44:偽名と皇太子
廃村暮らしが気に入ったのかな、マキシ。
今度食べられる雑草のことでも教えようかしら?
あのタンポポっぽいやつ、食べれるよ、天ぷらにしようか?って。
マキシがフェリックス皇太子の肩を抱いて何やら内緒話しをしている模様。
その間私は偽名を偽名を考えます!
シャーロットだから、シャア?違う、なんかロボットに乗りそうだわ。シャー?は、しっくりこないわ。
じゃ、愛称のロッティからとって…、ロ、ロ……ロシナンテ?元駄馬って言う意味だっかしら?確か前世のドン・キホーテ(小説の)の。
ロシナンテなら女性らしさは皆無だし、シャーロットに繋がりにくいわ。
それに探す相手が元駄馬って面白い。
「どうされたのですか?ニコニコして。」
マキシとフェリックス皇太子の内緒話しは終わったようだ。
「あぁ、偽名が、決まったの。"ロシナンテ"よ」
「分からないですけど、なぜだか馬っぽさを感じる名前ですね。」
「うわっ、スゴっ、そうなの、馬の名前よ」
「うまの……」
「なまえ……」
2人が何か引いてる?そんな感じするんだけど!?
その時、
「ただいまぁ〜」
「ただいまなのぅ〜」
真っ白のキラキラした可愛らしい私の守護精霊が戻ってきた!
「おかえりなさい、大変だったね」
「大丈夫だよぉ〜」
「あ、マキシ?解放おめでとう!」
「有難う御座います、シマ様、モモ様」
「様付けはヤメて。だって亜神に進化したんでしょ?導師トラから聞いたよ。亜神様に比べたら僕らは下の存在だから」
「進化は不可抗力です。私の望みではありません。それに私は私で変わりませんし。マキシとこれまで通りお呼び下さい」
シマ社長もモモ先生もマキシも互いに顔を見合わせると、頷きながら微笑んだ。
「ところで人質はどうなったの?」
「大丈夫、無事に保護して、砦のところに連れてきた!」
「人質になってた家族が声を掛ければ、砦に立て籠もっている村人を速やかに投降させられると思ってたんだけどねぇ〜」
「ね。ダメだったよ。その上砦の結界、通り抜けられなくなっちゃった。もしかしたら、他にも邪神の欠片があって操られている者が合流しちゃって、今砦にいるとかさ、何かあるのかも」
うわっ、何だか長引きそうな問題になってきたね。
「あ、そういえばエヴァンスギルド長と辺境伯様は?」
「2人はね、それぞれ本拠地に一旦戻った。状況を整理するって。それにずっと離れる訳にはいかないしね、特にテオドール君」
「明日砦前で待ち合わせ予定だよぅ〜」
「私も今度は付いていくね」
「うん、もしかしたらシャーロットの力を借りなきゃいけないかも。宜しくね」
「私も行きます」
マキシがズイッと前に出た。
「いいの?マキシ。そりゃあ亜神様が一緒なら百人力だから嬉しいけど」
「勿論です。お役に立ちたいですから」
なぁ〜!そこで王子様スマイル!キランって効果音が聞こえた気がするよ。
「では明日の予定を立てましょう?」
◇◇◇◇◇◇◇
翌朝。私達はルビィ村の教会に集まった。
フェリックス皇太子と側近’S、マキシは、村の拓けた所にテントを設営して寝ていたらしい。
マキシは久々の布団にかなりテンションが上がっていたそうだ。
…いつも土の上に横になっていたからな。
マキシのこれまでの苦労に敬意を!
今日の参加メンバーは私、シマ社長、モモ先生、
マキシ。
フェリックス皇太子と側近’Sは第2班を迎えるのに残ることになった。
「兄上の勇姿を見たかった…」
そう呟いたフェリックス皇太子の頬に一筋の涙が光っていたと、ヘルマンは後に語っている。




