっと東屋には高位貴族が座って、後は東屋周辺にテーブルがセッティングされ他の貴族が座る、そんな感じだろう。
前もってマキシが指示を出していたらしく、ガーデンチェアに座ったら何処からともなく侍女の皆さんがお茶やスイーツのワゴンと共に現れた。
ササッとそれらがテーブルに並べられるけど、皇宮料理人の作るスイーツは見た目も素晴らしい。宝石みたいなの。食べるのが勿体ないくらいである……食べるけど。
「おいしぃ〜」
「ふふ、おかわりは要りますか?」
「いえ、食べ過ぎるとウエストが大変なんですよ」
乙女にとっと重大なことです。大真面目にマキシに伝えると、彼もまた大真面目な顔で頷く。
楽しくやり取りできる相手とのお茶は本当にいい!
その後も和気藹々スイーツを楽しんでいたら、着飾った綺麗な女の子達がやって来た。
いつの間に来たん?
中でも中心人物らしい子がしずしずと近づく。
「あぁ、殿下……よくぞご無事で。再びお会いできてワタクシ嬉しいですわ」
涙を浮かべてくねくねしている。
何処の国でも一緒ね。こういう方々。
中心人物の取り巻きは私を鋭い眼光で睨んでいるわ。
多分、マキシの婚約者は今公式にはいないことになっているから、マキシが生きて戻ってきた噂を聞きつけてアピールに来たのかな?
「ありがとう」
爽やかな笑顔を浮かべるマキシだけど……皇子スマイルっぽい?
いつも私達に見せるあの自然な笑顔とはちょっと違うように感じる。
そうか、私達には素のマクシミリアン=フォン=アダルベルトを見せてくれていたのか。
嬉しくて何だか心がホワホワする。
「シャーロット、コチラはエミリア=フォン=リンガー公爵令嬢で遠縁に当たるんだ。
エミリア嬢、こちらはシャーロット=オブ=ウェストン伯爵令嬢。
フリーデル王国で筆頭聖女として頑張っていたんだが、私の婚約者になるに当たってアダルベルトに来てもらったんだ。
これから顔を合わせる機会もあると思うからよろしく頼むね」
マキシちょっと圧出してる!?
どしたん?
私は困惑したまま、取り敢えずニコニコ……。




