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45:スパダリマキシ

フェリックス皇太子は私達と一緒に行きたがったけど、流石に今回の護衛計画の計画者だったので、

側近’Sに止められた。


悲しそうな顔のフェリックス皇太子達をルビィ村に残して、私達は冒険者ギルドにやって来た。

 私は旅装に使っていた目眩ましのコートを着ている。フードも頭から被っているから中々怪しげだ。でも、これを着ると、印象に残らない幻覚効果があるのだ。偽名の"ロシナンテ"を名乗る事にしている。


一方、マキシはフェリックス皇太子が持っていたコートを借りて着ている。このコートも幻覚効果があり、印象に残らないらしい。

ふぁ~、まるでモデルみたい。コートもよく似合っている。


冒険者ギルド内は人でごった返し、中々奥に進めずにいた。すかさずシマ社長がエヴァンスギルド長の元に飛んでいってくれたお陰で、ギルド長がこちらにやって来てくれた。

「来てくれたのか、せ」

モガモガ…

シマ社長とモモ先生が慌ててギルド長の口を塞いだ。

もしかして、"聖女シャーロット"って声掛けないように気を付けてくれたのかな?2人とも優しい!

 

ギルド内の個室に案内され、中に入るとすでに辺境伯様がいた。

私とマキシがコートを脱ぐと始めて気が付いた辺境伯様が声を掛ける。マキシに気が付いたギルド長は驚いた様子。

 

「お越し頂き有難う御座います、シャーロット様。あと、こちらの方ははじめましてでしょうか?私はテオドール=ド=ブラン辺境伯です」

「私は冒険者ギルド長のエヴァンス=モアです。宜しくお願いします」

「ご丁寧に有難うございます。私はマクシミリアン=フォン=アダルベルト。アダルベルト皇国の第一皇子です。宜しく」

フッと微笑むマキシ。固まるギルド長と辺境伯様。


「あの…大変失礼ですが、お亡くなりになったとお伺いしておりましたが…」

ムリもない。ルビィ村事件でマキシは行方不明になり、亡くなったと言われていたんだから。

とはいえ、ストレートに聞いてきたな、ギルド長。

 

ルビィ村の浄化をザイル王国とアダルベルト皇国の合同でやっていたけど如何せん瘴気が激しい上、魔物やアンデッドの襲撃で中々浄化が出来なかった。

アダルベルト皇国側はマキシの骨や遺留品をアダルベルトに持ち帰りたいと願いがあり、浄化は必須。

当然、この辺りの人で地位のある人なら知っていることだしね。


「素晴らしい方々のお陰で、囚われていた所を助けられたのです。今回、私も微力ながら素晴らしい方々のチカラになれたらと思っております」

マキシは私達を見ながら話す。2人とも(あぁ~)みたいな顔をする。


「ではルビィ村は今?」

ギルド長が聞いてくる。あの辺り素材の宝庫だし気になるよね。

「浄化は後少しで終わります」

 

「村の浄化の件は具体的にはまた今度。

実は聖女シャーロットの件でご相談があります。

フリーデル女神大神殿から冒険者ギルドへ聖女シャーロットを探すように依頼が来ていませんか?」

マキシが話しを進めてくれる。

 

「スミマセン、砦の件で今ギルド内が混乱しておりまして。

そのような新規の依頼は、3日前からギルド長確認と、依頼掲示はストップしているのです。

砦が最優先事項として、ギルド長権限で行っております。砦の件が片付くまでの期間続行処置となります」


「なら、丁度良かったのぅ〜」

「そうだね。

 …テオドール君、エヴァンス君、シャーロットは今後も聖女活動はする予定だけど、フリーデルでは行わない。アダルベルトへ移住するんだ」


「分かりました。シャーロット様の事がバレないよう、気を付けます。幸い暫くは依頼掲示まで猶予がありますので、その間にアダルベルト入りをして頂ければ問題無いかと」

「私も問題御座いません。領主が旅行者の名前など調べませんからね、他国間との有事じゃあるまいし。

問い合わせがもしあっても、知らないふりを通しましょう」

ギルド長も辺境伯様もそう言ってくれたから有り難い。

 

「シャーロットさんのことを知っている方が他にいらっしゃるなら、その方にも箝口令をお願いしても?」

「勿論です、マクシミリアン殿下」


マキシ主導で私が困らないように気遣ってくれた事が有り難かった。

それに!さり気なくエスコートしてくれるんだな、これが。ギルド内外の出入り口の扉で、椅子にかける時も。


思えば始めて会った時から丁寧で優しかった。

ルックスはいいし、高身長、高い地位(亜神)。

しかもかなり強いって聞いてる。

マキシってスパダリよね。私が筋金入りの喪女じゃなければ恋に落ちていたわ。フフ、危ない、危ない。


そんな余計な妄想を繰り広げる私の横で他のメンバーが砦攻略について議論を続けている。


「僕達が砦を偵察できたら良かったんだけどね…」

シマ社長とモモ先生が顔を見合わせながらため息をつく。

「ならば私が試してみましょうか?ね、シマ様、モモ様」

確かに亜神のマキシならいけなくはないかも。

 

「マクシミリアン殿下に偵察なんてさせられません!」

「テオドール君、マキシが良いって言ってるんだ。良いんだよ。それにマキシが適任だと思う」

「では、私が偵察を行う事で決まりですね」 

 

纏まりました!

私は回復係でシマ社長とモモ先生がサポートしてくれる。

マキシは偵察係。ギルド長と辺境伯様はマキシのサポートだ。

これで何とか砦問題解決するといいけどなぁ。


 

 

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