56:さよならルビィ村
―朝。
私はちょっと早めに起きた。
今日ルビィ村を去る。
去る前に私は防犯用に祓ってなかった瘴気を浄化する。村の外周に建てられた立派な外壁についた。
これを浄化するのがここを借りた恩を果たす為、去る時に大事な事だと思ってたから。
気が付くと私の両肩にはシマ社長とモモ先生が乗っていた。
「まさかこんなに早くここを去ることになるとはね」
「そうだねぇ〜」
「ここで得たノウハウを次の廃村で活かせばイイのさ」
この村は教会が頑丈だったから住む場所の確保が出来たけど、次の廃村は分からない。
野営グッズ購入待ったなしだな。
私はアダルベルトに着いたら、魔導具屋巡りをすることを心に誓う。
そんなこんなして浄化を終え教会に戻ると、そこにはブラン辺境伯様と、エヴァンス冒険者ギルド長、クライムハルト薬師ギルド長、ラビニア薬師副ギルド長がいて、マキシ達と話していた。
「シャーロット聖女、お早うございます」
「アダルベルトへ旅立たれると伺い、参りました」
嬉しいな、見送りして頂けるなんて。
「浄化は完璧ですから、また上質な薬草が採れるようになりますね。私が薬草を中心に育てていた畑もありますので、そちらもご活用頂ければ」
「ありがとうございますシャーロット聖女。こちらは御礼の気持ちです」
ブラン辺境伯様に何やら袋一杯の中にかを渡される。
えっ……これ金貨?
「イヤイヤイヤイヤ、無料で住処を借りた御礼に浄化させて頂いたんです。だから頂けませんよ!」
「いや、邪神の欠片の件も手伝って貰っただろう?
ね、シマ様、モモ様」
エヴァンスさんがシマ社長とモモ先生にウインクした。
「うっ、2人の活躍を言われると……あ、代わりに、朝ごはんを奢って下さい。シマ社長とモモ先生には、パンケーキがいいかしら?」
「「パンケーキ!!」」
2人を見ると、パァっと、あのつぶらな瞳を輝かせてぴょんぴょん跳ねる。なんじゃ、そのかわいさは!?
はっ!周りのお偉いさん方もときめいた表情よ。
「さ、寂しいです、会えなくなるなんて、シマ様、モモ様」
と、ラビニアさん。涙ぐんでいる。
つまりは、ラビニアさん的に、聖女<シマ社長&モモ先生というわけか。可愛い者には勝てませんわ。
「……時々手紙を送りますよ。2人の近況を添えて」
涙ぐむラビニアさんを宥めるように言うと、
「て……て……て……て……」
「てがみ!?」
辺境伯とエヴァンスさんが同時に叫ぶ。
え、えっとぉ、辺境伯様とエヴァンスさん……あれは羨ましい!って顔なのかしら?
「「私も頂きたい!」」
見事にハモった手紙要求……可愛い者好きだったんでしたね。
クライムハルトさんは出遅れた!というような悲しそうな表情……。
「手紙欲しいのぅ~?なら、シャーロットに手伝ってもらって書くのぅ」
「人間と手紙のやり取りは始めてだから楽しそうだね」
2人が嬉しそうにピコピコしながらお返事すると、4人は感激している。涙を零している……。
私は困ってマキシを見上げると、マキシは神妙な面持ちで頷いた。
「シマ様とモモ様の魅力に抗える人間などはいないですよ」




